ブルース・ホーンズビー(Bruce Hornsby)の『ホット・ハウス』(HOT HOUSE)です。
明るくて楽しくてグルービーな極上のミュージックが奏でられているアルバムです。
楽曲も佳曲ぞろいで、飽きることなく聴くことができます。
いわゆるシティー派のAORといわれる音楽とは一線を画しますが、これもまた大人のためのロックという感じです。
どんな音楽かは、アルバムのジャケットデザインが体現しています。
バンジョーが入ったり、ドラムがフォービートを刻んだりとR&Bやジャズ、カントリー、フォークといったアメリカンミュージックのエッセンスがロックという音楽をベースに絶妙に融合しています。
特に注目すべき楽曲は1曲目の「Spider Fingers」と3曲目の「Walk in the Sun」でしょうか。
「Spider Fingers」は、ホーンズビーの卓越したピアノの演奏が際立つ楽曲であり、「Walk in the Sun」はシングルカットされました。
参加ミュージシャンも豪華でバンジョーの天才といわれるベラ・フレックやチャカ・カーンやパット・メセニー、グレイトフル・デッドの中心メンバーのジェリー・ガルシアなどが参加しています。
ブルース・ホーンズビーといえば、日本ではザ・レインジというグループ時代のヒット曲『ザ・ウェイ・イット・イズ』ぐらいしか知られていませんが、アメリカではコンポーザーとしても、ミュージシャン(ピアニスト)としても非常に評価の高い人です。
言ってみれば、「ミュージシャンズ、ミュージシャン」といわれるような玄人好みのアーティストで、様々なアメリカのミュージシャンのアルバムに参加したり楽曲を提供したりしています。
他にもグラミー賞を三度受賞するなど、その実力は広く認められています。
バークリー音楽院を卒業し、苦労のさなかにあるときにウインダム・ヒルからピアニストとしてデビューしないかという話もあったとか。
「本当にいい、音楽っていうのはたぶんこうしたものをいうんだろうな」と思わせるようなアルバムです。
もっと、いろんな人に聞いてほしいと思うアルバムですが、まあ、日本じゃあまりウケないだろうなあ…。
トラックリスト
- Spider Fingers – 6:44
- White Wheeled Limousine – 5:28
- Walk In The Sun – 4:58
- The Changes – 5:49
- The Tango King – 5:48
- Big Rumble – 4:40
- Country Doctor – 5:57
- The Longest Night – 5:22
- Hot House Ball – 4:41
- Swing Street – 4:36
- Cruise Control – 5:03