今年は丑(ウシ)年ということで、今年の最初を飾るのはやはりピンク・フロイド(Pink Floyd)の『原子心母(Atom Heart Mother)』でしょう。
リリースは1970年。
写真は高校生の頃に買ったレコードです。
最初にレコードに針を落としたときには、正直、ガックシと肩を落としました。
高校生とっては大金の、大枚2,500円もはたいたのに聞こえてきたのはトランペットやホルンのクラシック風のファンファーレです。
オレはロックのレコードを買ったつもりなのに「何じゃ、これは」という感じでした。
しかし、最初の一曲目を聴き進めていくと、ロックという様式? の中にクラシックのようなコーラスや馬の鳴き声やらオートバイが発進する音まで入った大作主義的な仰々しい構成、そして凝った録音に「ん~、これがプログレッシブロックというものか」などと妙に感心したものです。
実のところ、ロックというよりはクラシックの現代音楽というところに一番近いのかもしれません。
実際、オーケストラ・アレンジはメンバーのロジャー・ウォーターズのゴルフ仲間の現代音楽家がを行っています。
いずれにしても大作であることには間違いのないところです。
なにせA面には23分44秒の『原子心母』という1曲しか入っていません。
原題の『Atom Heart Mother』というタイトルは心臓にペースメーカーを埋め込んで、生きながらえている妊婦のことを書いた英国の新聞「ザ・タイムズ」紙の見出しから取られました。
ピンク・フロイドの楽曲は普段よく聴きますがこの『原子心母』に関しては数年に1回ぐらいしか聴きません。
彼らのアルバムの中でも非常に評価の高い名作といわれるアルバムなのは知ってますが、すべての人に薦められる作品でないことは確かです…。
しかしロックが好きななら、教養としてでも押さえていて欲しい作品です。
ちなみ邦題の『原子心母』は「Atom(原子) Heart(心) Mother(母)」という英語のタイトルをそのまま日本語に訳したもので洋楽アルバム邦題の名作といわれています。
トラックリスト
- 原子心母(Atom Heart Mother)
- 父の叫び(Father's Shout)
- ミルクたっぷりの乳房(Breast Milky)
- マザー・フォア(Mother Fore)
- むかつくばかりのこやし(Funky Dung)
- 喉に気をつけて(MindYour Throats Please)
- 再現 (Remergence)
- もしも(If)
- サマー'68(Summer '68)
- デブでよろよろの太陽(Fat Old Sun)
- アランのサイケデリック・ブレックファスト(Alan's Psychedelic Breakfast)
- ライズ・アンド・シャイン(Rise and Shine)
- サニー・サイド・アップ(Sunny Side Up)
- モーニング・グローリー(Morning Glory)
パーソネル
pink floyd
- ロジャー・ウォーターズ(Roger Waters) – bass guitar, acoustic guitar and vocals on "If", tape effects, tape collages
- デヴィッド・ギルモア(David Gilmour) – guitars, vocals, bass and drums on "Fat Old Sun"[71]
- リチャード・ライト(Richard Wright) – keyboards, vocals on "Summer '68"
- ニック・メイスン(Nick Mason) – drums, percussion, engineering on "Alan's Psychedelic Breakfast"