リターン・トゥ・フォーエバーのライブを日比谷野外音楽堂で観る
リターン・トゥ・フォーエバーのライブを日比谷野外音楽堂で観る
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日比谷野外音楽堂リターン・トゥ・フォーエバー(RETURN TO FOREVER)のライブを観た。
メンバーはチック・コリア(キーボード)、スタンリー・クラーク(ベース)、レニー・ホワイト(ドラム)、フランク・ギャンバレ(ギター)、ジャン=リュック・ポンティ(ヴァイオリン)。
リターン・トゥ・フォーエバー(以下、RTF)はチック・コリアとスタンリー・クラークが最初からの中心メンバーで、それ以外のパートはメンバーが入れ替わっていて今のメンバー構成は第四期というらしい。
正直に言うなら、初期に参加していたアル・ディ・メオラ(ギター)やフローラ・プリム(ヴォーカル)が観たかったが贅沢は言うまい。

なかなかの良席

地下鉄で日比谷駅に着いたのは5時を少し回った頃。
地上に出て歩くこと5分。
会場となっている野外音楽堂のある日比谷公園では第18回鉄道フェスティバルという催しが行われていて、ずいぶんとにぎやかだ。

開演は5時半。
まだ、あたりは黄昏時、暑くもなく寒くもないという絶好の野外ライブ日和。
とりあえずは売店でビールを買って席を探すことにする。
席はステージのほぼ中央、前から4番目という超優良席。
「ホントかいな!」と心の中で疑問の声を上げつつ、席の番号を間違えたんじゃないかと何度もチケットとシートの番号を見比べる。
5メートル先にはステージがあり10メートル先にはプレーヤーがいる感じだ。
周りを見渡すと四十代から五十代のオジサンの姿が多い。

『beyond The Seventh Galaxy』で開演

1曲目は『beyond The Seventh Galaxy』。
ドラムのレニー・ホワイトがライブ中程のMCで「RTFの音楽はジャズでもロックでもないスペース・ミュージックだ」と言ってたが、それを体現するような派手な楽曲からスタート。

音楽が止むとコオロギやマツムシなどの秋の虫たちが音楽に負けじと鳴いているのが聴こえる。
風はさわやかで心地よくステージで演奏するプレーヤーも気分がよさそうだ。
東の空を見上げれば、街の灯が低くたれこめた雲をほんのりと照らし、少しばかりいびつな形の月がその合間から顔をのぞかせている。

ベースのスタンリー・クラークはステージ中央で派手にベースを弾きまくって圧倒的な存在感を放っている。
190センチを越える巨体の彼が弾くアレンビックのベースがいかにも華奢で頼りなく見えるのは気のせいだろうか?
それにしても、まぁ、弦をはじく長くて太い指のよく動くこと!
この人、ベースで『アルハンブラの思い出』のトレモロとか弾けるんじゃないだろうか?
いや、ホントに…!
なかでもウッドベースを右手と左手でパーカッシブに超高速で弾く(叩く?)スラップ奏法は圧巻だった。
スタンリー・クラークの次に目立っていたのがブルーサンバーストのエレクトリック・バイオリンを抱えたジャン=リュック・ポンティだろう。
ギターのフランク・ギャンバレは、もう少し見せ場がほしかった。
レニー・ホワイトのドラムは少々粗い感じを受けたがテンションの高い緊張感のある演奏だった。
チック・コリアはステージの構成や流れを仕切っていたが、演奏は全体に控えめで押さえた印象。

終盤は1枚目や2枚目の初期のアルバムからの楽曲が多く、チック・コリアが弾くローズのエレピで『Sometime Ago』のフレーズが聴こえたときは、鳥肌ものだった。
しかも、ステージ奥からはゲイル・モランがヴォーカルで登場。
とは、いっても『Sometime Ago』は歌わず彼女が歌ったのは次の『500miles hight』からだったのは、やや期待を裏切られた感がある。
ゲイル・モランはチック・コリアの奥さまだが見た目は「ずいぶん老けたなぁ」という印象で少々不安な感じを受けたが、歌自体はなんとか無事に歌ってくれた。

上原ひろみ登場

セットリスト:リターン・トゥ・フォーエバーのライブを日比谷野外音楽堂で観る
セットリスト

最後の『Spain』ではステージの奥から高校生みたいな女の子が登場… と思ったら上原ひろみだった。
チック・コリアやスタンリー・クラークとも親交のある彼女がゲストなのはさもありなんという感じでもあるが、このサプライズはうれしい。
個人的には彼女のプレイは上手いというかすごいとは思うが、さほど好きではない。
そんなに音符で隙間を埋めなくてもよいと思うのだが…。
とはいえ、こうしたビッグ・サプライズはうれしいものだ。

上原ひろみは『Spain』とアンコールの『School days』でアコースティックピアノを弾いていたが、丁々発止と渡り合うという感じでもなかったかな。
『Spain』はアランフェス協奏曲の前フリはなく、いきなり主題から入ったのは少々、残念だったが、一番の見せ場だけあって会場も総立ちで大盛り上がり。
…で例のハンド・クラップとスキャット大会である。
アンコールはスタンリー・クラークの『School days』。

今日のライブは当たりだった。
ステージもものすごく近かったし。
久しぶりに野外で聴くライブの素晴らしさを感じることができた。
ちなみに、その時に蚊に刺された左手首はいまだに痒い。
セットリストは写真で見てください。

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