山形市にある山寺風雅の国「馳走舎」でモレーノ・ヴェローゾのソロライブを観ました。
モレーノ・ヴェローゾは1972年11月22日、ブラジル・バイーア州サルヴァドール生まれ。
父親はブラジル音楽界の巨匠、カエターノ・ヴェローゾの長男です。
開演は6時30分。
あたりは、真っ暗。
北の空にはライトアップされた立石寺が闇夜に浮かび上がっています。
会場は多少、空席もありましたが、ほぼ満席と言った状況です。
客席には東北芸術工科大学の学長で、映画監督の根岸吉太郎氏の姿もありました。
モレーノは白いシャツに白いパンツ、白いスニーカーと白ずくめのカジュアルな格好で登場。
最初の二曲はパンデイロだけを使った弾き語り。
パンデイロはタンバリンにも似た、ブラジルの楽器ですが叩き方で音量はもちろんですが、いろんな音色や音の高さを表現できます。
パンデイロの繰り返し刻むリズムに合わせて歌うという最もプリミティブな演奏ですが、こういうパンデイロの鳴らし方やリズム感はなかなか日本人には真似のできないところではないでしょうか?
前半は子守唄などもあり、静かで素朴な楽曲が多かったと思います。
ガットギターで唄うボサノバはジョアン・ジルベルトのようなしっとりしたお洒落な感じはなく、もっと乾いたプレーンな印象です。
歌った曲には友人だという高野寛の「おさるのナターシャ」といったNHKの「みんなの歌」風の楽曲も日本語で披露。
途中、歌詞に詰まるような場面もありましたが、それはご愛嬌ということで・・・。
この後「大好きな日本の曲です」といって「チューリップ」を客席と一緒に合唱。
まさか「チューリップ」を合唱するライブがあるとは・・・。
ちょっと苦笑。
コレが終わるやロックのエッセンスが効いたビート感のある楽曲を2曲ほど披露。
この辺りが彼の真髄なのではと思ったりもするのですが・・・。
後半はサンバなど、少しホットな楽曲が多かったと思います。
全編を通じて一人でガットギターとパンデイロを使った非常にシンプルな演奏でしたが、トリオやカルテットになると印象もずいぶん変わったものになると思います。
アンコールの2曲が終わって、終了したのが21時少し前ぐらい。
なんとなく人柄があらわれるような全体に素朴で穏やかでハートウォームなライブでした。