12月で雪もチラついていますがラテンの熱い話題を一席。
今年後半、イチオシなのがMONGORAMA(モンゴラマ)というグループの『MONGORAMA』というアルバムです。
スリリングなラテン
ラテンと言ってもブラジル音楽のボサノバのような甘くて癒されるものとは一線を画します。
1曲目出だしの哀愁漂うヒューバート・ロウズのフルートの音色を聞いた瞬間、自分が想像していた陽気で軽いキューバンミュージックとは違っていたので「あれっ」という印象でしたが、よい意味で期待を裏切られました。
このユニットはホセ・リゾというラテン音楽に精通したロサンゼルスのラジオDJが生みの親。
曲の多くは今は亡きモンゴ・サンタマリアというキューバのコンガ奏者の名演で知られるレパートリーを中心にしたチャランガといわれる、バイオリン、フルート、ピアノ、コントラバスといったヨーロッパから伝わった楽器と、ティンバレス、グィロ、コンガというラテンの打楽器で演奏されるキューバの音楽です。
インストゥルメンタルだけではなくヴォーカルの入った楽曲も半分ぐらい入っているのですが男だけの力強いコーラスがカッコイイ。
参加しているミュージシャンも多く、全体にアンサンブルで聴かせるアルバムですがフルートやサックス、ピアノのアドリブがスリリングです。
そうした多くの楽器が奏でるアンサンブルは、ラテンの陽気さや華やかさのなかにも緊張感が漂うカッチリとしたリズムでスキない演奏です。
サックス、ピアノ、フルート、ヴァイオリン、ヴォーカルといった楽器が幾重にもメロディを奏で、そのバックではコンガやティンバレスといったラテンの打楽器が熱いリズムを刻んでいます。
カッコイイ、ラテンの名盤
全体に男っぽい硬質で渋い、ちゃんとしたラテンジャズです。
ラムベースの甘いトロピカルカクテルではなくジンベースのドライなマティーニのような味わい。
カッコイイの一言につきます。
名盤です。
トラックリスト
- バコソ(Bacoso)
- アシ・エス・ラ・ビーダ(Asi Es la Vida)
- ラス・グアヒーラス(Las Guajiras)
- ブルチャンガ(Bluchanga)
- ノ・モレステス・マス(No Molestes Mas)
- ブバ・ブーガルー(Bubba Boogaloo)
- パロ・マヨンベ(Palo Mayombe)
- シエンプレ・エン・ティ(Siempre en Ti)
- ケ・マラビリョーソ(Que Maravilloso)
- クルサン(Cruzan)
- グアヒーラ・アット・ザ・ブラックホーク(Guajira at the Blackhawk)
- ティン・マリン(Tin Marin)
パーソネル
- Justo Almario(tenor sax)
- Danilo Lozano(fulute・musical director)
- Oscar Hernandez(piano)
- Ramon Banda(timbales)
- Rene Camacho(bass)
- Joey De Leon(congas)
- Adonis Puentes(lead vocals)
- Dayren Santamaria(violin)
- Alfredo Ortiz(guiro・vocals)
- Alberto Salsa(piano)
ゲストミュージシャン
- Hubert Lawa(flute)
- Poncho Sanchez(congas)
- Freddie Crespo(vocals)
- Destani Wolf(vocals)