カルロス・アギーレ & キケ・シネシ
山寺風雅の国で行われた「カルロス・アギーレ(Carlos Aguirre) & キケ・シネシ(Quique Sinesi) ジャパン・ツアー2012」のライブを観ました。
開場は18時30分、開演は19時。
開演の15分ぐらいに会場に着くと席は8割方うまっていましたが、チケットは完売の様子。
この会場は普段、和風のレストランとして使われているのですが、ステージ後方の壁が総ガラス張りで、暮れなずむ山寺の景観がだんだん濃い藍色に沈んでいくなかライブを観ることができるという洒落た雰囲気の場所です。
若干、柱がちょっと邪魔になりますが、専用のホールじゃないので仕方のないところです。
アルゼンチン出身の二人組
アルゼンチンらしい音楽といえばタンゴとかフォルクローレでしょうか?
彼らはアルゼンチンの出身ではあるけれど、アルゼンチンらしさを全面にだしているという感じはしません。
ウィンダムヒル系のオーガニックなサウンドにモダンジャズやフォルクローレのフレイバーをトッピングしたような音楽です。
カルロス・アギーレはピアノ以外にもギターやアコーディオンを弾き歌もうたいます。
ピアノはみずみずしくて軽やかで、静かなメロディーの中にもグルーブ感があり、ちょっと、キース・ジャレットっぽいニュアンスもあります。
ギタリストのキケ・シネシという人は初めて聞く名前です。
ガットギターのほかにもチャランゴというウクレレぐらい大きさの弦が10本あるアンデス民謡の「花祭り」とかで聴くことができる楽器も使っていました。
些細なことですが最初のほうの勢いのある感じの曲でギターの速いパッセージが数箇所ありましたが、ギターの音がつぶれがちなのが少々気になりました。
全体に「有機農法で作られた野菜しか食べません」みたいな、こだわりの人が好きそうなカフェ・ミュージックとも言えそうです。
最後はスタンディングオベーションで、客席は立ち上がっての拍手。
ほぼ、二時間ほどのコンサートは、素朴でハートウォームなものでした。
個人的には「悪くはないけど、ものすごく心に響いたという感じでもないかなぁ」といったところでしょうか・・・。
でも、きっと好きな人は、たまらなく好きなんだろうなと思います。