『ザ・デュークス・オブ・セプテンバー・リズム・レヴュー』のライブを観る
『ザ・デュークス・オブ・セプテンバー・リズム・レヴュー』のライブをパシフィコ横浜で観る
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最強のAORユニットでは!

パシフィコ横浜の国立大ホールで行われた『ザ・デュークス・オブ・セプテンバー・リズム・レヴュー(THE DUKES OF SEPTEMBER RHYTHM REVUE)(長いので以下、DOSRR)』のライブを観ました。
DOSRRはドナルド・フェイゲンボズ・スキャッグスマイケル・マクドナルドの三人を核に主にスティーリー・ダンのバックバンドでやっているメンバーが参加したユニットです。
初めてクルマを買ったばかりの頃、ドライブをするときは必ずと言っていいほど、この三人のうちの一人の歌声がドライブ用に編集したカセットから(CDではなく)流れていたものです。

パシフィコ横浜:『ザ・デュークス・オブ・セプテンバー・リズム・レヴュー』のライブをパシフィコ横浜で観る
パシフィコ横浜

昨日が武道館でのライブだったのですが、さすがに平日の真ん中では二日も会社を休まなければなりません。
そんな訳で彼らの公演に行くのはあきらめていたのですが、週末に横浜での追加公演が決まったおかげで何とか行くことができました。
午後から会社の休みをいただき、山形駅を14時8分発の新幹線に乗って久しぶりの横浜です。

パシフィコ横浜、到着!

会場のあるパシフィコ横浜大ホールは横浜みなとみらい21にある帆船の帆のような形のインターコンチネンタルホテルの隣にあります。
ちなみにホテルはもちろんインターコンチじゃなく、中華街の近くにビジネスホテル。
ホテルにチェックインしたのが18時少し前。
新幹線の車中で仕事のメールが数本、届いていたのは知っていたのでホテルに着くや持参したパソコンを取り出し、とりあえず仕事をする体制だけを整えホテルを出ます。

地味に張られていたポスター:『ザ・デュークス・オブ・セプテンバー・リズム・レヴュー』のライブをパシフィコ横浜で観る
地味に張られていたポスター

みなとみらい線に乗り、会場に着いたのが開演の20分ほど前。
やはり、というか予想通りというかお客さんの姿は圧倒的に三十代以上の男女ばかり。
十代や二十代の姿はありません(正確に言うなら、お父さんであろう人物に連れられた中学生らしき少年を一人見かけた)。
グッズ売り場は、さほど混雑している様子もありません。
ちゃんと、満員になっているのか不安に思いながら会場に入ると客席は八分ぐらいの埋まり具合。
自分の席は1階二十二列のステージに向かってかなり右寄りの席です。
最高の席ではないけど、ステージ中央あたりのミュージシャンの顔なら、なんとか見えるという、そう悪くもない席です。
開演の時間が近づくにつれ一階席の客席は九割がた埋まったでしょうか?(二階席は、どうなんだろう?)
自分の好きなミュージシャンが連日、スタジアムで満席というのもいかがなものか? という思いもありますが(ストーンズとかなら、ぜんぜんオーケー)、かといってこのぐらいのホールで満席にならないというのは、少々、歯がゆい思いがなくもありません。
ファン心理の複雑なところです。

大人のステージ開演

開演は19時。
客電が落ち定刻を5分ほど過ぎたところでバックのメンバーだけが登場しオープニングはジェームス・ブラウンの「PEOPLE GET UP AND DRIVE YOUR FUNKY SOUL」。
JBらしいホーンの効いた、ファンキーな楽曲です。
1曲目が終わったところで、いよいよ三人の御大が登場。
客席から向かってステージ左側にマイケル・マクドナルドがキーボードを前にしています。
中央はグランドピアノのドナルド・フェイゲン。
右側はギターを持ったボズ・スキャッグスという並び。
ドナルド・フェイゲンはバンマスといったところでしょうか?
終始MCも担当していました。
前回、スティーリー・ダンを観たときはMCをウォルター・ベッカーに任せっきりで、少々、頑張ってる感が足りない感じがしましたが、今回のドナルドは頑張ってる感があって好感が持てました。

2曲目はアイズレー・ブラザースの名曲『WHO'S THAT LADY』。
ギターのジョン・ヘリントンはスティーリー・ダン御用達のギタリストですが、ファズの効いたロングトーンの太いサウンドでアーニー・アイズレー張りに弾きまくっています。
彼のイメージはギブソンの335というセミアコースティックのエレキギターですが、この時、使っていたギターはギブソンのSGでしょうか? 自分の席から一番遠くにいるので、ちょっとわかりませんでしたが、楽曲によって数本のギターを使い分けしていました。
「KID CHARLEMAGNE」や「peg」といったギターがフューチャーされた楽曲が目立ったせいもあるかもしれませんが今回のジョン・ヘリントンは輝いていました。
もちろん御大の三名は目立っていましたが、その次に目立っていたのはギターの彼かもしれません。
そりゃあ、弾ける人なのは知っていたけど、こんなに弾ける人だったとは…。

ドラムのシャノン・フォーレストも上手でしたね。
以前、スティーリー・ダンで叩いていたキース・カーロックのオリジナリティを感じるプレイも好きですが、シャノン・フォーレストは、より原曲に近い感じで叩いていて、ボズの『LOWDOWN』はジェフ・ポーカロを髣髴とさせる感じもありました。
コーラスの二人の女の子も数曲、メインボーカルでフューチャーされたりしてバンド全体が音楽を楽しんでいる感じがあってよかったです。
御大三人の中ではボズが一番、声が出ていたかもしれません。
「Miss Sun」でのコーラスのキャサリン・ラッセルという黒人の女の子との掛け合いはカッコよかった。
客席のウケはボズが微妙に、他の二人よりよかった気がします。
マイケル・マクドナルドは元スティーリー・ダンみたいな人ですが、彼がいるということはスティーリー・ダンの「peg」のサビでのコーラスはオリジナルと一緒ということです。
とは言いながら高い音は、少々、きつそうでしたが…。

興奮冷めやらず:『ザ・デュークス・オブ・セプテンバー・リズム・レヴュー』のライブをパシフィコ横浜で観る
興奮冷めやらず

ドナルド・フェイゲンは相変わらず、跳ねるような指使いでピアノを弾いていて、彼のライブとか観ると、あのクセのある弾き方がグレン・グルードを思い出させるんですよねぇ。
完璧主義者みたいなところも、似ているかもしれません…?
個人的にはドナルド・フェイゲンが出したばかりの「サンケン・コンドス」からのナンバーも聴きたかったけど、敢えて、やらなかった(セールス的には、やったほうがいいに決まっている)ところが粋でしたね(想像するに、他の二人に気を使ったのかなと…)。
最後は Buddy Milesの「Them Changes」で御大三人が退け、次にオープニングと同じ「People Get Up and Drive Your Funky Soul」をバックバンドだけで演奏してメンバー全員が退けるという洒落たエンディングです。
バリバリのブラックミュージックを白人の三人がやるのは、ねばっこさが少々マイルドになって日本人には、ちょうどいい様な気もします。
全体に三人のヒット曲半分に、あとの半分はソウルやブルースのヒット曲や名曲で構成され、派手な演出は何もなく、エンターテイメントとして上手いミュージシャンが音楽をちゃんと聴かせて楽しませるといったよいステージでした。

21時を10分少々回ったあたりで客電が点き、観客も家路へ向かいます。
ホテルに戻って、仕事をしなければならないのは分かっているのですが、少々、余韻を楽しむために帰りは歩くことに。
結局、誘惑に負けてバーで一杯やってラーメン屋さんで締めてといった具合で、ホテルの部屋で仕事を始めたのは0時過ぎ、おかげで寝たのは2時をまわった頃でした。

メンバー

  • ドナルド・フェイゲン、マイケル・マクドナルド、ボズ・スキャッグス
  • ジョン・ヘリントン/Jon Herington (g)
  • フレディ・ワシントン/Freddie Washington (b)
  • シャノン・フォーレスト/Shannon Forrest (ds)
  • ジム・ビアード/Jim Beard (key)
  • ジェイ・コリンズ/Jay Collins (sax)
  • マイケル・レオンハート/Michael Leonhart (tp)
  • ウォルト・ワイスコフ/Walt Weiskopf (sax)
  • キャロリン・レオンハート/Carolyn Escoffery (vo)
  • キャサリン・ラッセル/Catherine Russell (vo)

セットリスト

  1. People Get Up and Drive Your Funky Soul - James Brown
  2. Who's That Lady - Isley Brothers
  3. Sweet Soul Music - Arthour Conley
  4. I Keep Forgettin (Every Time You're Near) - Michael McDonald
  5. Trouble Man - Marvin Gaye
  6. Kid Charlemagne - Steely Dan
  7. The Same Thing - Muddy Waters
  8. Miss Sun - Boz Scaggs
  9. I Heard It Through the Grapevine - Gladys Knight
  10. You Never Can Tell - Chuck Berry
  11. Summer in the City (Lovin’ Spoonful)
  12. If You Don't Know Me by Now - Harold Melvin & The Bluenotes
  13. What a Fool Believes - The Doobie Brothers
  14. Hey Nineteen - Steely Dan
  15. Love T.K.O. - Teddy Pendergrass
  16. Piece of My Heart - Erma Franklin
  17. Peg - Steely Dan
  18. Lowdown - Boz Scaggs
  19. Takin' It to the Streets - The Doobie Brothers
  20. Reelin' In the Years - Steely Dan
  21. - encore -
  22. Lido Shuffle - Boz Scaggs
  23. Pretze Logic - Steely Dan
  24. Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin) - Sly & The Family Stone
  25. Them Changes - Buddy Miles
  26. People Get Up and Drive Your Funky Soul” (reprise) (James Brown)

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