エアプレイ(Airplay)の『ロマンティック(ROMANTIC)』です。
実力派ウェストコースト系スタジオミュージシャンのユニットによるAORの超名盤。
サウンドもウエストコーストそのもの。
まさに、明るく元気で陽気!
まぁ、能天気といえばそうかもしれないが、夏のからりと晴れた真っ青な空の下、ドライブのときなどに聴くには最高のBGMだ。
ユニットの核となっているのはギタリストのジェイ・グレイドン(ギター)とキーボーディストのデイヴィッド・フォスター(キーボード)。
そしてリードヴォーカルはトミー・ファンダーバーグというセッション・ヴォーカリストが務めている。
エアプレイというユニット名はこの3人が飛行機好きというところから名付けられたらしい。
ちなみに、こちらも夏向きのサウンドのせいかエア・サプライというオーストラリアのバンドと間違えられがち。
ジェイ・グレイドンはギタリストたちのミュージシャンズ・ミュージシャンとも言われるプレイヤー。
80年代では最も売れたギタリストの一人だろう。
そのフレーズは今、聴いても古さを感じさせない。
スティーリー・ダンの名盤『Aja』の中の「peg」という楽曲では6人のギタリストがソロの演奏を録音したが、どれもボツになり唯一、彼の弾いたソロが採用されたというエピソードをもっている。
キーボーディストのデイヴィッド・フォスターはカナダ生まれ。
プロデューサーやソングライターとしても数多くのミュージシャンを手掛け、80年代は日本のポップス界にも大きな影響を与えている。
ちなみに彼は、カルガリーオリンピック、アトランタオリンピック、ソルトレイクシティオリンピックの公式テーマ曲なども手掛けグラミー賞の常連にもなっている。
AORと言えば、どちらかというと、しっとりしたバラードや夜に聴きたいムーディーなものが多いが、このアルバムはかなりのロック寄り。
その昔、カセットテープにお気に入りの曲を入れて自分専用の音楽テープを作るというのは、このアルバムをリアルタイムで買った世代なら誰もがやったと思うが、このレコードからはどの曲を入れるか本当に迷った。
そのぐらい、捨て曲のないアルバムである。
最後に入っている「Afetr The Love Is Gone」はアース・ウィンド・アンド・ファイアーに提供され(アース版は「After The Love Has Gone」というタイトルになって歌詞も一部異なる)、グラミー賞を受賞している。
バックで参加しているミュージシャンはスティーヴ・ルカサー(ギター)、ジェフ・ポーカロ(ドラム)、スティーヴ・ポーカロ(キーボード)、デイヴィッド・ハンゲイト(ベース)といったTOTOの4人。
他にもゴースト・バスターズのサントラで売れたレイ・パーカーJr(ギター)などが参加している。
トラックリスト
- Stranded 4:28
- Cryin' All Night 4:48
- It Will Be Alright 4:01
- Nothin' You Can Do About It 4:48
- Should We Carry On 3:46
- Leave Me Alone 4:35
- Sweet Body 4:40
- Bix 4:15
- She Waits for Me 3:41
- After the Love Is Gone 4:28