ドナルド・フェイゲン『ヒップの極意』

注文していたドナルド・フェイゲンヒップの極意』が午前中、届く。
日曜ということもあり、外出するつもりだったのだが、雨が降りそうな予報だったので今日は晴耕雨読を決めこみ早速、読み始める。

邦題は『ヒップの極意』、原題は『EMINENT HIPSTERS』。
装丁は彼のソロアルバム『モーフ・ザ・キャット』と同じ写真。
ハードカバーの思いのほか立派な本で発行元はディスクユニオン。
ディスクユニオンと言えば、中古レコード販売は有名だが本の発行も手がけていたのかと、ちょっとビックリ。

著者はアメリカのロックバンド、スティーリー・ダンの中心メンバー、ドナルド・フェイゲン。
ロック好きには完ぺき主義者で気難し屋として知られている。
内容は彼の幼い頃から、現在の『デュークス・セプテンバー・リズム・レビュー』に至るまでの自伝的なエッセイ集。
アメリカの音楽、文化や時代、その背景を知らないとわからない部分も多いが、笑えるところも多々ある。
ジャズクラブに入り浸っていたことや、好きなミュージシャン、小説、テレビドラマのことなど、彼がどういうものに影響されて形成されたのかがよく分かる。
また、50年代や60年代の古き良き時代のアメリカの中流家庭がどのような生活を送っていたのかということも端々に伺える。
SF小説に影響されたことを書いた章では、日本でもよく知られている作家たちの名前が数多く登場し「自分も中学の頃に読んだなぁ」と懐かしさも覚えた。

後半は、かなりのページを割いてマイケル・マクドナルドやボズ・スキャッグスとのユニット、デュークス・セプテンバー・リズム・レビューでのツアー日記に費やされる。(このあたり手を抜いたかなと言う感じがしない訳でもない)
スティーリー・ダンのライブ嫌いは有名だったが、これを読むと、やっぱりライブが嫌いな人なんだと妙に納得…? しながらも、最近はずいぶんツアーをやってるじゃんと思うのだが…。
中には日本についての記述が少しだけあるが、決して好意的という感じでもないようだ。
しかし、このエッセーで取り上げられていること自体、何がしかの思い入れがあるのだろうと推察する。

全体にスティーリー・ダンや彼のオリジナルアルバムの詩と同様、シニカルで難解でアイロニーたっぷりの文章。
やっぱり、小難しい人物には間違いなさそうだ。
それでも、彼の音楽は大好きなんですけどね…。
個人的に好きなミュージシャンの著作と言うこともあり、誰にでもオススメしたいのは山々なのだが、彼のことを知らない人にとっては退屈な一冊かもしれない。

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