東京の友人に誘われてアメリカのロックバンド、ボストンのライブに行ってきました。
お誘いのメールをいただいたときは「Bostonか、ちょっとビミョーかな、でも、こういう機会でもないと友人と会えないし、行くだけいってみるか…」ぐらいのテンションで行ったのですが、正直、期待以上でした。
地下鉄東西線の九段下駅で降り、会場の武道館には開演の1時間前に到着。
あたりは、陽が落ちて真っ暗。
周りは武道館へ向かう人たちで、ごった返している。
とりあえず、会場前に設営されたグッズ売り場の列に並ぶ。
列を見る限りはグッズを購入しても、開演までは十分間に合いそうだ。
以前は、グッズとかほとんど購入しなかったのだが、数年前からはキーホルダーなど小さくて安いモノだけ集めるようにした。
中にはBOSTONのロゴの入ったボストンバッグ(¥6,000)というのもあった。
シャレか…。
無事、キーホルダーを購入した後、友人と合流し会場に入る。
席は南の2階席、ほぼ正面。
アリーナの後ろの席よりはよい感じ。
会場は空席もあるが、9割がたは埋まっている感じ。
やはり、客層は40代から50代が中心。
自分の左隣には、フランス人と思われる男性数人が陣取っていた。
すぐ隣の、30代フランス人はiphoneにTASCAMのマイクを取り付けずっと録音していた。
ちなみにライブではスマホや携帯での撮影ならOK。
最近、こういうのが多いね。
19時開演だが15分遅れで始まる。
オープニングは「Rock & Roll Band」から「Smokin」といったノリのよいキャッチーなロックンロールナンバーで始まる。
これは「幻想飛行」のB面の1曲目からの流れで、「キターッ!」という感じ。
アリーナ席は総立ちの様子。
我々、オジサン二人組も含め2階席は大半が座っていたけど…。
向かって正面中央は、ヴォーカルのトミー・デカーロ。
オリジナルメンバーのブラッド・デルプが2007年に亡くなくなり、その後釜として参加したヴォーカルだ。
彼はMy SpaceというネットのSNSに自分が歌う姿を投稿し、それを見たトム・ショルツがオファーしツアー参加となったらしい。
高いキーの声はブラッド・デルプよりでていたのでないだろうか?
最近は、ジャーニーのヴォーカルとかこういうパターンが多いですな…。
その左にはトレードマークのゴールドトップのレスポールを抱えたリーダーのトム・ショルツ。
リーダーのというよりは、彼自身がBOSTONといってかまわないかもしれない。
大ヒットしたファーストアルバム「幻想飛行」とセカンドアルバム「ドント・ルック・バック」は実質、彼が一人で制作したようなものである。
トムの左後方にはどこのメーカーかわからないビザールギターを弾くキンバリー・ダームというオネエさん。
ヴォーカルの右にはトムと絡むリードギターのゲイリー・ピール、その右後方にはベースのトレイシー・フェリー。
センター後方にはツインのバスドラを叩くジェフ・ニール、彼の後ろにはBOSTONとロゴの入った巨大なドラがセッティングされている。
ボストンと言えば、シンセサイザーを使わずにギターでスペイシーな凝った音作りをするというのが持ち味。
そんな彼らが、ライブでレコードと同じような音を再現できるのか心配だった。
30年ぐらい前にラジオで彼らのライブ音源を聴いたことがあるが、オリジナルメンバーのブラッド・デルプはキーの高いフレーズは声が出ず、レコードを再現しているとはとても言えない、ひどいサウンドだった。
そんな訳で、このライブに誘われたときに「ちょっとビミョー」と思ったのだが、そうした心配は杞憂だった。
完璧とは言わないけど、かなりレコードに近い音が再現できていたし音響も思いのほかよかった。
リーダーのトム・ショルツ以外のメンバーは初期の頃と違い、総入れ替えといった様相だが、一人ひとりがテクニックのある人たちでコーラスも決まっていた。
「More than a feeling」、「Long time」といった楽曲はハンドクラップがフィーチャーされた彼らの代表曲。
ここでは、会場全体がハンドクラップで大盛り上がり。
途中、キンバリー・ダーム姉さんがヴォーカルをとる曲や、「Walk On」という楽曲ではゲスト・ボーカルとして米オーディション番組「アメリカン・アイドル」のファイナリストのシボーン・マグナスというお嬢さんが登場。
女性がいるのはいいけど、彼女たちがヴォーカルをとると、どうも違和感を感じる。
ここでいったん、ボストンというバンドではなく、違うバンドの演奏を聴いてるような気分になる。
ウォーク・オンという曲ではスクリーンにシーシェパードの船やイルカやクジラが海中を泳ぐ映像が映し出された。
アメリカでのツアーも同じ映像を使っているのだろうが、日本の公演でこの演出は、どうなんだろうとちょっと思った。
アンコールの最後は、「Party」という勢いのあるロックンロール。
やはり、このバンドはロックンロール・バンドなんだなと、あらためて思う。
21時過ぎには客電の明かりが灯り終了。
かなり、よいライブだったことは間違いない。
セットリスト
- Rock & Roll Band
- Smokin'
- Feelin' Satisfied
- TheLast Day of School
- Life, Love & Hope
- Peace of Mind
- It's Been Such a Long Time Interlude
- Cool the Engines
- Surrender to Me
- Don't Look Back
- Something About You
- Amanda
- The Launch
- More Than a Feeling
- Instrumental
- A New World
- To Be a Man
- Walk On
- Get Organ-ized
- Walk On (Some More)
- Foreplay / Long Time
- I Think I Like It
- Party
メンバー
- TOM SCHOLTZ(トム・ショルツ)- Guitar, Keyboards, Vocal
- JEFF NEAL(ジェフ・ニール)- Drums,Percussion
- GARY PIHL(ゲイリー・ピール)- Guitar, Keyboards, Vocal
- TRACY FERRIE(トレイシー・フェリー)- Bass,Vocal
- TOMMY DeCARLO(トミー・デカーロ)- Vocal
- KIMBERLEY DAHME(キンバリー・ダーム)- Vocal,Guitar