コージー・パウエル『サンダーストーム』
コージー・パウエル(Cozy Powell)『サンダーストーム』(Tilt)
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Cozy Powell(コージー・パウエル)の2枚目のソロアルバム『Tilt(チルト)』(邦題:サンダーストーム)は、1981年12月にPolydorレーベルからリリースされた作品です[2]。このアルバムは、コージーの重厚なドラミングスタイルを中心に、ハードロック、インストゥルメンタルロック、ジャズフュージョンの要素を融合させた独特のサウンドが特徴となっています[2]。

音楽性とサウンドの特徴

『Tilt』は、コージーの1枚目のソロアルバム『Over The Top』と比較して、よりストレートで洗練されたアプローチを取っています[5]。アルバムは2つの異なるスタイルのセクションに分かれており、1面では実験的なジャズロック調の4曲が収録され、サックスなどで彩られています。2面では、よりヘビーなインストゥルメンタル4曲が収録されており、リズムセクションが素晴らしいキャンバスを提供し、才能あるギタリストたちが自由に演奏を繰り広げています[1]。

参加ミュージシャン

『Tilt』には、豪華なゲストミュージシャンが参加しており、その顔ぶれは以下の通りです[2]:

  • コージー・パウエウル(Cozy Powell):ドラムス
  • ジェフ・ベック(Jeff Beck):ギター: "Cat Moves", "Hot Rock"
  • ゲイリー・ムーア(Gary Moore):ギター: "Sunset", "The Blister"
  • バーニー・マースデン(Bernie Marsden):ギター: "Living a Lie"
  • ジャック・ブルース(Jack Bruce):ベース: "Cat Moves"
  • ニール・マーレイ(Neil Murray):ベース: "Living a Lie"
  • ドン・エイリー(Don Airey):キーボード: "Sunset", "The Blister"
  • エルマー・ガントリー(Elmer Gantry):ボーカル: "Right Side", "Jekyll & Hyde", "Sooner or Later"
  • フランク・アイエロ(Frank Aiello):ボーカル: "Living a Lie"

制作エピソード

アルバムの制作は、ロンドンのBritannia Row Studiosで行われました[2]。プロデューサーはCozy Powell自身とGuy Bidmeadが担当しています[2]。キーボードのDon Aireyは、このアルバムの制作について興味深いエピソードを語っています。Rainbowの『Down To Earth』アルバムのレコーディング直後に、フランスからイギリスに車で直行し、『Tilt』の制作に取り掛かったそうです。Aireyは、Rainbowのアルバム制作が緊張感のある雰囲気だったのに対し、『Tilt』の制作は非常に楽しい時間だったと回想しています[3]。

楽曲と反響

アルバムの中でも特に注目される楽曲として、ジェフ・ベックが参加した"Cat Moves"と"Hot Rock"が挙げられます。これらの曲では、ベックの卓越したギタープレイが光っています[5]。また、Frank AielloとElmer Gantryのボーカルが入った曲は、インストゥルメンタル中心のアルバムに変化をもたらし、聴きやすさを向上させています[5]。

『Tilt』は、Powellの1枚目のソロアルバムと比較して、より高い評価を得ています。音楽性がストレートで分かりやすくなったことが、その理由の一つとして挙げられます[5]。

特筆すべき点

『Tilt』の最大の魅力は、参加ミュージシャンの豪華さと、彼らが生み出す音楽の質の高さにあります。これほど多くの著名ミュージシャンが一つのプロジェクトに参加すれば、たとえ意図的に悪い音楽を作ろうとしても不可能だろうと評されるほどです[1]。

また、このアルバムは長年CDでリリースされておらず、現在ではLPを見つけることも非常に困難になっています。そのため、コレクターズアイテムとしての価値も高くなっています[1]。

『Tilt』は、Cozy Powellの個人名義のアルバムの中で最高傑作と評する声もあり[1]、彼のキャリアの中でも重要な位置を占める作品と言えるでしょう。ハードロック、ジャズロック、AORなどの要素を巧みに融合させた『Tilt』は、80年代初頭の革新的なサウンドを体現した一枚として、今なお多くの音楽ファンに愛され続けています。

Citations:
[1] https://grande-rock.com/tribute/cozy-powell/
[2] https://en.wikipedia.org/wiki/Tilt_(Cozy_Powell_album)
[3] https://nowspinning.co.uk/introduction-to-cozy-powell/
[4] https://www.progarchives.com/album.asp?id=20848
[5] https://www.loudersound.com/reviews/cozy-powell-the-polydor-years-album-review
[6] https://getreadytorock.me.uk/blog/2017/09/album-review-cozy-powell-the-polydor-years/

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