
Eagles(イーグルス)の5枚目のスタジオアルバム『Hotel California』(ホテル・カリフォルニア)は、1976年12月8日にリリースされ、バンドの代表作として知られています。
コンセプトと主題
このアルバムは、1970年代のロックンロール界の過剰さや自己破壊的な行動を捉えたコンセプトアルバムとして制作されました[18]。ドン・ヘンリー(Don Henley)は、アルバムのテーマについて「無邪気さの終わり」と表現し、バンドが個人的にも職業的にも経験してきたことを振り返る内容だと説明しています[14]。
楽曲の歌詞は、ロサンゼルスの退廃的なライフスタイル、名声、薬物、そして「アメリカンドリーム」の暗い側面を探求しています[5]。タイトル曲「ホテル・カリフォルニア」は、特に謎めいた歌詞で知られ、様々な解釈を生んでいます[1][11]。
アルバムのコンセプトは、ジョン・ファウルズ(John Fowles)の小説『魔術師』(The Magus)からインスピレーションを得ています[25]。
音楽性とサウンド
『ホテル・カリフォルニア』は、イーグルスの音楽性の転換点となりました。それまでのカントリーロック色を薄め、よりストレートなロックサウンドを追求しています[5]。新たに加入したギタリスト、ジョー・ウォルシュ(Joe Walsh)の影響で、より重厚なギターサウンドが特徴となりました[5]。
アルバムには、タイトル曲「ホテル・カリフォルニア」をはじめ、「Life in the Fast Lane」「New Kid in Town」など、バンドの代表曲が多数収録されています[5]。楽曲の多くは複雑な構成と洗練されたアレンジが特徴で、特にギターワークの素晴らしさが際立っています[9]。
制作エピソード
アルバムの制作は1976年3月から10月にかけて行われ、ロサンゼルスのRecord PlantとマイアミのCriteriaスタジオで録音されました[5]。制作中、隣のスタジオではブラック・サバス(Black Sabbath)が録音を行っており、その大音量がEaglesの録音に漏れ込むトラブルもあったそうです[14]。
タイトル曲「Hotel California」は、ドン・フェルダー(Don Felder)が自宅で作ったデモテープから生まれました。当初は「Mexican Reggae」というワーキングタイトルがつけられていました[11]。また、曲の終盤で聴くことのできるドン・フェルダーとジョー・ウォルシュによる、2分12秒に及ぶギターソロの掛け合いはツインギターのソロの名プレイとしてあまりにも有名です。
参加ミュージシャン
アルバムには以下のメンバーが参加しています[5]:
- ドン・ヘンリー(Don Henley):ドラムス、ボーカル
- グレン・フライ(Glenn Frey):ギター、キーボード、ボーカル
- ジョー・ウォルシュ(Joe Walsh):ギター、キーボード、ボーカル
- ドン・フェルダー(Don Felder):ギター
- ランディ・マイズナー(Randy Meisner):ベース、ボーカル
プロデューサーはビル・シムジク(Bill Szymczyk)が担当しました[5]。
トラックリスト
side 1
- ホテル・カリフォルニア / Hotel California - 6:30
- ニュー・キッド・イン・タウン / New Kid in Town - 5:04
- 駆け足の人生 / Life in the Fast Lane - 4:46
- 時は流れて / Wasted Time - 4:55
side 2
- 時は流れて(リプライズ) / Wasted Time (Reprise) - 1:22
- 暗黙の日々 / Victim of Love - 4:11
- お前を夢みて / Pretty Maids All in a Row - 4:05
- 素晴らしい愛をもう一度 / Try and Love Again - 5:10
- ラスト・リゾート / The Last Resort - 7:25
発表時の反響
『Hotel California』は発売と同時に大ヒットし、批評家からも高い評価を得ました[5]。アルバムはビルボードチャートで1位を獲得し、グラミー賞では「Hotel California」が年間最優秀レコード賞を受賞しています[5]。
現在までに、アメリカでは2600万枚以上、世界全体では3200万枚以上を売り上げる大ヒットアルバムとなりました[5]。
ジャケットデザイン
アルバムカバーは、カリフォルニア州ロサンゼルス郡ビバリーヒルズ市所在でサンセット大通りに面している高級ホテル「ビバリーヒルズ・ホテル」です[3]。写真家、デイビット・アレクサンダー(David Alexander)とアートディレクターのジョン・コシュが、サンセット通りの上空60フィートの高所作業車から撮影しました[7]。
また、ジャケット内面の写真には、夢と現実の落差を象徴する寂れた雰囲気を表現するため、「ビバリーヒルズ・ホテル」よりも格下の「リド・ホテル」の内装を撮影して用いました。
この写真は、ドン・ヘンリーが求めた「かすかに不気味な雰囲気を漂わせる、カリフォルニアを象徴するホテル」というイメージを見事に捉えています[7]。

特筆すべき点
『ホテル・カリフォルニア』は、イーグルスの音楽キャリアの頂点を示す作品として広く認識されています。アルバムの成功により、バンドは世界的なスーパースターの地位を確立しました[23]。
しかし同時に、この成功がバンドメンバー間の関係に緊張をもたらし、最終的には1980年の解散につながる要因ともなりました[10]。
『ホテル・カリフォルニア』は、1970年代のロック音楽を代表する作品の一つとして、今もなお多くの音楽ファンに愛され続けています。

アルバムレヴュー
イーグルスのアルバム『ホテル・カリフォルニア』です。
本作に関していうなら何といってもタイトル曲「ホテル・カリフォルニア」でしょう。
発売された年は日本でも大ヒット。
ラジオではヘビーローテーションで流れていた記憶があります。
特に何本ものギターが使われたサウンドが特徴の楽曲で、多くのギタリストの憧れの曲にもなっています。
曲中で象徴的に使われるギブソンのSGダブルネック(正式名称は「EDS-1275」)というエレキギターはネックの一本が12弦、もう一本が6弦という独特なフォルム。
本作ではイントロは12弦、ギターソロは6弦のネックと使い分けます。
このギターが使われる曲の代名詞といえば、レッド・ツェッペリンの「天国への階段」か、この「ホテル・カリフォルニア」かというぐらい。
SGダブルネックを弾くドン・フェルダーやジミー・ペイジには憧れたなぁ。
当時、自分は中学生でしたが、十二弦のギターで始まるイントロと、終盤のドン・フェルダーとジョー・ウォルシュによるツインギターのソロには完璧にやられました。
「これを、弾けるようになりたい」と…。
おかげで、現在では微妙な感じで弾けるようになりました…。
そういえば、ジャケットの見開きに幽霊が写っているという噂があったことも思いだされます。
Citations:
[1] https://www.classicrockreview.com/2011/12/1976-eagles-hotel-california/
[2] https://www.soundonsound.com/techniques/classic-tracks-eagles-hotel-california
[3] https://americansongwriter.com/hotel-california-the-eagles-album-cover/
[4] https://www.youtube.com/watch?v=RWqEK6f04Fc
[5] https://en.wikipedia.org/wiki/Hotel_California_(Eagles_album)
[6] https://winetravelandsong.com/classic-albums-bands/eagles-band-history-1971-present/
[7] https://www.loudersound.com/features/the-story-behind-the-eagles-hotel-california-album-artwork-interview
[8] https://ultimateclassicrock.com/eagles-hotel-california-facts/
[9] https://onstagemagazine.com/eagles-hotel-california-song-analysis/
[10] https://winetravelandsong.com/classic-albums-bands/eagles-hotel-california-meaning/
[11] https://en.wikipedia.org/wiki/Hotel_California
[12] https://www.vinyllegend.co.za/blogs/record-of-the-week/record-of-the-week-eagles-hotel-california-a-timeless-classic-on-vinyl
[13] https://www.subjectivesounds.com/musicblog/eagles-hotel-california-album-review
[14] https://wmgk.com/2017/12/01/facts-didnt-know-hotel-california/
[15] https://jotakapf.wordpress.com/2010/10/24/album_in_depth_11_hotel_california/
[16] https://www.bbc.com/news/world-us-canada-45274174
[17] https://www.facebook.com/photo.php?fbid=177324801077432&id=106116471531599&set=a.106131438196769
[18] https://www.rollingstone.com/feature/the-eagles-hotel-california-10-things-you-didnt-know-111526/
[19] https://www.reddit.com/r/ClassicRock/comments/15zm6sn/what_is_hotel_california_actually_about/
[20] https://www.britannica.com/topic/Hotel-California
[21] https://www.ultimate-guitar.com/articles/features/the_story_behind_the_hotel_california_album_cover_image_according_to_don_felder-163986
[22] https://www.goldminemag.com/articles/welcome-to-the-album-ar-of-hotel-california
[23] https://ultimateclassicrock.com/eagles-hotel-california-songs/
[24] https://ultimateclassicrock.com/eagles-album-covers/
[25] https://www.therevolverclub.com/blogs/the-revolver-club/the-many-faces-of-hotel-california