アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリン、パコ・デ・ルシア『フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ~スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!』
アル・ディ・メオラ、パコ・デ・ルシア、ジョン・マクラフリン『フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ~スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!』
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『Friday Night In San Francisco』(フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ)は、Al Di Meola(アル・ディ・メオラ)、John McLaughlin(ジョン・マクラフリン)、Paco de Lucía(パコ・デ・ルシア)という3人の世界的ギタリストによる伝説的なライブアルバムです。1980年12月5日、サンフランシスコのワーフィールド劇場で録音されました[1][3]。

音楽性とサウンドの特徴

このアルバムの最大の特徴は、3人のギタリストによるアコースティックギター演奏のみで構成されていることです[3]。各ギタリストの個性が際立つ一方で、見事なアンサンブルとインタープレイが展開されています。

  1. 技巧の競演: 3人のギタリストがそれぞれの卓越した技巧を競い合うような演奏が随所に見られます[1]。
  2. ジャンルの融合: フラメンコ、ジャズ、クラシックなど、様々なジャンルの要素が融合した独特のサウンドが特徴です[3]。
  3. アグレッシブな演奏: エレキギターでは出せないアグレッシブなサウンドが、アコースティックギターで表現されています[1]。
  4. 即興性: ライブならではの即興的な要素が多分に含まれ、観客との一体感も感じられます[2]。

制作時のエピソード

当初、ラリー・コリエルがメンバーでしたが、アル・ディ・メオラに交代して実現したライブでした[2]。録音は1980年12月5日の金曜日に行われ、タイトル通りの「フライデイ・ナイト」の熱気あふれる演奏が収録されています[1][3]。

興味深いことに、このライブの翌日(12月6日)の公演も録音されており、長年忘れられていましたが、最近になって『Saturday Night In San Francisco』として発売されることになりました[4]。

参加ミュージシャン

  • アル・ディ・メオラ: アコースティックギター
  • ジョン・マクラフリン: アコースティックギター(ナイロン弦)
  • パコ・デ・ルシア: フラメンコギター[3]

発表時の反響と影響

このアルバムは発売後、大きな反響を呼びました。

  1. 商業的成功: 700万枚以上のセールスを記録し、大ヒットとなりました[4]。
  2. 批評家の評価: 「すべてのアコースティックギターのライブアルバムの中で最も影響力のあるもの」と評されるほど高い評価を得ました[4]。
  3. ギター演奏への影響: このアルバムは多くのギタリストに影響を与え、アコースティックギターの可能性を広げました[5]。

特筆すべき点

  1. 革新的な録音技術: ヘッドフォンでの視聴を推奨するほど、当時としては革新的な録音技術が用いられています[5]。
  2. 曲の構成: 5曲中、3人が同時に演奏しているのは2曲のみで、他は2人ずつのギターバトルという形式になっています[3]。
  3. ライブの臨場感: 観客の熱狂的な反応が録音に残されており、ライブの緊張感と興奮が伝わってきます[1][2]。
  4. 個性の融合: 3人のギタリストの異なるスタイルと背景(ジャズフュージョン、フラメンコ、クラシック)が見事に融合しています[1][3]。
  5. 技巧と感性のバランス: 超絶技巧だけでなく、感情豊かな演奏も含まれており、聴き手を飽きさせません[1][5]。

このアルバムは、3人の天才ギタリストが互いの技量を競い合いながらも、見事な調和を生み出した歴史的な作品として、今なお多くの音楽ファンに愛され続けています。アコースティックギター演奏の可能性を大きく広げ、後世のミュージシャンに多大な影響を与えた革新的なライブアルバムと言えるでしょう。

Citations:
[1] http://rockcollector.blog31.fc2.com/blog-entry-6468.html
[2] https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12789766608.html
[3] https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%80%9C%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AE%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B4!
[4] https://amass.jp/157278/
[5] https://note.com/music_reviewt392/n/n5c9f691166c9

アルバムレヴュー

スーパー・ギター・トリオといわれたアル・ディ・メオラ(Al Di Meola)、パコ・デ・ルシア(Paco de Lucía)、ジョン・マクラフリン(John McLaughlin)による『フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ~スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!Friday Night in San Francisco - Live)』です。

いずれも超絶テクニックを持つ技巧派ギタリスト3人による、アコースティックライブのアルバム。
1981年にリリースされたアルバムにもかかわらず、その音楽はいまもって新鮮だ。
スペインの香り立つメロディー、躍動するリズム、疾走するギター。
3人とも、これでもかというぐらいギターを弾き倒している。
プロ、マチュアを含め、当時、このアルバムに刺激を受けなかったギタリストはいないのではないだろうか?

このアルバムで、アル・ディ・メオラとジョン・マクラフリンが使用したオベーションというギターメーカーが注目された。
元々ヘリコプターのローターを製作していた企業だったというノウハウを生かしギターのボディをグラスファイバーや樹脂で作ったというユニークなメーカーだ。
日本でも渡辺香津美やcharとかが、アコースティックギター(しかもオベーション)を手にするようになった。

このアルバムを初めて聞いたのは忘れもしない高校1年生の夏だ。
場所は同じクラスでやはり、ロック好きでエレキギターの上手かった友人の部屋。
「これ凄いよ!」といった感じで友人は、このレコードに針を乗せた。
いやもう、驚いたのなんのって。
エレキギターならいざ知らず、アコースティックギターをこんな風に弾ける人間たちがいるのかと。
当時はディープ・パープルやレッド・ツェッペリンといった、いわゆるロックしか聴かないロック小僧で、リッチー・ブラックモアやジミー・ペイジこそが最高のギタリストだと信じてやまなかった。
そうしたハードロック信奉に風穴を開けられた一枚だった。

ジャズのアルバムではあるのだがパコ・デ・ルシアという、フラメンコギタリストが参加しているせいか全体的にスパニッシュの香りの立つアルバムに仕上がっている。
アルバム最後に収録されているスタジオ録音の「ガーディアン・エンジェル」以外は、1980年12月5日にサンフランシスコのワーフィールド劇場で行われたライブ録音。
2曲目の「Short Tales Of The Black Forest」はチック・コリア、3曲目の「Frevo Rasgado」はブラジルの音楽家、エグベルト・ジスモンチの楽曲。
3人で弾いているのは4曲目と5曲のみで、それ以外は基本、二人での共演となっている。
このアルバム以降、アル・ディ・メオラを核に、ラリー・コリエルや渡辺香津美が参加してスパー・ギタートリオとして活動していた時期もあった。
残念ながらパコ・デ・ルシアは先月(2014年の2月25日)、心臓発作で亡くなっている。

トラックリスト

  1. 地中海の舞踏(Mediterranean Sundance)[作曲:Al Di Meola] / Río Ancho (Paco de Lucía) – 11:25
    Performed by: Paco de Lucía (left channel) and Al Di Meola (right channel)
  2. 黒い森(Short Tales of the Black Forest)[作曲:Chick Corea] – 8:39
    Performed by: John McLaughlin (left channel) and Al Di Meola (right channel)
  3. フレボ(Frevo Rasgado) – 7:54 [作曲:Egberto Gismonti]
    Performed by: John McLaughlin (left channel) and Paco de Lucía (right channel)
  4. 幻想組曲(Fantasia Suite) [作曲:Al Di Meola] – 8:41
    Performed by: Paco de Lucía (left channel), John McLaughlin (middle channel) and Al Di Meola (right channel)
  5. ガーディアン・エンジェル(Guardian Angel) [作曲:John McLaughlin] (studio recording) – 4:00
    Performed by: Paco de Lucía (left channel), John McLaughlin (middle channel) and Al Di Meola (right channel)

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