ジョニー、ルイス&チャー『FREE SPIRIT』

ジョニー、ルイス&チャー(Johnny, Louis & Char)のアルバム『FREE SPIRIT』(フリー・スピリット)は、1979年に日比谷野外音楽堂で行われた無料ライブの一部を収録した、バンドのデビューアルバムとして知られる一枚です。
いわゆるスタジオ録音ではなく、フリーコンサートの熱気そのままを記録したライブ盤という点が、当時の音楽シーンにおいて非常にユニークな存在でした[1]。
『FREE SPIRIT』(フリー・スピリット)のコンセプトとバンドの位置づけ
『FREE SPIRIT』は、Charが個人活動でポップ寄りの路線を経験したのち、「本来やりたかったロック」を再び追求するため結成したトリオ・バンドの旗揚げ公演を収めた作品です。
ドラマーのジョニー吉長(Johnny Yoshinaga)、ベーシストのルイズ・ルイス・加部(Louise Louis Kabe)というベテラン2人と、当時20代前半のCharが組んだことで、「3人のベテラン感覚と若さが交差するロック」がコンセプトの核になっています。
フリーコンサートという形でデビューを飾ったことも、「商業性より音楽そのもの」を重視する姿勢を象徴するものでした[2]。
音楽性とサウンドの特徴
音楽的には、ミディアムテンポのポップ・ロックからややハード寄りのロックまでを自在に扱い、70年代後半の日本ロックの「ポップとハードの中間」を代表するサウンドと言えます。
Charのギターは、フェンダー・ムスタングなどから鋭く切れ味のよいトーンを引き出し、ハードロック的なフレージングとメロディックなリフが同居しています。
ルイズ・ルイス・加部のベースはブリブリとしたドライブ感があり、ジョニー吉長のドラムはタイトで力強いグルーヴを提供し、3ピースながらも厚みのあるサウンドが特徴です。
ライブ盤ゆえに、観客の声やMCがそのまま残っている点も、臨場感を高める重要な要素となっています[3]。
制作時のエピソードと会場の様子
このアルバムは、1979年7月14日に日比谷野外音楽堂で開催された無料コンサート「FREE SPIRIT」の音源をそのままレコード化したものです。
雨の中にもかかわらず、約1万4000人の観客が集まり、当時のフリーコンサートとしては異例の盛況ぶりだったと伝えられています。
会場は人で埋め尽くされ、入場さえ困難なほどだったため、壁をよじ登って会場に入ろうとしたファンのエピソードも残っています[4]。
セットリストは、ジミ・ヘンドリックスの「星条旗よ永遠に」を意識した「君が代」のイントロから始まり、『Natural Vibration』『Shinin’ You Shinin’ Day』など、ハードロック寄りのナンバーと、『風に吹かれてみませんか』といった日本語ポップ・ロックが交互に並ぶ構成になっています。
キーボードにジョン山崎が参加し、『風に吹かれてみませんか』などではよりポップでシティ寄りのサウンドが加わっています[5]。
参加ミュージシャンとバンドのその後
『FREE SPIRIT』の核となるのは、3人のトリオです。
- Char:ギター、ボーカル
- ルイズ・ルイス・加部(加部正義):ベース、コーラス
- ジョニー吉長:ドラムス
さらに、キーボードとしてジョン山崎が複数曲で参加し、サウンドに厚みとポップさを加えています。
このライブには、当時すでに人気のあった原田真二や金子マリ、リューベンらがステージに上がり、エンディングの『Shinin’ You Shinin’ Day』ではコーラスを務めるなど、多くのミュージシャンが友情出演しています。
このアルバムを皮切りにJohnny, Louis & Charはツアーを展開し、1982年にはバンド名を「ピンク・クラウド」に改め、1994年まで活動を続けました。
そのため、『FREE SPIRIT』は「ロック・スーパーグループの原点」として、後のピンク・クラウドのファンにとっても特別な一枚となっています[6]。
ゲスト・ミュージシャン
- ジョン山崎:キーボード 「風に吹かれてみませんか」「Shinin' You, Shinin' Day」など複数曲でキーボードサポート
- 金子マリ:コーラス 「Shinin' You, Shinin' Day」でデュエット参加。ジョニー吉長の当時のパートナー
- 原田真二:コーラス 「Shinin' You, Shinin' Day」のアンコールでステージに上がりコーラス参加
- リューベン(辻野リューベン):コーラス 同じくアンコールでステージ参加。元チャーのバックバンドのドラマー
- その他、「Thanx」とファーストネームがアルファベットでクレジットされている人物多数。

トラック・リスト
Side 1
- INTRODUCTION
- WASTED
- 風に吹かれてみませんか
- OPEN YOUR EYES
- 籠の鳥
Side 2
- NATURAL VIBRATION
- YOU'RE LIKE A DOLL BABY
- SHININ' YOU, SHININ' DAY
発表時の反響と特筆すべき点
当時の音楽誌やレコードショップの評価では、「デビューアルバムがライブ盤」という斬新な形や、フリーコンサートで1万4000人を集めた話題性が大きく取り上げられました。
音質は必ずしも高水準ではないものの、「時代の最先端を行くギター・サウンド」や、Charの若さとベテラン2人の経験が融合した演奏力が高く評価されています[1]。
特筆すべき点は、
- フリーコンサートをそのままデビュー盤にしたという「商業とアートのバランス」の取り方
- グループサウンズからハードロック、ポップまでを経験したベテランたちが、当時の若手ギタリストCharと組んだ「世代を超えたロック」
- その後のピンク・クラウドへとつながる、日本のロック史における重要な節目
の3つです。 『FREE SPIRIT』は、単なるライブ盤という枠を超えて、70年代末の日本ロックの熱気と可能性を凝縮した一枚として、今も多くのロック・ファンに語り継がれています[3]。
Citations:
[1] https://www.ishibashi.co.jp/mm/cd_back/view.php?p=227&vol=41
[2] https://ticro.com/products/j00005920
[3] https://blog.naver.com/jrock-archive/221470500595
[4] http://www.asahi-net.or.jp/~bz2s-asi/ch790714.htm
[5] https://ameblo.jp/inoinoino01/entry-12824952676.html
[6] https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%89


