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レッド・ガーランド『オール・カインズ・オブ・ウェザー』

レッド・ガーランド『オール・カインズ・オブ・ウェザー』
レッド・ガーランド(Red Garland)『オール・カインズ・オブ・ウェザー』(All Kinds of Weather)

Red Garland(レッド・ガーランド)のアルバム『All Kinds of Weather』(オール・カインズ・オブ・ウェザー)は、1959年にPrestige Recordsからリリースされました。

『All Kinds of Weather』(オール・カインズ・オブ・ウェザー)の概要とコンセプト

1958年11月27日にニュージャージー州ハッケンサックのルディ・ヴァン・ゲルダー・スタジオで録音された、このアルバムは「天候」というテーマに基づいて選曲されており、「Rain」「Stormy Weather」「Winter Wonderland」など、天候や季節に関連する楽曲が収録されています[1][6][7]。

このコンセプトは、当時のPrestigeレーベルが得意とする「企画型」のアルバムの一例であり、単なる演奏の集まりではなく、テーマ性を持たせた構成が特徴です。また、天候だけでなく四季を感じさせる楽曲も含まれており、内容にメリハリがあります[7]。

音楽性とサウンドの特徴

レッド・ガーランドは特有の「ブロックコード奏法」で知られ、このアルバムでもその技法が存分に発揮されています。右手でオクターブと5度を組み合わせたコードを弾きながら、左手で伴奏を行うスタイルは、彼の中庸なポストバップ的アプローチを象徴しています[8]。

アルバム全体には、ガーランドのエレガントでブルージーな感覚が漂い、「Stormy Weather」では10分以上にわたるメロディの探求が行われています。また、「Rain」や「Summertime」などでは彼のリズム感とメロディアスなタッチが際立っています[2][3]。

ベーシストのポール・チェンバーズによる弓弾きやソロも聴きどころであり、「Stormy Weather」では約3分間にわたるソロが特に注目されています。ドラマーのアート・テイラーもまた、クリスプで確実なドラミングを披露しており、「Spring Will Be A Little Late This Year」などでその技術が光ります[2][3][6]。

制作背景と参加ミュージシャン

このアルバムは、ガーランドのトリオ編成による作品であり、メンバーには以下が含まれます:

  • ピアノ:Red Garland(レッド・ガーランド)
  • ベース:Paul Chambers(ポール・チェンバーズ)
  • ドラム:Art Taylor(アート・テイラー)

録音はジャズ界で名高いルディ・ヴァン・ゲルダーによるもので、その高品質なサウンドプロダクションもアルバムの魅力を引き立てています[1][3][6]。

トラック・リスト

Side 1

  1. レイン(Rain) – 4:14(Eugene Ford, Brian Alexander Morgan, Arthur Swanstrom)
  2. サマータイム(Summertime) – 4:43(George Gershwin, Ira Gershwin, DuBose Heyward)
  3. ストーミー・ウェザー(Stormy Weather) – 10:35(Harold Arlen, Ted Koehler)

Side 2

  1. スプリング・ウィル・ビー・ア・リトル・レイト・ジス・イヤー(Spring Will Be A Little Late This Year) – 5:42(Frank Loesser)
  2. ウィンター・ワンダーランド(Winter Wonderland) – 5:21(Felix Bernard, Dick Smith)
  3. ティス・オータム('Tis Autumn) – 9:08(Henry Nemo)

発表時の反響

『オール・カインズ・オブ・ウェザー』はリリース当初から高い評価を受けており、その洗練されたテーマ性と演奏内容が愛好家や批評家から称賛されました。特に「Rain」や「Stormy Weather」といった楽曲は、多くのリスナーから支持されています[5][6]。

また、このアルバムはガーランドがマイルス・デイヴィス・クインテットを離れ、自身のリーダー作を次々と発表していた時期に制作されており、その成熟した演奏スタイルは彼のキャリア上重要な位置を占めています[8]。

特筆すべき点

  • ガーランド独自のブロックコード奏法とブルージーなタッチ。
  • ポール・チェンバーズによる弓弾きソロやアート・テイラーの正確なドラミング。
  • 天候と季節というテーマ性を持つ選曲。
  • ルディ・ヴァン・ゲルダーによる録音品質[1][3][6][7]。

『All Kinds of Weather』は単なるジャズアルバムではなく、そのコンセプトや演奏内容によって独自性を持つ作品として、多くのジャズファンに親しまれています。

Concord Music Group
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Citations:

  1. https://en.wikipedia.org/wiki/All_Kinds_of_Weather
  2. http://www.musicweb-international.com/jazz/2018/Red%20Garland.htm
  3. https://organicmusic.jp/en/products/red-garland-all-kinds-of-weather
  4. https://en.wikipedia.org/wiki/The_Red_Garland_Trio
  5. https://ja.mhatta.org/blog/2023/06/25/all-kinds-of-weather-red-garland/
  6. https://www.hmv.co.jp/en/artist_Red-Garland_000000000002181/item_All-Kinds-Of-Weather_77237
  7. https://vmatsuwa.cocolog-nifty.com/piano/2014/01/red-garlandall-.html
  8. https://www.allaboutjazz.com/musicians/red-garland/
  9. https://www.allmusic.com/album/all-kinds-of-weather-mw0000313866
  10. https://www.discogs.com/release/3328193-Red-Garland-All-Kinds-Of-Weather
  11. https://diskunion.net/jazz/ct/detail/DSJ160627-2195
  12. https://www.discogs.com/release/2974692-Red-Garland-All-Kinds-Of-Weather
  13. https://voxmusicweb.com/products/red-garland-all-kinds-of-weather-prlp-7148
  14. https://www.discogs.com/release/7108245-Red-Garland-All-Kinds-Of-Weather
  15. https://www.discogs.com/release/4193401-Red-Garland-All-Kinds-Of-Weather
  16. https://open.spotify.com/album/49GHCVaWYRDVRrNNQMNkoF
  17. https://diskunion.net/jazz/ct/detail/JZ110603-002
  18. http://tel1400.blog.fc2.com/blog-entry-5697.html
  19. https://www.hmv.co.jp/en/artist_Red-Garland_000000000002181/item_Best-Value-1500-All-Kinds-Of-Weather_1467764
  20. https://en.wikipedia.org/wiki/Red_Garland
  21. https://organicmusic.jp/products/red-garland-all-kinds-of-weather
  22. https://ethaniverson.com/reds-bells/
  23. http://gakolands-2.la.coocan.jp/disc.htm
  24. https://music.apple.com/jp/album/all-kinds-of-weather/1443113540
  25. https://ameblo.jp/jazztimenow/entry-12879240081.html
  26. https://concord.com/concord-albums/dig-it/
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