
BBM(ブルース・ベイカー・ムーア)の『アラウンド・ザ・ネクスト・ドリーム(Around the Next Dream)』です。
1994年にリリースされたアルバムで邦題は『白昼夢』。
おそらくバンド名もタイトルも知らずに、本作の1曲目や2曲目を聴いたロックマニアはエリック・クラプトンが在籍したバンド「クリーム」のアルバムだと思うのではないでしょうか?
そう思った人は半分ぐらい、アタリです。
「クリーム」は泣く子も黙るジャック・ブルース(ベース)、エリック・クラプトン(ギター)、ジンジャー・ベイカー(ドラム)のスリーピースバンド。
BBMのメンバーはといえばジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーそして、クラプトンの替わりに入ったギタリストがゲイリー・ムーア。
純粋にギターのテクニックという意味でいうなら、クラプトンよりうまいかもしれません。
ゲイリー・ムーアといえば、2014年にフィギュアスケートの羽生結弦が「パリの散歩道」という泣きすぎのギターの楽曲をプログラムの使用曲にしたことで話題になりました。
彼の名前を初めて聞いたのは、高校生の時分。
ディープ・パープルやレッド・ツェッペリンといったハードロックに溺れていたような頃に、シン・リジーというアイリッシュのバンドの名前がどこともなく聞こえてきました。
『アリバイ』というメロディアスなハードロックでアクの強そうなヴォーカル兼ベースのフィル・ライノット(昔はフィル・リノットと言った)とゲイリー・ムーアとスコット・ゴーハムというテクニシャンのツインギターがウリで、こういうのも悪くないなと。
1曲目の「Waiting In The Wings」は、イントロこそ違いますが、ワウの効いたギターや歌のメロディはクリームの「ホワイトルーム」とソックリ。
ヴォーカルはジャック・ブルースですし。
2曲目の「City Of Gold」はクリームの「クロスロード」とソックリ。
ただ、録音のせいもありますが、どちらも、クリームのソリッドでラフな感じはありません。
ここまでは、クリームっぽさ80パーセントといった感じですが、これ以降の楽曲はゲイリー・ムーアのカラーが色濃く出てきます。
3曲目の「Where In The World」はスリングすっぽいキーボードも入ったしっとりしたロックバラード。
9曲目の「I Wonder Why」は、アルバート・キングのカバー。
ブルースであるのは間違いありませんが、やっぱり、本家本元より泥臭さは感じられません。
オヤと思ったのは2曲目と4曲の作詞作曲にジャック・ブルースとゲイリー・ムーアの名前に並び、キップ・ハンラハンの名前がある。
キップ・ハンラハンって、こんなのもかかわっているのか?
キップ・ハンラハンのプロデュースしたアルバムを思い浮かべれば、かなりテイストが違う感じがしますが…。
トラックリスト
- Waiting In The Wings
- City Of Gold
- Where In The World
- Can't Fool The Blues
- High Cost Of Loving
- Glory Days
- Why Does Love(Have To Go Wrong)
- Naked Flame
- I Wonder Why(Are You So Mean To Me)
- Wrong Side Of Town
- Danger Zone
- The World Keeps On Turnin'
- Sittin' On Top Of The World(Live)
- I Wonder Why(Are You So Mean To Me)(Live)
パーソネル
- ゲイリー・ムーア(ヴォーカル・ギター)
- ジンジャー・ベイカー(ヴォーカル・ベース・チェロ・キーボード)
- ジャック・ブルース(ドラムス・パーカッション)