キャロル・キング『ミュージック』

キャロル・キング『ミュージック』
キャロル・キング(Carole King)『ミュージック』(Music)

Carole King(キャロル・キング)の『Music』(ミュージック)は、1971年12月にリリースされた彼女の3枚目のスタジオアルバムです。このアルバムは、同年に大ヒットした『Tapestry』(タペストリー、邦題:つづれおり)の後を受けて制作されました。

コンセプトと音楽性

『ミュージック』は、『タペストリー』で確立されたキャロル・キングの音楽スタイルを継承しつつ、微妙な変化を加えたアルバムです[1][7]。全体的に、より流れるようなピアノの演奏と、成熟した滑らかな歌声が特徴的です[8]。アルバムには様々なジャンルの要素が取り入れられており、ポップ、フォーク、ソウル、ジャズなどの影響が感じられます。

サウンドの特徴

  1. より複雑になったアレンジメント:ボーカルとギターの重層的な使用[8]
  2. ジャズやラテンの要素:特に「Brother, Brother」などの曲で顕著[7]
  3. 多様な楽器の使用:サックス、フリューゲルホルン、木管楽器など[3]

制作エピソード

このアルバムは、キャロル・キングが精力的なコンサートツアーを終えて、子供たちと過ごす時間を持った後に制作されました[7]。タイトル曲「Music」は、Kingの作曲プロセスを描写しており、音楽が彼女の人生を満たしていることを表現しています[7]。

参加ミュージシャン

  • Carole King(キャロル・キング):ボーカル、ピアノ、エレクトリックピアノ、エレクトリックチェレスタ
  • James Taylor(ジェームス・テイラー):アコースティックギター、バッキングボーカル
  • Danny Kortchmar(ダニー・コーチマー):アコースティック&エレクトリックギター
  • Charles Larkey(チャールズ・ラーキー):ベース
  • Joel O'Brien(ジョエル・オブライエン)、Russ Kunkel(ラス・カンケル):ドラムス
  • Curtis Amy(カーティス・アミー):テナーサックス、エレクトリックフルート
  • その他、多数のセッションミュージシャンが参加[3]

トラックリスト

Side 1

  1. Brother, Brother - ブラザー・ブラザー(3:00)
  2. It's Going to Take Some Time - イッツ・ゴーイング・トゥ・テイク・サム・タイム(3:35)
  3. Sweet Seasons - スウィート・シーズンズ(3:15)
  4. Some Kind of Wonderful - サム・カインド・オブ・ワンダフル(3:07)
  5. Surely - シュアリー(4:58)
  6. Carry Your Load - キャリー・ユア・ロード(2:52)

Side 2

  1. Music - ミュージック(3:50)
  2. Song of Long Ago - ソング・オブ・ロング・アゴー(2:44)
  3. Brighter - ブライター(2:46)
  4. Growing Away from Me - グロウイング・アウェイ・フロム・ミー(3:03)
  5. Too Much Rain - トゥ・マッチ・レイン(3:35)
  6. Back to California - バック・トゥ・カリフォルニア(3:23)

発表時の反響

『ミュージック』は発売直後から好評を博し、ビルボードチャートで8位にランクインしました[4]。『タペストリー』と同時にトップ10入りを果たし、プラチナディスクを獲得しています[4]。批評家からも概ね好意的な評価を受けましたが、『タペストリー』との比較は避けられませんでした[8]。

特筆すべき点

  1. 自作の歌詞:このアルバムでキャロル・キングは初めて単独で歌詞を書いています[8]
  2. 多様なテーマ:友情、愛、社会問題など幅広いトピックを扱っています[5]
  3. ヒット曲「Sweet Seasons」:US9位、AC2位を記録[4]
  4. 音楽性の進化:『タペストリー』からの自然な発展を示しています[8]
  5. ジャケット写真は、カリフォルニア州ローレル・キャニオンの「8815 Appian Way」という住所の家で撮影されました。撮影を担当したのは写真家ジム・マクラリー(Jim McCrary)です[9]。

『ミュージック』は、キャロル・キングのアーティストとしての成長を示す重要なアルバムです。『タペストリー』の影に隠れがちですが、その音楽的価値は高く評価されるべきでしょう。多様な音楽スタイルと深い歌詞、そして彼女の成熟した歌声が織りなす『Music』は、キャロル・キングの才能を再確認させる作品となりました。

Citations:
[1] https://www.loc.gov/static/programs/national-recording-preservation-board/documents/Tapestry.pdf
[2] https://www.pbs.org/wnet/americanmasters/why-doesnt-anyone-talk-about-carole-kings-other-no-1-album-including-her/17574/
[3] https://en.wikipedia.org/wiki/Music_(Carole_King_album)
[4] https://en.wikipedia.org/wiki/Carole_King
[5] https://albumreviews.blog/reviews/1970s-album-reviews/carole-king/
[6] https://www.rollingstone.com/music/music-album-reviews/music-100978/
[7] https://lomabeat.com/its-time-to-face-the-music-bring-carole-kings-music-out-of-the-shadow-tapestry/
[8] http://www.theuncool.com/journalism/carole-king-music-review/
[9] https://www.youtube.com/watch?v=0nDvW51wl64

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