セシリオ&カポノ『ナイト・ミュージック』を聴く
セシリオ&カポノ(Cecilio-Kapono)『ナイト・ミュージック』(Night Music)
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Cecilio & Kapono(セシリオ&カポノ)の1977年リリースのアルバム『Night Music』(ナイト・ミュージック)は、ハワイを代表するデュオの代表作として高く評価されています。このアルバムは、爽やかなAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)サウンドと、ハワイアンの要素を見事に融合させた作品として知られています[1][4]。

アルバムのコンセプトと音楽性

『ナイト・ミュージック』は、タイトルから夜のムーディーな音楽を連想させますが、実際には爽やかで明るい楽曲が多く収録されています[4]。アルバムのコンセプトは、ハワイの美しい自然と夜の雰囲気を音楽で表現することにあったと考えられます。

アルバムジャケットは、夕暮れ時のハワイの美しい風景を捉えており、暮れていく空の青と夕焼けに染まる水平線の淡いオレンジ、そしてハワイを象徴するアンスリウムの赤い花が印象的です[1]。

サウンドの特徴

『ナイト・ミュージック』のサウンドは、以下のような特徴を持っています:

  1. アコースティック感覚の爽やかなサウンド:湿度を感じさせない、さらっとした音作りが特徴です[1]。
  2. ナチュラルなヴォーカル・ハーモニー:Cecilioと Kaponoの息の合ったハーモニーが楽曲全体を通して印象的です[1][4]。
  3. AORテイスト:フィリーソウル的な要素やソフトロックの影響が感じられます[4]。
  4. 繊細なストリングス・アレンジ:Nick DeCaroによる美しいストリングスアレンジが楽曲を彩っています[1]。
  5. ハワイアンの要素:ハワイの風を感じさせるような爽やかな曲調が随所に見られます[4]。

参加ミュージシャンと制作

アルバムには以下のミュージシャンが参加しています[1]:

  • Cecilio Rodriguez (ボーカル、ギター、ハーモニカ)
  • Henry Kapono Ka'aihue (ボーカル、ギター)
  • Randy Lorenzo (ボーカル、ベース)
  • Alan Pasqua (キーボード)
  • Artie Alinikoff (ドラムス)
  • Tom Scott (サックス、フルート)
  • Kevin Calhoun (パーカッション)
  • Nick DeCaro (ストリングスアレンジ)

プロデューサーは Bruce Botnick、Terry Powell、そしてCecilio & Kapono自身が務めています[1]。

トラックリスト

Side 1

  1. The Night Music(4:06)
  2. Love By The Numbers(5:02)
  3. After The Omen(3:03)
  4. We're All Alone(3:27)
  5. Have You Ever Had That Feelin'(4:40)

Side 2

  1. Climb The Line(3:20)
  2. Make It Up To You(3:13)
  3. Here With You(4:27)
  4. I Love You(3:06)
  5. Longing(1:56)
  6. Sallin'(5:05)

収録曲と特筆すべき楽曲

アルバムには全11曲が収録されており、その中でも以下の楽曲が特に注目されています:

  1. 「The Nightmusic」:アルバムのタイトル曲。ミディアムテンポの穏やかな曲調で、美しいストリングスアレンジが特徴です[1]。
  2. 「We're All Alone」:Boz Scaggsの名曲のカバー。原曲よりもやや明るいアレンジで、デュオのハーモニーが生きています[1][4]。
  3. 「Have You Ever Had That Feelin'」:アルバムのハイライト曲の一つ。グルーヴィなアンサンブルとTom Scottのフルートが印象的です[1]。
  4. 「Make It Up To You」:心地よいソウルフィーリングのあるメロウナンバー。後にAORコンピレーションアルバムにも収録されました[1]。

発表時の反響と評価

『ナイト・ミュージック』は、セシリオ&カポノの代表作として高く評価されています。特に日本では、ハワイアン・ポップス&ロックの中でも日本人好みのメロディーとやさしいサウンドで広く受け入れられました[5]。

アルバムはAORファンの間でも人気が高く、特にBoz Scaggsの「We're All Alone」のカバーが収録されていることから、AOR度の高いアルバムとして評価されています[4]。

まとめ

『ナイト・ミュージック』は、セシリオ&カポノの音楽性を最も良く表現したアルバムの一つと言えるでしょう。ハワイアンの要素とAORサウンドを巧みに融合させ、爽やかで心地よい音楽性を確立しています。デュオのハーモニーの素晴らしさ、優れたミュージシャンシップ、そして美しいアレンジメントが相まって、今なお多くのリスナーに愛され続けている名盤と言えるでしょう。

アルバムレヴュー

セシリオ&カポノの『ナイト・ミュージック』です。
1977年に発表された彼らの3枚目となるアルバムです。
セシリオ&カポノは毎年、夏になると聴きたくなくなるミュージシャンです。
ハワイのAORミュージックってところですか。

セシリオ&カポノは ヘンリー・カポノ・カエイヒューとセシリオ・デイビット・ロドリゲスによって結成されたハワイのポップデュオ。
ハワイのミュージシャンといえば、ほかにカラパナやパブロ・クルーズの名前が浮かびますが、彼らの音楽よりはメロウでソフトな感じです。

おススメは次の3曲。
1曲目の「The Night Music」は夏の明るい夕暮れを思わせるポップチューン。ストリングスのアレンジは、あのニック・デカロが手掛けています。
2曲目の「Love By The Numbers」は夏の宵にピッタリのしっとりとしたナンバー。
4曲目の「We're All Alone」はいわずと知れたボズ・スキャッグスの名曲のカバー。
全体にウェストコースト系のカラリとしたサウンドで心地よいロックです。
彼らの魅力は息の合ったヴォーカルとハーモニー。
歌声も似たような声質で、コーラスも軽やか。
あえて言うなら「スカッとさわやかコカコーラ」といった感じ(古いか…)。

本作の前に発表された『エルア(Elua)』というアルバムもありますが、これも、このアルバムとほぼ、同じようなテイスト。
海に行くときは『Elua』、海から帰るときは『Night Music』あたりをBGMにいかがでしょうか?
そもそも、ハワイのミュージシャンなので海と夏に合わないはずがありません。
その昔、サーファーがよく聴いていました。
最近、なぜか、よく聴いています。

Citations:
[1] https://warmbreeze.jp/music/cecilio-kapono-night-music
[2] https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/90s/1994/BB-1994-04-30.pdf
[3] https://www.hmv.co.jp/en/artist_Cecilio-Kapono_000000000001695/media_cd-album_1/
[4] https://note.com/yuuichi2400/n/n83ebb4d1f4b3
[5] https://www.ishibashi.co.jp/mm/cd_back/view.php?p=601&vol=113
[6] https://www.discogs.com/master/579723-Cecilio-Kapono-Night-Music
[7] https://en.wikipedia.org/wiki/Cecilio_&_Kapono

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