マイケル・フランクス『ザ・ミュージック・イン・マイ・ヘッド』を聴く

マイケル・フランクス『ザ・ミュージック・イン・マイ・ヘッド』を聴く
マイケル・フランクス『ザ・ミュージック・イン・マイ・ヘッド』を聴く

AORの大御所、マイケル・フランクス(MICHAEL FRANKS)の新譜『ザ・ミュージック・イン・マイ・ヘッド(THE MUSIC IN MY HEAD)』です。
前作の『Time Togehther』から7年ぶりの新作ですが、つい前作の続編を聴いているような気分に陥ります。
『Time Togehther』と、このアルバムの曲をランダムで聴いていても、まったく、違和感がありません。
クレジットをみると、プロデューサーやミュージシャンはほぼ、同じメンバー。
どうりでねぇ。

ボサノバのテイストが効いた少し緩めのビート。
力の抜けたリラックスした演奏と歌声。
御年73歳(恐ろしいね!)だというが、甘いウィスパーボイスは今も変わらない。
そういう意味では、昔からおじいちゃんのような歌い方だったともいえる。
(ジョアン・ジルベルトあたりも、そうかな?)
エアロスミスのスティーブン・タイラーやAC/DCのブライアン・ジョンソンとは正反対のエコな歌い方で、これからも、ずっ~と同じように歌っていけそうである…。
それは、いいとして今どきの湿度の高い日本の夏を、少しばかり涼しくしてくれる、そんな柔らかなアルバムです。

マイケル・フランクスのアルバムはほぼ、全部持っていますが、安定のマイケル・フランクスという感じ。
初期のトミー・リピューマがプロデュースしたアルバムとはだいぶニュアンスが違いますが、トミー・リピューマがタッチしなくなって、よりブラジル音楽のテイストが効いてきて、より、スムースになっていったように思う。
本作もそうした流れを汲む作品。
個人的にはトミー・リピューマがプロデュースしていたころの方が、昔のジャズに近いポップスのようなアンニュイな感じがあって好きかな。

ちなみに購入したのは「Blu-spec CD2」という規格の日本版のCDなのだが、普通のCDと比べて聞いたわけではないのではっきりとしたことはいえないが、とにかく音がいいのにビックリした。
録音がいいのかCDの規格がいいのかどっちなのだろうと思って、通常のCDで購入した前作『Time Togehther』を改めて聴いてみたら、これも音がよかった。
録音がいいのだねぇ。
このあたり、エグゼクティブ・プロデューサーとエンジニアも担当したスコット・ペティートの手腕によるものなのだろう。

トラックリスト

  • As Long As We're Both Together
  • Suddenly Sci-Fi
  • The Idea Of A Tree
  • Bluebird Blue
  • To Spend The Day With You
  • Bebop Headshop
  • Where You Hid The Truth
  • The Music In My Head
  • Candleglow
  • Waterfall

パーソネル

  • エグゼクティブ・プロデューサー:スコット・ペティート
  • プロデュース&アレンジ:チャック・ローブ(1)、ジミー・ハスリップ(7,9)、スコット・ペティート(3,5,8)、ギル・ゴールドスタイン(2,4,10)、チャールズ・ブレンジグ(6)

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