ロキシー・ミュージック『VIVA! ロキシー・ミュージック』

『Viva!』(邦題:VIVA! ロキシー・ミュージック)は、1976年7月に発表されたRoxy Music(ロキシー・ミュージック)初のライブ・アルバムです。
『Viva! Roxy Music』のコンセプトと背景
1973年から1975年にかけてイギリス国内で行われた3つの公演(グラスゴー・アポロ、ニューカッスル・シティ・ホール、ウェンブリー・エンパイア・プール)での録音を編集して制作されました[1]。当時、バンドは5枚のスタジオ・アルバムを短期間でリリースし、精力的なツアー活動を行っていましたが、1976年初頭に一時的な活動休止を発表。その間隙を埋める形で本作が企画され、ロキシー・ミュージックのライブ・パフォーマンスの熱気と多様性を記録することが目的とされました[2][3]。
音楽性とサウンドの特徴
ロキシー・ミュージックのライブは、アートロック、グラムロック、実験音楽、ポップの要素が融合した独自の世界観が特徴です。『Viva!』では、スタジオ作品に比べてより荒々しく、即興性やエネルギーに満ちた演奏が際立っています。サックスやオーボエ(アンディ・マッケイ)、エレクトリック・ヴァイオリンやシンセサイザー(エディ・ジョブソン)、ギター(フィル・マンザネラ)、そしてブライアン・フェリーの独特のボーカルが絡み合い、時にカオティック、時にメロディアスなサウンドを生み出します[1][3]。
特にライブならではのダイナミズムが強調されており、ポール・トンプソンの力強いドラムがバンド全体を牽引。スタジオ録音では味わえない熱量と緊張感、観客との一体感がアルバム全体を貫いています[2][3]。
制作時のエピソード
本作は3年にわたるツアーの中から選りすぐりのパフォーマンスを編集して構成されました。バンドは活動休止前に膨大なライブ音源をミックスし、最良のテイクを厳選。プロデューサーはクリス・トーマス(Chris Thomas)が務め、ライブの臨場感とサウンドのバランスにこだわったミキシングが行われました[1][2]。また、活動休止直前のリリースということもあり、メンバーそれぞれがソロ活動や新たなプロジェクトに向かう過渡期の記録としても重要です[2][3]。
参加ミュージシャン
『Viva!』には以下のメンバーが参加しています[1][4][5]。
Roxy Music
- ブライアン・フェリー(Bryan Ferry):ボーカル、キーボード
- アンディ・マッケイ(Andy Mackay):サックス、オーボエ
- フィル・マンザネラ(Phil Manzanera):ギター
- ポール・トンプソン(Paul Thompson):ドラム
- エディ・ジョブソン(Eddie Jobson):エレクトリック・ヴァイオリン、シンセ、キーボード
ゲスト・ミュージシャン
- ジョン・ウェットン(John Wetton):ベース(大半の曲)
- ジョン・ガスタフソン(John Gustafson):ベース(Both Ends Burning)
- サル・マイダ(Sal Maida):ベース(Pyjamarama、Chance Meeting)
- リック・ウィルズ(Rick Wills):ベース(スタジオ・オーバーダブの可能性あり)
- ザ・サイレンス(The Sirens):バッキング・ボーカル(「Both Ends Burning」)

発表時の反響
『Viva!』はイギリスでアルバム・チャート6位、アメリカでも81位を記録し、ライブ・アルバムとしては異例の高評価を得ました[1][2][3]。批評家からは「バンドのライブの熱気と多様性を見事に捉えている」「スタジオ作品では見えなかったメンバーの個性が際立つ」といった声が寄せられ、特にポール・トンプソンのドラムや、即興的なアンサンブルの妙が賞賛されました。ファンや評論家の間でも「Roxy Musicのライブの真髄を伝える名盤」として長く語り継がれています。
特筆すべき点・アルバムの意義
- ライブ・バンドとしてのロキシー・ミュージックの魅力
スタジオ作品では表現しきれないライブの熱気、観客との一体感、即興性が凝縮されています。 - メンバー交代期の貴重な記録
エディ・ジョブソンやジョン・ウェットンなど、短期間のみ在籍した名手たちの演奏が記録されている点はファン必聴です[1][6]。 - 活動休止前の集大成
バンドの第一期集大成として、ロキシー・ミュージックの音楽的多様性と進化の過程を体感できる作品です[2][3]。 - 後進バンドへの影響
本作を含むロキシー・ミュージックのライブ・パフォーマンスは、後のニュー・ウェイヴやアート・ロック、ポストパンクのアーティストにも多大な影響を与えました[7]。

まとめ
『Viva!』は、ロキシー・ミュージックのライブ・バンドとしての実力と、アート性・実験性・ポップ性が融合した独自の世界観を体現したアルバムです。活動休止前の緊張感と熱気、メンバーそれぞれの才能がぶつかり合うライブの記録として、今なお高い評価を受け続けています[1][2][3]。






Citations:
- https://en.wikipedia.org/wiki/Viva!_(Roxy_Music_album)
- https://diffuser.fm/roxy-music-viva/
- https://en.apoplife.nl/roxy-music-and-the-superb-viva/
- https://vinyl-records.nl/prog-rock/art-rock/roxy-music-viva-1970s-vinyl-lp-album.html
- https://progrography.com/roxy-music/review-viva-roxy-music-1976/
- https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Roxy_Music_members
- https://www.rockhall.com/inductee-insights-roxy-music
- https://ja.wikipedia.org/wiki/VIVA!%E3%83%AD%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%83%E3%82%AF
- https://note.com/krichards/n/n9dd7bb7396d4
- https://ameblo.jp/katteni-sydbarrett/entry-12507912354.html
- https://www.loudersound.com/features/wagner-fist-fights-and-the-making-of-roxy-musics-debut-album
- https://en.apoplife.nl/in-1972-roxy-music-gave-off-their-first-impression/
- https://www.vice.com/en/article/the-guide-to-getting-into-roxy-music/
- http://www.vivaroxymusic.com/roxymusic.php
- https://en.wikipedia.org/wiki/Siren_(Roxy_Music_album)
- https://www.udiscovermusic.com/stories/roxy-music-postmodern-masterpiece/
- https://en.wikipedia.org/wiki/Roxy_Music
- http://www.vivaroxymusic.com/articles_473.php
- https://tidal.com/artist/10170
- http://www.vivaroxymusic.com/albums_1.php


