ビートルズ『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』
ビートルズ『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』
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『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』(サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド)は、The Beatles(ザ・ビートルズ)が1967年に発表した画期的なアルバムです。このアルバムは、バンドの音楽的実験精神と創造性の頂点を示すものとして広く認識されています。

コンセプトと音楽性

アルバムのコンセプトは、ビートルズが架空のバンド「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」として演奏するというものでした[1]。これにより、バンドは従来の制約から解放され、より自由な音楽表現を追求することができました。

音楽的には、ロック、ポップ、サイケデリア、インド音楽、クラシック音楽など、多様なジャンルを融合させた革新的なサウンドが特徴です[1][5]。スタジオ技術を駆使した実験的な音作りも、このアルバムの大きな特徴となっています。

制作エピソードと参加ミュージシャン

アルバムの制作は1966年11月から1967年4月にかけて行われ、約700時間もの時間が費やされました[4]。プロデューサーのジョージ・マーティン(George Martin)は、バンドの創造性を最大限に引き出すため、様々な革新的な録音技術を導入しました[4]。

参加ミュージシャンには、ビートルズ4人のほか、インド音楽の演奏者や管弦楽団なども加わり、多彩な音色を生み出しています[1][4]。

サウンドの特徴

アルバムのサウンドは、当時としては画期的なものでした。ダイレクト・インジェクション・ボックス(DI)の初使用、ヴァリスピードを使用したピッチコントロール、4トラックテープ間のバウンシング、人工的なダブルトラッキング(ADT)など、様々な技術が駆使されています[4]。

また、各楽曲の間にシームレスな音の繋がりを作り出すなど、アルバム全体を通して聴かせる工夫も施されています[5]。

トラックリスト

Side 1

  1. サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band) - 2:02
  2. ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ(With A Little Help From My Friends) - 2:43
  3. ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ(Lucy In The Sky With Diamonds) - 3:28
  4. ゲッティング・ベター(Getting Better) - 2:48
  5. フィクシング・ア・ホール(Fixing A Hole) - 2:36
  6. シーズ・リーヴィング・ホーム(She's Leaving Home) - 3:35
  7. ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト(Being For The Benefit Of Mr. Kite!) - 2:37

Side 2

  1. ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー(Within You Without You) - 5:04
  2. ホエン・アイム・シックスティー・フォー(When I'm Sixty-Four) - 2:37
  3. ラヴリー・リタ(Lovely Rita) - 2:42
  4. グッド・モーニング・グッド・モーニング(Good Morning Good Morning) - 2:41
  5. サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド[リプライズ](Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band[Reprise]) - 1:19
  6. ア・デイ・イン・ザ・ライフ(A Day In The Life) - 5:39

発表時の反響

『Sgt. Pepper's』は発売直後から大きな反響を呼び、イギリスとアメリカのアルバムチャートで1位を獲得しました[5]。批評家からも高い評価を受け、ロック音楽の芸術性を高めた作品として認識されました[35]。

一方で、過度に野心的であるとの批判も一部にありましたが[35]、総じて革新的で影響力のある作品として受け入れられました。

ジャケットデザイン

アルバムのジャケットデザインは、ピーター・ブレイク(Peter Blake)とジャン・ハワース(Jann Haworth)によって手がけられました[8]。ビートルズの4人を中心に、様々な著名人の等身大の写真を配置した独創的なコラージュは、音楽史上最も有名なアルバムカバーの1つとなりました[39]。

デザインには約3,000ポンド(当時の金額で現在の約5万ポンド相当)もの費用がかかり、ポップアートの傑作として評価されています[8]。

特筆すべき点

  1. 『Sgt. Pepper's』は、ロック音楽初のコンセプトアルバムとして認識されています[27]。
  2. アルバムは1968年のグラミー賞で「最優秀アルバム賞」を受賞し、ロックアルバムとして初めてこの賞を獲得しました[9]。
  3. 収録曲「A Day in the Life」には、人間には聞こえない高音が含まれており、犬には聞こえるとされています[3]。
  4. アルバムの制作過程で、ビートルズはライブパフォーマンスから完全に離れ、スタジオでの創作に専念しました[1]。

『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』は、その革新的な音楽性とコンセプト、そして視覚的な魅力により、ポップミュージックの歴史に深い影響を与えた作品として今なお高く評価されています。

アルバムレヴュー

ザ・ビートルズ(The Beatles)の『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)です。
1967年6月1日にリリース(実際は5月26日には発売されていたという話もある)された、前作の『リボルバー』に続く彼らの8枚目のアルバム。
本作はビートルズの最高傑作であるだけでなく、ロックアルバム史上の最高傑作にあげる評論家や音楽誌は多い。
しかし、ビートルズのアルバムで最も売れたアルバムというわけではありません。
人気投票の上位に入る曲が収録されているわけでもない。
では、なぜなのでしょう?

な~んでか?
それはね、コンセプトアルバムという概念を確立したロックの先駆けともいえる作品だったからです。
コンセプトアルバムとは、一曲一曲が独立したものでなく、あるテーマに沿った作品としてアルバム全体が制作されたものをいいます。
本作のレコーディングの途中、ポール・マッカートニーはビートルズが架空のバンドに扮し、アルバム全体をこのバンドのショーに見立てるというアイディアを思いつき、そのコンセプトから“サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド”という架空のバンドのショーというストーリーが考えられました。
そんなわけで、オープニングは観客のざわめきやオーケストラのチューニングする音から始まります。
この作品はロックミュージックの歴史における大きな転機となり、これ以降、シングルというよりアルバム全体を通じて作品と考えるミュージシャンが増えていきます。

アルバムジャケットの見開きはこんな感じ:ビートルズ『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』
アルバムジャケットの見開きはこんな感じ

サウンド的には前々作の『ラバー・ソウル』、前作の『リボルバー』を踏襲、発展させたような厚くカラフルで凝ったものです。
ストリングスやシタール、ブラスといった多くの種類の楽器のほかにも効果音が多く使われ、当時の録音技術の粋を集めたものになっています。

ジャケット・デザインもコンセプトに沿って考えられサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドの四人が、花でBEATLESを作って葬り彼らが選んだ有名人が参列してる状況をあらわしてるとか。
という訳で、マリリン・モンローやボブ・ディラン、アインシュタインなど多くの人物が写ったジャケットは肖像権の使用許可を取るのにマネージャーのブライアン・エプスタインを悩ませたそうです。

付録としてボール紙のワッペンや付け髭がついてくる:ビートルズ『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』
付録としてボール紙でできた切り抜きのワッペンや付け髭がついてくる

ちなみに、自分がこのアルバムを購入したのは社会人になってから。
いくつか購入したビートルズのアルバムの中でも最後の方でした。
最高傑作といわれていたことも、ロック史に輝く金字塔といわれる作品であることも知っていましたが、なんか、そそられなかったんですよね。
楽曲として、好きな曲が入っていなことや、ちょっと、わかりにくい曲が多かったことが理由かもしれません…。
でも、2曲目の「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」と最後の「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」は、かなり好きです。

あわせて読みたい

Citations:
[1] https://en.wikipedia.org/wiki/Sgt.Pepper's_Lonely_Hearts_Club_Band
[2] https://scholarlycommons.pacific.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1061&context=backstage-pass [3] https://audioacademy.in/sgt-peppers-lonely-hearts-club/
[4] https://www.soundonsound.com/techniques/inside-track-sgt-peppers-lonely-hearts-club-band
[5] https://www.britannica.com/topic/Sgt-Peppers-Lonely-Hearts-Club-Band
[6] https://www.the-paulmccartney-project.com/1967/03/designing-the-packaging-for-sgt-peppers-lonely-hearts-club-band/
[7] https://time.com/4713080/sgt-peppers-album-photo/
[8] https://www.udiscovermusic.com/stories/whos-who-on-the-beatles-sgt-peppers-lonely-hearts-club-band-album-cover/
[9] https://sgtpepper.udiscovermusic.com
[10] https://www.artsy.net/article/artsy-editorial-beatles-helped-british-artist-perfect-work-pop-art
[11] http://www.pvccfinearts.com/blog/2017/2/16/the-sgt-peppers-project-lecture-1
[12] https://www.openculture.com/2017/01/how-the-beatles-sgt-peppers-lonely-hearts-club-band-changed-album-cover-design-forever.html
[13] https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_images_on_the_cover_of_Sgt._Pepper's_Lonely_Hearts_Club_Band
[14] https://www.hooktheory.com/theorytab/view/the-beatles/sgt-peppers-lonely-hearts-club-band
[15] https://sites.google.com/mc.edu/copy-resonances/home/unit-3-music-for-entertainment/chapter-8-listening-at-home-and-at-court/the-beatles-sgt-peppers-lonely-hearts-club-band
[16] https://blog.zzounds.com/2017/06/24/legends-tone-the-beatles/
[17] https://www.udiscovermusic.com/stories/beatles-influence-sgt-pepper/
[18] https://www.reddit.com/r/beatles/comments/1fc3fw6/what_exactly_is_the_concept_of_sgt_pepper/
[19] https://www.loc.gov/static/programs/national-recording-preservation-board/documents/Sgt%20Pepper's%20essay.pdf
[20] https://www.britannica.com/topic/Sgt-Peppers-Lonely-Hearts-Club-Band
[21] https://www.openculture.com/2013/07/deconstructing_the_sgt_peppers_lonely_hearts_club_band.html
[22] http://www.beatlesebooks.com/sgt-pepper-album
[23] https://www.genesis-publications.com/book/0904351971/summer-of-love-sgt-pepper-george-martin
[24] https://productionadvice.co.uk/the-making-of-sgt-pepper/
[25] https://en.apoplife.nl/the-story-of-a-rare-flop-the-movie-sgt-peppers-lonely-hearts-club-band/
[26] https://monotone-extra.co.jp/SHOP/cdp-997.html
[27] https://en.wikipedia.org/wiki/Sgt.Pepper's_Lonely_Hearts_Club_Band
[28] https://en.wikipedia.org/wiki/Sgt._Pepper_Live
[29] https://en.wikipedia.org/wiki/Sgt._Pepper's_Lonely_Hearts_Club_Band(soundtrack)
[30] https://secondhandsongs.com/performance/1131/all
[31] https://kennethwomack.com/2017/05/09/everything-fab-four-celebrating-the-first-half-century-of-sgt-pepper-launch-parties/
[32] https://www.the-paulmccartney-project.com/session/recording-sgt-peppers-lonely-hearts-club-band/
[33] https://en.wikipedia.org/wiki/Sgt.Pepper's_Lonely_Hearts_Club_Band(song)
[34] https://www.nytimes.com/2017/06/08/arts/music/sgt-pepper-at-50-liverpool-artists.html
[35] https://rockcritics.com/2013/01/24/critical-collage-sgt-pepper/
[36] https://www.musicmusingsandsuch.com/musicmusingsandsuch/2020/11/8/feature-getting-better-revisiting-the-beatles-sgt-peppers-lonely-hearts-club-band
[37] https://www.cambridge.org/core/books/abs/beatles-sgt-peppers-lonely-hearts-club-band/reception/29ED5A87EEBD3819FE8AA8A4A3449D41
[38] https://www.sputnikmusic.com/review/38437/The-Beatles-Sgt.-Peppers-Lonely-Hearts-Club-Band/
[39] https://www.reddit.com/r/beatles/comments/1254jxe/hot_takes_welcome_honest_thoughts_on_sergeant/
[40] https://thesoniccollective.com/2015/08/01/review-of-the-beatles-sgt-peppers-lonely-hearts-club-band/
[41] http://www.dylanthomas.com/dylan-thomas-centre/exhibition-items/beatles-sgt-peppers-album-cover/
[42] https://www.antarticagalleries.com/sgtpepper/index.html
[43] https://peoplesgdarchive.org/item/13819/the-beatles-album-cover-andnbsp-sgt-peppers-lonely-hearts-club-band
[44] https://americansongwriter.com/story-behind-the-beatles-sgt-peppers-lonely-hearts-club-band-album-cover/

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