ディープ・パープル『マシン・ヘッド』を聴く
ディープ・パープル『マシン・ヘッド』
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『Machine Head』(マシン・ヘッド)は、イギリスのロックバンドDeep Purple(ディープ・パープル)によって1972年にリリースされたアルバムで、彼らのキャリアの中で最も重要かつ影響力のある作品の一つとされています。このアルバムは、バンドの第2期メンバー(イアン・ギラン、リッチー・ブラックモア、ロジャー・グローバー、ジョン・ロード、イアン・ペイス)によって制作されました。

コンセプトと音楽性

『マシン・ヘッド』は、ハードロックとインストゥルメンタルジャムの完璧なバランスを持っており、特に「Smoke on the Water」のような象徴的な曲が含まれています。この曲は、スイスのモントルーでの録音中に発生した実際の火災事件を題材にしており、そのリフはロック史上最も認識されているものの一つです[1][3]。アルバム全体には、複数のリードが含まれており、各トラックが独自の特徴を持っています。

音楽的には、ハードロックだけでなく、ファンクやオーケストラ的な要素も取り入れられており、特にジョン・ロードのキーボードプレイが際立っています[2][4]。アルバムは7曲から構成されており、その中には「Highway Star」や「Space Truckin'」など、現在でもライブセットで演奏され続ける名曲が含まれています。

制作時のエピソード

『マシン・ヘッド』は1971年12月にスイスのモントルーで録音されました。当初、モントルー・カジノで録音する予定でしたが、そのカジノが火災に見舞われたため、急遽ホテルで録音することになりました[3][9]。バンドはローリング・ストーンズのモバイルスタジオを使用し、非常にユニークな録音環境を作り出しました。リッチー・ブラックモアは、この録音セッションが自然な雰囲気を生み出したと語っています。

アルバムはわずか3週間で完成し、その迅速な制作過程が結果的に作品にスピード感とエネルギーを与えました[1][2]。イアン・ギランは、このアルバムが特別なものであることをすぐに感じ取ったと述べています。

参加ミュージシャン

『マシン・ヘッド』には以下のメンバーが参加しています:

  • リッチー・ブラックモア(Ritchie Blackmore) - ギター
  • イアン・ギラン(Ian Gillan) - ボーカル
  • ロジャー・グローヴァー(Roger Glover) - ベース
  • ジョン・ロード(Jon Lord) - キーボード
  • イアン・ペイス(Ian Paice) - ドラムス

このラインアップはディープ・パープルの黄金期を象徴するものであり、彼らのサウンドに大きな影響を与えました[2][3]。

トラックリスト

Side 1

  1. ハイウェイ・スター(Highway Star) - 6:05
  2. メイビー・アイム・ア・レオ(Maybe I'm a Leo) - 4:51
  3. ピクチャーズ・オブ・ホーム(Pictures of Home) - 5:03
  4. ネヴァー・ビフォア(Never Before) - 3:56

Side 2

  1. スモーク・オン・ザ・ウォーター(Smoke on the Water) - 5:40
  2. レイジー(Lazy) - 7:19
  3. スペース・トラッキン (Space Truckin') - 4:31

発表時の反響

『マシン・ヘッド』は1972年3月30日にリリースされると、瞬く間に商業的成功を収めました。英国では1位、米国でも7位を記録し、チャートには2年以上留まりました[4][5]。このアルバムは多くのロックバンドに影響を与え、その後のハードロックやメタルシーンにおいて重要な位置を占めることになりました。

特に「Smoke on the Water」は、その後何十年にもわたり、多くのアーティストによってカバーされ続けており、その影響力は計り知れません。アルバム全体としても、多くの評論家から高い評価を受け、「ハードロックアルバム」の金字塔として位置づけられています[1][4]。

特筆すべきこと

『マシン・ヘッド』は単なるアルバム以上のものであり、その制作過程や音楽性はDeep Purple自身だけでなく、ロック全体においても重要なマイルストーンとなりました。特に「Highway Star」は、その後多くのアーティストによって模倣されるほど影響力があり、「Space Truckin'」などもライブパフォーマンスで非常に人気があります[2][9]。

また、このアルバムはディープ・パープルがその後も成功を収めるための基盤となった作品であり、その後も様々な形で再評価されています。2022年には50周年を迎え、多くのファンや批評家から改めてその重要性が語られました[9][10]。

総じて、『マシン・ヘッド』はディープ・パープルだけでなく、ロック史全体においても欠かせない作品であり、その影響力と魅力は今なお色褪せることなく、多くの人々に愛されています。

アルバムレヴュー

A面1曲目の「ハイウェイスター」やB面1曲目の「スモーク・オン・ザ・ウォーター」というハードロックを代表する二大アンセムが入った名盤。
ちなみに、この年の8月17日には武道館で彼らのコンサートが行われました。
海外のミュージシャンに“ブドウカン”の名前を高めた『ライブ・イン・ジャパン』は、このときの模様を録音した作品。

本作は第二期といわれるパープル黄金期のメンバーが在籍したときにつくられた彼ら6枚目のハードロックのマイルストーンともいわれる作品。
70年代以降の洋楽で青春を過ごしたギター少年たちは崇め奉ったものです。
中でもA面1曲目の「ハイウェイスター」やB面1曲目の「スモーク・オン・ザ・ウォーター」はみんな、コピーしていました。
ストラトキャスターで弾く定番といっても、いいかもしれません。

「ハイウェイスター」は文字通り、ハイウェイをぶっ飛んでいくような疾走感があります。
ギターとキーボードの16分音符の四連符が特徴的。
ジョン・ロードのハモンドオルガンとリッチー・ブラックモアのギターソロの異種格闘技対決の趣。
おもえば、ジョン・ロードのようなキーボードが入ったハードロックバントというのは彼ら以前は、あまりなかったのではないでしょうか?

「スモーク・オン・ザ・ウォーター」は歌詞のユニークさでも有名。
内容はといえば、本作のレコーディング時のアクシデントをテーマにしたもの。
彼らはスイスのモントルーにあるレマン湖のほとりのカジノにあるステージでライブのような形で録音をしようと、ローリング・ストーンズから借りたモービルシステムを持ち込んで待機していた。
すると、その夜、フランク・ザッパ&ザ・マザーズ・オブ・インヴェンションのコンサート中に何者かが会場の天井に向けて信号弾を発砲。
会場は火災に見舞われレコーディングは頓挫してしまう。
という訳で、煙もくもくの炎がパチパチという訳です。
当初は数合わせのための、やっつけ仕事のような曲だったようですが大ヒット。

上記の、2曲以外にも「レイジー」や「スペース・トラッキン」といった、人気曲が収録されています。

高校生の時にエレキギターを購入して、一番最初にコピーできたのが「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のイントロでした。
例のジャッ、ジャッ、ジャーンという、やつです。
まぁ、自分が高校生の頃の四十年前は定番でしたね。
ホームベース型のハードのピックとか買って…。
スキャロップド・フィンガーボードといって、リッチーのギターをまねてストラトキャスターのネックの指板をえぐった加工をするツワモノもおりました…。
「スモーク・オン・ザ・ウォーター」はどちらかといえば、弾きたいというよりは簡単に弾けそうだからという感じでコピーしてました(ギターソロは結構、難しい)。
本当に弾きたいのはレッド・ツェッペリンの「天国への階段」だったのですが…。

Citations:
[1] https://www.thisdayinmusic.com/classic-albums/deep-purple-machine-head/
[2] https://superdeluxeedition.com/interview/ian-gillan-on-deep-purples-machine-head/
[3] https://en.wikipedia.org/wiki/Machine_Head_(album)
[4] https://www.classicrockreview.com/2012/12/1972-deep-purple-machine-head/
[5] https://progrography.com/deep-purple/review-deep-purple-machine-head-1972/
[6] https://www.progarchives.com/album.asp?id=9223
[7] https://www.loudersound.com/features/deep-purple-making-of-machine-head
[8] https://www.sputnikmusic.com/review/3497/Deep-Purple-Machine-Head/
[9] https://tidal.com/magazine/article/deep-purple-machine-50/1-84005
[10] https://bourbonandvinyl.net/2024/04/01/review-deep-purple-machine-head-50th-anniversary-super-deluxe-their-1972-masterpiece/

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