
Aerosmith(エアロスミス)の4枚目のスタジオアルバム『Rocks』(ロックス)は、1976年5月にリリースされ、バンドのキャリアにおける重要な転換点となった作品です。このアルバムは、エアロスミスの音楽性とサウンドの特徴を確立し、彼らを真のロックの巨人へと押し上げました。
エアロスミスの4枚目のスタジオアルバム『ロックス』は、1976年5月3日にリリースされ、バンドのキャリアにおける重要な転換点となった作品です。
コンセプトと音楽性
『ロックス』は、その名の通り「ロック」をコンセプトにした、ハードでエネルギッシュなアルバムです[1]。プロデューサーのジャック・ダグラスは、バンドの生々しいエネルギーをそのまま捉えることを目指しました[15]。アルバムのサウンドは、前作『Toys in the Attic』よりもさらにハードでヘヴィーな方向性を示しています[9]。
サウンドの特徴
『ロックス』の特徴的なサウンドは、以下の要素によって形成されています:
- ロウな製作:スタジオの技巧を抑え、バンドの生の演奏を重視[20]
- ブルージーなハードロック:ブルースの要素を取り入れたハードロックサウンド[6]
- タイトな演奏:バンドメンバー全員の技術が向上し、より洗練された演奏を実現[6]
- ダークなトーン:歌詞や楽曲の雰囲気に、より暗く重いトーンが加わる[11]
制作時のエピソード
『ロックス』の制作には、いくつかの興味深いエピソードがあります:
- レコーディングは、バンドのリハーサル場所「Wherehouse」で行われ、モバイルレコーディングトラックを使用[2][15]
- 「Back in the Saddle」では、スティーブン・タイラーがカウボーイブーツを履いて木の板を踏み、スパーの音を出すためにタンバリンと鈴をブーツにテープで貼り付けた[16]
- ジョー・ペリーは、「Back in the Saddle」のリフをヘロイン中毒の最中に自宅のベッドルームで思いついた[16]
- アルバム全体が半音下げでチューニングされており、より重厚なサウンドを実現[13]
パーソネル
- スティーヴン・タイラー(Steven Tyler):ボーカル、アコースティック・ギター、ハーモニカ、ピアノ、ベース、キーボード
- ジョー・ペリー(Joe Perry):ギター、スライドギター、六弦ベース(on 1.)、ベース(on 5.)
- ブラッド・ウィットフォード(Brad Whitford):ギター
- トム・ハミルトン(Tom Hamilton):ベース、ギター(on 5.)
- ジョーイ・クレイマー(Joey Kramer):ドラムス、パーカッション
特筆すべきは、ブラッド・ウィットフォードが9曲中5曲でリードギターを担当し、2曲で作曲クレジットを得ていることです[10]。
トラックリスト
Side 1
- バック・イン・ザ・サドル(Back in the Saddle) - 4:40
- ラスト・チャイルド(Last Child) - 3:26
- 地下室のドブねずみ(Rats in the Cellar) - 3:39
- コンビネイション(Combination) - 3:40
Side 2
- シック・アズ・ア・ドッグ(Sick as a Dog) - 4:12
- ノーバディズ・フォールト(Nobody's Fault) - 4:25
- ゲット・ザ・リード・アウト(Get the Lead Out) - 3:43
- リック・アンド・ア・プロミス(Lick and a Promise) - 3:05
- ホーム・トゥナイト(Home Tonight) - 3:18
発表時の反響
『ロックス』は発売と同時に大きな成功を収めました。アルバムはビルボードチャートで3位を記録し、4倍プラチナを達成しています[10][11]。批評家からも高い評価を受け、AllMusicは「Aerosmithを最も生々しくロッキングな状態で捉えた」と評しています[13]。

特筆すべきこと
『ロックス』は、多くのミュージシャンに影響を与えた重要なアルバムとして知られています:
- スラッシュ(Guns N' Roses)は、このアルバムが自身の人生を変えたと語っています[10]
- カート・コバーン(Nirvana)のお気に入りアルバムリストに入っています[10]
- ジェームズ・ヘットフィールド(Metallica)は、このアルバムをきっかけにギターを始めたと言っています[10]
- タイトルの『Rocks』はギタリストのジョー・ペリーが提案した名前で、彼が自伝「Rocks: My Life in and out of Aerosmith」で説明しているように、「ダイヤモンドは岩と呼ばれ、ダイヤモンドより硬いものはない。想像できる限り最もロックなレコードが欲しかった」からである[2]。
また、『ロックス』は1976年2月に導入されたプラチナ認定の最初期のアルバムの1つとなりました[10]。
『Rocks』は、Aerosmithの代表作として今なお高く評価され続けており、ハードロックの金字塔として音楽史に刻まれています[6][13]。
Citations:
[1] https://www.classicrockreview.com/2011/11/1976-aerosmith-rocks/
[2] https://en.wikipedia.org/wiki/Rocks_(Aerosmith_album)
[3] https://www.musicianauthority.com/from-music-to-style-the-lasting-impact-of-aerosmiths-draw-the-line/
[4] https://2loud2oldmusic.com/2021/10/21/aerosmith-rocks-1976-album-review-the-aerosmith-collection-series/
[5] https://ultimateclassicrock.com/aerosmith-rocks/
[6] https://www.subjectivesounds.com/musicblog/aerosmith-rocks-album-review
[7] https://therockreview.net/aerosmith-rocks-eng/
[8] https://www.reddit.com/r/Aerosmith/comments/bz82lf/aerosmith_album_retrospective_4_rocks/
[9] http://1001albumsyoumusthearbeforeyoudie.wikidot.com/aerosmith-rocks
[10] https://www.reddit.com/r/Aerosmith/comments/bz82lf/aerosmith_album_retrospective_4_rocks/
[11] https://www.loudersound.com/features/aerosmith-rocks-story-behind-album
[12] https://www.subjectivesounds.com/musicblog/aerosmith-rocks-album-review
[13] https://www.loudersound.com/reviews/aerosmith-rocks-album-of-the-week-club-review
[14] https://www.rollingstone.com/music/music-album-reviews/rocks-206044/
[15] https://www.soundonsound.com/techniques/inside-track-recording-aerosmith
[16] https://ultimateclassicrock.com/aerosmith-rocks-track-by-track/
[17] https://aerosmithbackburner.com/2022/03/23/rocks-sessions-demos-outtakes-and-leaks/
[18] https://www.reddit.com/r/ClassicRock/comments/1cj4alk/aerosmith_rocks/
[19] https://www.markprindle.com/aeroa.htm
[20] https://ultimateclassicrock.com/aerosmith-rocks/
[21] https://monstershoprock.com/2024/09/17/the-making-of-permanent-vacation-by-aerosmith/
[22] https://musicboard.app/littleburu/review/album/rocks/aerosmith/