レッド・ツェッペリン『プレゼンス』

レッド・ツェッペリン『プレゼンス』
レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)『プレゼンス』(Presence)

Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)の7枚目のスタジオアルバム『Presence』(プレゼンス)は、1976年3月31日にリリースされました。このアルバムは、バンドにとって困難な時期に制作されましたが、その結果、非常に集中力の高い、ストレートなロックアルバムとなりました。

『Presence』(プレゼンス)のコンセプトと音楽性

『プレゼンス』は、前作『Physical Graffiti』(フィジカル・グラフィティ)の成功を受けて制作されましたが、ロバート・プラントの自動車事故による怪我のため、通常とは異なる状況下で作られました[1][2]。アルバムのサウンドは、バンドの初期作品を思わせるハードロックに回帰しつつ、より複雑さを増しています[1]。

特徴的なのは、ジミー・ペイジのエレクトリックギターが全面に押し出されていることです[7]。アコースティックギターやキーボードの使用が最小限に抑えられ、ストレートなロックサウンドが追求されています[7][10]。

制作エピソード

アルバムは、ミュンヘンのMusiclandスタジオで、わずか18日間という短期間で録音・ミックスされました[2]。ペイジは1日18〜20時間もの長時間作業を行い、ギターのオーバーダブを一晩で完成させるなど、集中的な制作が行われました[2][5]。

プラントは車椅子での録音を余儀なくされ、自身のボーカルパフォーマンスに不満を感じていたようです[7]。一方、ペイジはこのアルバムでの演奏を自身の最も成熟したものと評価しています[7]。

参加ミュージシャン

  • ジミー・ペイジ(Jimmy Page):ギター、プロデュース
  • ロバート・プラント(Robert Plant):ボーカル、ハーモニカ
  • ジョン・ポール・ジョーンズ(John Paul Jones):ベース
  • ジョン・ボーナム(John Bonham):ドラムス[2]

収録曲と特徴

Side 1

  1. アキレス最後の戦い(Achilles Last Stand)- 10:26(Page & Plant)
  2. フォー・ユア・ライフ(For Your Life)- 6:21(Page & Plant)
  3. ロイヤル・オルレアン(Royal Orleans)- 2:58(Bohnam, Jones, Page & Plant)

Side 2

  1. 俺の罪(Nobody's Fault but Mine)- 6:27(Page & Plant)
  2. キャンディ・ストア・ロック(Candy Store Rock)- 4:10(Page & Plant)
  3. 何処へ(Hots On for Nowhere)- 4:42(Page & Plant)
  4. 一人でお茶を(Tea for One)- 9:27(Page & Plant)

アルバムには7曲が収録されており、そのうち6曲がペイジとプラントの共作です[2]。特に注目すべき曲として以下が挙げられます:

  1. "Achilles Last Stand" - 10分を超える壮大な楽曲で、ペイジ自身も最も好きな曲の一つとして挙げています[5]。
  2. "Nobody's Fault But Mine" - ブルースの要素を取り入れたパワフルな楽曲[7]。
  3. "For Your Life" - ストレートなハードロック[7]。

ジャケットデザイン

アルバムカバーはヒプノシス(Hipgnosis)によってデザインされ、謎めいた黒い物体("The Object")が日常的な場面に登場する一連の写真で構成されています[3][13]。このデザインは、スタンリー・キューブリックの映画『2001年宇宙の旅』からインスピレーションを得ており、バンドの「存在感(Presence)」を表現しているとされています[9][13]。

発表時の反響

『プレゼンス』は、リリース直後にアメリカのビルボードチャートで2週間1位を獲得し[5]、商業的には成功を収めました。しかし、批評家や一部のファンからは、前作ほどの評価を得られなかった面もあります[11]。

特筆すべき点

  • アルバムのサウンドは、後のパンクロックを先取りしているとの指摘もあります[10]。
  • 収録曲のうち、ライブで演奏されたのは"Achilles Last Stand"と"Nobody's Fault But Mine"のみでした[4]。
  • ペイジは、このアルバムでフェンダー・ストラトキャスターを多用しています[5]。

『Presence』は、Led Zeppelinの作品の中でも独特な位置を占めるアルバムであり、バンドの音楽性の変遷を理解する上で重要な作品と言えるでしょう。

Citations:
[1] https://www.popmatters.com/led-zeppelin-presence-deluxe-edition-2495490060.html
[2] https://en.wikipedia.org/wiki/Presence_(album)
[3] https://nowspinning.co.uk/led-zeppelin-presence-classic-album-covers/
[4] https://ultimateclassicrock.com/led-zeppelin-presence-songs/
[5] https://vermilioncountyfirst.com/2023/03/30/flashback-led-zeppelin-releases-presence-2/
[6] https://www.reddit.com/r/ledzeppelin/comments/1bcylq1/the_album_cover_of_led_zeppelins_presence_sucks/
[7] https://martinleedham.wordpress.com/2012/03/04/album-review-led-zeppelin-presence-1976/
[8] https://www.youtube.com/watch?v=3-ArGCB8EHI
[9] https://en.faceoffrockshow.com/post/led-zeppelin-presence-1
[10] https://faroutmagazine.co.uk/in-defence-of-led-zeppelins-presence/
[11] https://www.progarchives.com/album.asp?id=13532
[12] https://www.discogs.com/ja/release/5206169-Led-Zeppelin-Presence
[13] https://www.richardmanning.co.uk/hipgnosis-album-cover-art/led-zeppelin-presence--1976/10
[14] https://www.discogs.com/release/6693962-Led-Zeppelin-%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%84%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%9A%E3%83%AA%E3%83%B3-Presence-%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%82%B9
[15] https://forums.stevehoffman.tv/threads/whats-wrong-with-led-zeppelins-presence.1162979/page-20
[16] https://stpaulsgallery.com/product/led-zeppelin-presence-album-cover-art-print-signed-by-aubrey-powell/

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