イエス『こわれもの』を聴く。

イエス(YES)の1971年の作品『こわれもの(Fragile)』です。
1970年代に全盛期を迎えたプログレッシブ・ロックと呼ばれるクラシックやジャズ、現代音楽などの要素を取り込んだジャンルがありますが、その最高峰の1枚です。
そのポジションはピンク・フロイドとELP(エマーソン・レイク&パーマ)の間ぐらいにあるのではないでしょうか?
ピンク・フロイドほどブルースの要素は感じないし、ELPほどクラシックに傾倒している風でもない。
アルバム全体の構成はバラエティに富んでいます。
なかにはサイモンとガーファンクルの名曲「アメリカ」もカバーしています。
「ほとんどクラシックじゃないの」といったクラシックギターのきれいな小品のような作品から、ビートの利いた変拍子と転調がバリバリの大曲まで非常に複雑で手の込んだものです。
こうした楽曲をやるためにプレイヤーには何よりもテクニックが求められるわけですが、あまりに演奏のレベルが高くて、ほとんどコピーバンドがでなかったとか・・・。
日本では四人囃子というバンドが、アマチュア時代にイエスを完全にコピーするというので有名になりました。
ジャケットのイラストはファンタジーやSFっぽい作風で有名な、というより、このアルバムジャケットで有名なったロジャー・ディーン。
動画は1曲目の「ラウンドアバウト」です。メンバーの若いこと。
ギターのスティーブ・ハウの演奏も最近のものよりとんがっています。