アニタ・ベイカー『ラプチャー』を聴く
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Anita Baker(アニタ・ベイカー)の1986年リリースアルバム『Rapture』(ラプチャー)は、彼女のキャリアを決定づけた記念碑的な作品です。

音楽性とサウンド

『Rapture』は、R&B、ソウル、ジャズの要素を巧みに融合させた洗練されたサウンドが特徴です[1]。アルバム全体を通して、Bakerのスムーズで感情豊かなボーカルが際立っています。各曲は彼女の驚異的な声域と感情表現の深さを存分に引き出しています[1]。

プロデューサーのMichael J. Powellとの緊密な協力関係により、洗練された一貫性のあるサウンドが生み出されました[1]。生楽器の使用が豊かで有機的な質感をもたらし、当時の他のアルバムとは一線を画す仕上がりとなっています[1]。

制作エピソード

『Rapture』の制作には興味深いエピソードがあります。Bakerはよりジャズよりのアルバムを作りたいと考えていましたが、プロデューサーのPowellはソウルフルな方向性を望んでいました。この創造的な緊張関係が、結果的にユニークなサウンドを生み出すことにつながりました[3]。

録音は複数のスタジオで行われました。カリフォルニア州グレンデールのYamaha R & D Studio、ミシガン州デトロイトのUnited Sound Systems、カリフォルニア州ハリウッドのMusic Grinder Studiosです[3]。

楽曲ハイライト

アルバムの代表曲「Sweet Love」は、Bakerの滑らかでソウルフルな声が際立つ名曲です[1]。「Caught Up in the Rapture」も、彼女の卓越したボーカル技術を存分に発揮した楽曲として評価されています[1]。

その他、「Same Ole Love」や「No One in the World」も、アルバムの魅力を高める重要な楽曲として挙げられています[1]。

発表時の反響と評価

『Rapture』は発売と同時に大きな反響を呼びました。2つのグラミー賞を獲得し、全世界で800万枚以上、アメリカ国内だけでも500万枚を売り上げる大ヒットとなりました[3][4]。

音楽評論家からも高い評価を受け、『Rolling Stone』誌は1980年代の最も優れたアルバム100選の36位に選出しています[3]。また、2020年には同誌の歴史上最も偉大なアルバム500選にも404位でランクインしました[3]。

特筆すべき点

『Rapture』の成功により、大人向けの伝統的なR&Bボーカルにも大きな市場があることが証明されました[3]。このアルバムは、1980年代のクワイエット・ストーム・サブジャンルの代表作として位置づけられています[3]。

また、『Rapture』はBakerのソウルとポップミュージックにおけるスター性を確立し、その後の多くのR&B歌手に影響を与えました[1][3]。

総じて、『Rapture』はAnita Bakerのキャリアを決定づけただけでなく、1980年代のR&B/ソウルミュージックの方向性を示す重要な作品として音楽史に刻まれています。

Citations:
[1] https://lovesoulradiolondon.org/blog/rediscovering-anita-baker-s-rapture
[2] https://dereksmusicblog.com/2011/11/08/anita-baker-compositions/
[3] https://en.wikipedia.org/wiki/Rapture_(Anita_Baker_album)
[4] https://poprescue.com/2014/10/13/pop-rescue-review-rapture-anita-baker-cd-1986/
[5] https://insheepsclothinghifi.com/album/anita-baker-rapture/
[6] https://www.rhino.com/article/march-1986-anita-baker-releases-rapture
[7] https://ontherecord.co/2020/01/17/anita-baker-rapture-our-shootout-winner-from-2011/
[8] https://dereksmusicblog.com/2011/05/03/anita-baker-rapture/

アルバムレヴュー

名盤の誉れ高いアニタ・ベイカー(Anita Baker)の『ラプチャー(Rapture)』です。
こういうのがブックオフで200円とか300円で売られているのを見ると悲しい気分になってしまいます。
もう、捨て曲なしのすべてシングルカットしたいベスト盤のようなアルバムです。

たぶん、ジャンルとしてはソウルなのでしょう。
確かに声や歌い方はソウフルでまとわりつくような感じですが、クールで洗練されたアレンジのためにあまり暑苦しい感じはしません。
ドラムとベースはウエスト・コースト系のフュージョングループ「イエロー・ジャケッツ」のメンバーでサウンド自体もバリバリのモータウン系ではなくフュージョンのテイストが感じられるものです。

1986年の作品ですが、当時、イギリスから登場したシャーデーとともにバーやカフェなどでよく流れていました。
この二人が出てきたときは、これまで聴いたことがないお洒落なサウンドで夜のドライブなどで浸って聴いてました。
本作、以降、真似したようなサウンドが日本のミュージシャンの作品でも増えたような気がします。
録音もよかったのではないでしょうか?
ライブ会場などでPAのサウンドチェックにも、よくこのアルバムが使われていました。

トラックリスト

  1. Sweet Love - 4:26
  2. You Bring Me Joy - 4:24
  3. Caught Up in the Rapture - 5:17
  4. Been So Long - 5:07
  5. Mystery - 4:56
  6. No One in the World (Produced by Marti Sharron and Gary Skardina) - 4:10
  7. Same Ole Love (365 Days a Year) - 4:05
  8. Watch Your Step - 4:54

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