ピーター・バラカン's LIVE MAGIC EXTRA IN YAMAGATA

ピーター・バラカン's LIVE MAGIC EXTRA IN YAMAGATA
ピーター・バラカン’s LIVE MAGIC EXTRA IN YAMAGATA

ラジオDJで音楽評論家のピーター・バラカン氏が監修する音楽ライブ『ピーター・バラカン's LIVE MAGIC EXTRA IN YAMAGATA』を観てきた。
出演アーティストはサニー・ランドレス、濱口祐自、ZabaDuo。
会場は山形市の南部にあるシベールアリーナ。
チケットはワンドリンク付きで4,000円。
開演は19時。

18時前に会社を出る。
外は雨。
結構、激しく降っている。
その中、会場まで車を走らせる。
18時半過ぎには会場のシベールアリーナに到着。
駐車場は三分の二ぐらい埋まっている。
シベールアリーナはお菓子のラスクで全国区になった洋菓子会社シベールの工場敷地にあるスポーツ施設(都市計画法の用途地域の問題でホールにできなかったような噂を聞いたことがある)だ。

会場の入り口を入るとエントランスでは物販を行っている。
今回のライブはワンドリンク付きということでウーロン茶、オレンジジュースとなぜかワインのいずれかを選ぶことができる。
当方はクルマなので、オレンジジュースを受け取り、会場の入り口付近で「何を売ってるのかな」と物販のコーナーを眺めながら飲んでいるとスタッフに混じってピーター・バラカン氏の姿を見つけ、ビックリ。
本人が、直接、物販しているとは…。
よほど、何か買おうかと思ったが、今回は遠慮してしまった。

会場に入るとオープニングアクトの山形のバンドの演奏が終わろうとしていた。
自分の席は前から7列目のほぼ中央辺り。
今回はいつも行くバーの常連さんたちと一緒なので周りは知り合いが多い。

開演時間になると照明が暗転して、ピーター・バラカン氏の挨拶があり濱口祐自の登場。
何とも、自由な関西のおもろい、おっちゃんという印象。
演奏はアコースティックギターでブルースから日本の唱歌、エリック・サティのジムノペディなども披露。
あまり、ブルースにこだわるとか、そうしたタイプのミュージシャンではなさそうだ。
オリジナルの楽曲では歌も聞かせたが、基本ギタリストなのかなと…。
テクニックや上手さを誇るという感じはないが味わいがある。
本人は和歌山の那智勝浦、出身ということなので大阪弁ではなく勝浦弁らしいのだが、早口で聞き取れないところもあったがしゃべりが面白い。
「これは名曲で…」、「今日は、キメなあかんのぅ!」、「キマッタ!かのう…」といった自画自賛トークが笑いを誘う。
後ろには12弦のギターも置いてあったが、このギターでのプレイを聴けなかったのは残念。

続いて、登場したのはZabaDuoというベースとパンデイロという珍しいコンビ。
パンデイロはブラジルのタンバリンのような楽器。
サンバやボサノバではよく使われる。
パンデイロというのは「なかなか唐突だなぁ」と思ったが、いったい、どんな感じになるのかチョットそそられる。
ベースのチャーリー・ウトンは完全にジャコ・パストリアスを意識している雰囲気がありあり。
ニットのキャップをかぶり胸元まで髪を伸ばしている。
ベースの背が高いという訳でもないのだが、パンデイロのラファ・ペレイラの背が低く、ちょっとした凸凹コンビといった様相。
パンデイロ、一つでいろんな音を出していたが、ドラムのバスドラのような低音が出ていたのには驚いた。
あれはPAやエフェクトなどの処理なのだろうか? それとも、本来、そうした低音が出せる楽器なのだろうか…?
ラスト近くでサニー・ランドレスのドラムを叩いたブライアン・ブリニャクも参加したが、音が被ってパンデイロの存在感がなくなったような気もする。

最後に登場したのがスライドギターの魔術師と言われるサニー・ランドレス。
バックはドラマーのブライアン・ブリニャク、ベースはZabaDuoのチャーリー・ウトンといったスリーピースのバンドとして登場。
1曲目は『Walkin' Blues』。
クロスロード伝説で有名なブルースの始祖、ロバート・ジョンソンの楽曲だ。
エリック・クラプトンもアンプラグドで取り上げているが、それとは違い軽快で疾走感があり全く別の曲になっている。
黒人ブルースのような泥臭さは、あまり感じられない。
ランドレスは田端義夫のようにエレキギターのストラップを短めにし胸元近くで抱え、歌いながら終始スライドギターを弾きまくっている。
その姿が妙に決まっていて、かっこいい。
変則チューニングのためか、曲ごとにストラトキャスター・タイプのギターを数本替えていたが、どれも新品のようにピカピカしていた。
全体的に同じ曲調で終始、スライドギターというプレイスタイルから、やや、単調な感じを受けたが「すごいなぁ!」と思わせる演奏だったのは間違いない。
聴かせるというより、ノリで弾きまくってますと言う感じ。
現在、スライドギターと言えばデレク・トラックスが思い浮かぶが、トラックスのほうが渋くブルージーな印象。
トークでジョニー・ウインターのことを話していたが、彼なんかと似ているかもしれない。
音もでかかったし…。
ジョニー・ウインターほど、とがった感じはないが…。
なんとなく、ジェフ・ベックのライブを思い出した。

最後のアンコールは今日の出演者が全員登場し演奏。
終了したのは22時10分過ぎぐらい。
内容たっぷりのライブだった。

【出演者】ピーター・バラカン
【出演アーティスト】
濱口祐自 / Sonny Landreth[Sonny Landreth(g)、Brian Brignac(ds)、Charles Wootn(b)] / ZabaDuo[Charles Wootn(b)、Rafa Pereira(pandeiro)]

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