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ソニー・クラーク『クール・ストラッティン』

ソニー・クラーク『クール・ストラッティン』
ソニー・クラーク(Sonny Clark)『クール・ストラッティン』(Cool Struttin')

1958年にリリースされたSonny Clark(ソニー・クラーク)のアルバム『Cool Struttin'』(クール・ストラッティン)は、ブルーノート・レーベルが誇るハード・バップの象徴的作品として語り継がれています[1]。

『クール・ストラッティン』のコンセプトと音楽性

『Cool Struttin'』は1958年1月に録音され、同年8月にリリースされたピアニスト、ソニー・クラークの代表作です。
アルバムのコンセプトは、ハード・バップの王道をいきながらも、クラークが持つ哀愁やリリカルさ、ブルース色が強く反映されている点にあります。
単なる技巧を超えて「感情に訴えるソウルの魅力」が随所に感じられ、硬派でありながら全体にリラックスした雰囲気があります[5]。

音楽的には、ブルーノートの伝統でもあるハード・バップの流れを受け継ぎつつ、クールでありながらブルージーな要素が強調されています。
タイトル曲「Cool Struttin'」は9分超のゆったりしたブルースで、クラークの流麗で自然体なピアノ、そして参加ミュージシャンによるアンサンブルが心地よいグルーヴを生み出しています。
「Blue Minor」はラテン的なフレーズも飛び出し、全体に多彩な表情をみせます[3]。

サウンドの特徴

クラークのピアノは、鮮やかなメロディ運びとクリアなタッチ、そしてブルースに根差した深みが特徴です。
アルト・サックスのジャッキー・マクリーンのやや辛口のトーン、アート・ファーマーのトランペットのメロースタッカート、ポール・チェンバースの筋肉質なベース、フィリー・ジョー・ジョーンズの躍動的かつ散発的なドラムといった各プレイヤーの個性が際立っており、フロントの二管が「酸味と甘味」のように絶妙なバランスで絡み合います[6]。

参加ミュージシャン

  • ソニー・クラーク(Sonny Clark):ピアノ
  • アート・ファーマー(Art Farmer):トランペット
  • ジャッキー・マクリーン(Jackie McLean): アルト・サックス
  • ポール・チェンバース(Paul Chambers): ベース
  • フィリー・ジョー・ジョーンズ(Philly Joe Jones):ドラムス

リズム・セクションはマイルス・デイヴィス・クインテット(Miles Davis Quintet)で活躍したポール・チェンバースとフィリー・ジョー・ジョーンズで固められ、アート・ファーマー、ジャッキー・マクリーンという強力な2管が加わった、当時のオールスター・セッションと呼ぶにふさわしい布陣です[2]。

トラック・リスト

Side 1

  1. クール・ストラッティン(Cool Struttin') - 9:23
  2. ブルー・マイナー(Blue Minor) - 10:19

Side 2

  1. シッピン・アット・ベルズ(Sippin' at Bells) - 8:18
  2. ディープ・ナイト(Deep Night) - 9:34

制作エピソード

録音はニュージャージー、ハッケンサックのルディ・ヴァン・ゲルダー・スタジオで行われました。
このスタジオは数多くの傑作ブルーノート作品が生まれた場所として有名です。
プロデューサーはアルフレッド・ライオンで、クラークはすでにブルーノートで4作目のリーダー作にあたります[1]。

セッションは非常にスムーズかつクリエイティブに進み、タイトル曲や「Blue Minor」はクラークによって書き下ろされましたが、「Sippin’ at Bells」はマイルス・デイヴィスの作、「Deep Night」はスタンダードと、オリジナルとカバーがバランスよく並んでいます[2]。

リリース当時の反響とその後

リリース当時から批評家やジャズファンの間で高く評価され、『ニューヨーク・タイムズ』紙にも「永遠のハードバップ・クラシック」と称されました。
AllMusicでは「そのソウルフルな魅力だけで絶賛に値する」とされ、熱心なジャズリスナーの間ではカルト的ともいえる人気を誇っています[8]。

また、日本を含む世界中で「ジャズ喫茶の定番」「午後のジャズの名盤」として親しまれ、現在では“ブルーノート1500番台の最高峰”とも呼ばれています[1]。

ジャケットデザイン

『クール・ストラッティン』のカバーアートは、リード・マイルズ(Reid Miles)のデザイン、フランシス・ウルフ(Francis Wolff)の撮影によるアルフレッド・ライオンの妻、ルース(Ruth)の脚元およびスティレットヒールがモチーフです。
その挑発的かつ洗練されたビジュアルは、ファッション性と都会的なセンスが融合した、ブルーノート・デザイン史上でも屈指のアイコンとして名高いものとなりました[7]。

この黄色と黒の配色、足元だけの大胆な切り取りは後のジャズアルバムにも大きな影響を与え、現代でも“壁に飾るアート”として評価されることが多いです。

特筆すべきポイント

  • ソニー・クラークの短命(31歳で1963年に逝去)と対照的に、その作品は何十年経っても鮮度と影響力を失わず世界中で愛聴されている[6]。
  • アルバムは「ハードバップの代表作」としてだけでなく、ジャズ・ファッションやカルチャーにも多大なインパクトを与えた[1]。
  • 2014年以降もブルーノートの名盤復刻シリーズで高音質再発が行われており、コレクターズアイテムとしても絶大な人気を誇る[4]。

このように『クール・ストラッティン』は、音楽性のみならず、その歴史的背景やデザイン面でも“ジャズ黄金期”を象徴する不朽の名盤です[3]。

アーティスト:Sonny Clark
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  1. https://www.udiscovermusic.com/stories/sonny-clark-cool-struttin-blue-note-album/
  2. https://en.wikipedia.org/wiki/Cool_Struttin'
  3. https://www.jazzwax.com/2020/04/sonny-clark-cool-struttin.html
  4. https://store.bluenote.com/products/sonny-clark-cool-struttin-lp-blue-note-classic-vinyl-edition
  5. https://www.allaboutjazz.com/sonny-clark-cool-struttin--1958-sonny-clark-by-marc-davis
  6. https://jazzviews.net/sonny-clark-cool-struttin/
  7. https://www.insomniac.com/magazine/visual-cover-01-album-art-in-a-modern-world/
  8. https://note.com/ggtom132021/n/n52bd04f0a7ab
  9. https://www.udiscovermusic.jp/stories/sonny-clark-cool-struttin-blue-note-album
  10. https://recommendedjazz.jazzpianopractice.net/sonny-clark/cool-struttin/
  11. https://diskunion.net/jazz/ct/news/article/1/68445
  12. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3
  13. https://www.youtube.com/watch?v=1Skxu43YJ8s
  14. https://jazzprofiles.blogspot.com/2018/09/cool-struttin-with-sonny-clark.html
  15. https://www.youtube.com/watch?v=2xbTB5ubbQo
  16. https://music.apple.com/jp/album/sonny-clark-cool-struttin/591431256
  17. https://www.youtube.com/watch?v=ECL_ouklWZQ
  18. https://groovenutrecords.net/index.php/products/detail/30470
  19. https://www.theparisreview.org/blog/2011/01/26/sonny-clark-part-ii/
  20. https://www.youtube.com/watch?v=CVnV06dwcpc
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