ポコ『伝説』

1978年発表の『Legend』(邦題:伝説)は、アメリカのカントリーロックバンドPoco(ポコ)による11枚目のスタジオ・アルバムです。
コンセプト・制作背景
本作はバンドにとって重要な転機となった作品で、元々は「Cotton-Young Band」としてリリースされる予定でしたが、レコード会社(ABC Records)の意向で「Poco」の名義が継続されました。当時は中心メンバーの脱退が相次ぎ、バンド解散の危機に直面していたものの、ラスティ・ヤングとポール・コットンの2人が新たなリズムセクション(チャーリー・ハリソン〈ベース〉、スティーブ・チャップマン〈ドラム〉)を加えて新曲を制作し、そこから復活を遂げました[1][2][3]。
音楽性・サウンドの特徴
『Legend』ではPocoが従来のカントリーロック色を脱し、AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)やソフトロック、そしてポップ色の強いサウンドへと大胆に舵を切った点が大きな特徴です。プロデューサーにはリチャード・サンフォード・オルショフ(Richard Sanford Orshoff)を迎え、バンド独特のリッチなハーモニーとメロディアスな楽曲で構成されています。ラスティ・ヤングのスティールギターはやや控えめになり、代わりに滑らかで洗練されたサウンドや心地よいハーモニーが前面に押し出されています。「Crazy Love」や「Heart of the Night」といったヒット曲は、柔らかなメロディと高い親しみやすさで多くの人の心をつかみました[1][3][4][5]。
トラック・リスト
Side 1
- Boomerang - 3:48
- Spellbound - 5:13
- Barbados - 3:31
- Little Darlin’ - 3:47
- Love Comes Love Goes - 3:55
Side 2
- Heart of the Night - 4:49
- Crazy Love - 2:55
- The Last Goodbye - 5:40
- Legend - 4:16
参加ミュージシャン
poco(ポコ)
- ラスティ・ヤング(Rusty Young):スティールギター、リードボーカル(「Crazy Love」など)
- ポール・コットン(Paul Cotton):リードギター、ボーカル(「Heart of the Night」)
- チャーリー・ハリソン(Charlie Harrison):ベース(新加入)
- スティーブ・チャップマン(Steve Chapman):ドラム(新加入)[4]
ゲスト・ミュージシャン
- フィル・ケンジー(Phil Kenzie):アルト・サックス
- トム・スティーブンソン(Tom Stephenson):キーボード
- ジェイ・ウィンディング(Jai Winding):キーボード
- マイケル・ボディッカー(Michael Boddicker):シンセサイザー
- スティーヴ・フォアマン(Steve Forman):パーカッション
- デイヴィッド・キャンベル(David Campbell):ストリングスアレンジ
制作時のエピソード
- 元々は「The Last Roundup」というライブ盤がリリース予定だったが中止され、本作の制作につながりました。
- 「Crazy Love」はバンド最大のヒットとなり、ラスティ・ヤングの人生経験が背景となっており、曲の発表が延期されそうになった際も、メンバーが粘り強くリリースを主張したエピソードがあります[1][8]。
- アルバムジャケットは後に俳優として有名になるフィル・ハートマン(Phil Hartman)がデザインしています。彼は当時グラフィックデザイナーとして様々なアーティストのカバーを手掛けていました[1][2]。

発表時の反響・評価
発表当初、アルバムはビルボード200の下位にとどまりましたが、「Crazy Love」がシングルカットされてから一気にチャートを上昇し、Poco史上初のトップ40ヒットを記録。最終的にはアルバムもゴールドディスク(50万枚以上)認定を受けました。また、ポップ志向への転換については賛否両論あり、伝統的なカントリーロックファンからは批判も受けましたが、バンドにとって商業的には大成功となりました[1][2][5][9]。
特筆すべきこと
- 「Crazy Love」と「Heart of the Night」で、ラスティ・ヤングとポール・コットンそれぞれのソングライティングが開花。
- 本作がなければPocoは解散していた可能性も高く、バンド史の生き残りをかけた重要作でした[8]。
- アメリカンAORや後年のポップ・カントリー・ロックへの潮流に、Pocoらしい影響力を与えた歴史的作品と評されています[4][10]。
全体として『Legend』はPocoの転換点を象徴し、バンドの「伝説」と呼ばれるにふさわしい、新時代の幕開けとなった傑作です。
- https://en.wikipedia.org/wiki/Legend_(Poco_album)
- https://www.sessiondays.com/2019/01/1978-poco-legend/
- https://note.com/krichards/n/n572f73a7cad4
- https://alancackett.com/poco-indian-summer-legend
- https://blueelan.com/blogs/kirks-corner/kirks-corner-legend-poco-album-review
- https://www.discogs.com/ja/release/12558172-Poco-Legend
- https://www.discogs.com/release/5094901-Poco-Legend
- http://www.rivetingriffs.com/Rusty%20Young%20Poco%20Interview.html
- https://study.com/academy/lesson/poco-members-discography.html
- https://blueelan.com/blogs/news/new-re-issue-of-the-iconic-poco-album-legacy
- https://y240.exblog.jp/24043776/
- https://www.discogs.com/master/100619-Poco-Legend
- https://www.discogs.com/release/2131477-Poco-Legend
- https://forums.stevehoffman.tv/threads/why-did-it-take-me-35-years-to-discover-poco-legend.330758/page-2
- https://propermusic.com/products/poco-legendindiansummer
- https://en.wikipedia.org/wiki/Under_the_Gun_(Poco_album)
- https://ameblo.jp/natsumikei/entry-12669170874.html
- https://en.wikipedia.org/wiki/Poco_(band)
- https://sawdustandgin.com/2022/06/27/poco-legend/
- https://open.spotify.com/artist/0fyqyjD7pbaVzbu94ylWQR



