アメリカ『アメリカ・ライヴ』

バンド「America」の1977年発表のアルバム『Live』は、彼らの転機となったライブ・アルバムであり、音楽性やグループの歴史を象徴する作品です[1]。
『アメリカ・ライヴ』のコンセプトと時代背景
『Live』はAmericaにとって初の公式ライブ・アルバムで、1977年7月14日にロサンゼルスの名門ギリシャ劇場で収録されました。
このアルバムは、メンバーのダン・ピークが脱退し、デューイ・バネルとジェリー・ベックリーのデュオ体制となった直後に制作されたため、バンドの新しい一歩と再出発の意味合いが強い作品です。
制作を担当したのは、ビートルズのプロデューサーとして名高いジョージ・マーティンであり、彼が手掛けたアメリカ作品として5作目となります[2]。
音楽性とサウンドの特徴
このライブ盤では、Americaの代表的なヒット曲「A Horse with No Name」「Ventura Highway」「Sister Golden Hair」など、幅広いレパートリーが披露されています。
サウンドは典型的なフォークロック/アコースティックロックでありながら、ライブならではの臨場感とエネルギーに満ちています。ダン・ピーク脱退に伴い、従来の三重ハーモニーは失われましたが、バックバンドの分厚いサポートによりアンサンブルが強化され、ライブ演奏ならではの躍動感が追加されています。
特に「Tin Man」のイントロや「Muskrat Love」などは、客席の歓声やバンドの一体感が感じられる構成となっています[3]。
制作エピソード
アルバム制作において印象的なのは、ジョージ・マーティンによるオーケストラアレンジへのこだわりと、ダン・ピークが去った穴を埋めるためのバンドメンバーの積極的な起用です。
ギリシャ劇場で収録されたステージには、パーカッションのトム・ウォルシュ(Tom Walsh)、キーボードとサックスのジム・カリール(Jim Calire)などのサポートミュージシャンが参加し、エルマー・バーンスタイン指揮のオーケストラが加わったことで「A Horse with No Name」も重厚な仕上がりとなっています[6]。
参加ミュージシャンとスタッフ
- デューイ・バネル(Dewey Bunnell):ボーカル、ギター
- ジェリー・ベックリー(Gerry Beckley):ボーカル、ギター、キーボード
- ジム・カリール(Jim Calire):キーボード、サックス
- トム・ウォルシュ(Tom Walsh):パーカッション
- デヴィッド・ディッキー(David Dickey):ベース
- ジョージ・マーティン(George Martin):プロデューサー[1]

トラック・リスト
Side 1
- 魔法のロボット(Tin Man) - 3:38
- マスクラット・ラヴ(Muskrat Love) - 3:07
- 僕には君が必要(I Need You) - 2:41
- オールド・マン・トゥック(Old Man Took) - 3:29
- ひなぎくのジェーン(Daisy Jane) - 3:04
- 仲間(Company) - 3:21
- ハリウッド(Hollywood) - 3:51
Side B
- サージャント・ダークネス(Sergeant Darkness) - 2:56
- 琥珀の滝(Amber Cascades) - 2:47
- トゥ・イーチ・ヒズ・オウン(To Each His Own) - 3:16
- アナザー・トライ(Another Try) - 2:59
- ヴェンチュラ・ハイウェイ(Ventura Highway) - 3:28
- 金色の髪の少女(Sister Golden Hair) - 3:26
- 名前のない馬(A Horse with No Name) - 4:18
発表後の反響と評価
『Live』は商業的に成功したとは言えず、Billboard 200チャートでも最高位127位と低迷しました。
シングルのリリースもなく、批評家からも三重ハーモニーの喪失を惜しむ声が上がりました。
「Americaはもはや昔のバンドではなくなってしまった」という意見や、バックバンドで埋め合わせはできないといった批判もありました。
しかし、ファンの間ではライブパフォーマンスにおけるエネルギーや、ヒット曲の数々が再評価され続けています。[2]
特筆すべきポイントや文化的意義
- デュオ体制後初の全米規模の公式ライブ盤であり、バンドのターニングポイントを象徴する記録となった[4]。
- ジョージ・マーティンによるプロデュースが、アコースティックとオーケストラの融合という新たなサウンドを生み出した[2]。
- Americaにとって「Live」は、脱退したダン・ピークへの哀しみと新たな音楽的挑戦の記念碑と言えます[3]。
1977年のアメリカ『Live』は、音楽ファンがバンドの活動史の重要な転換点を体感できる歴史的ライブ盤です[1]。
- https://en.wikipedia.org/wiki/America_Live_(album)
- https://www.rhino.com/article/live-from-your-speakers-america-america-live
- https://dereksmusicblog.com/2015/09/30/america-the-warner-bros-years-1971-1977/
- https://www.accessbackstage.com/america/history1.htm
- https://www.allmusic.com/album/america-live-mw0000065707
- https://www.accessbackstage.com/america/tourbk77.htm
- https://en.wikipedia.org/wiki/America_(band)
- https://kittenvintagemackay.com.au/products/america-live-1977-vintage-vinyl-lp
- https://ontherecords.net/2019/07/america-70s-band-is-back/
- https://rockcellarmagazine.com/america-live-from-the-hollywood-bowl-1975-album-listen-stream-buy/



