801(エイト・オー・ワン)『ライブ』

『801 ライヴ』 (801 Live) は、イングランドのロック・バンドである801が、1976年に発表したライヴ・アルバムです[1]。
『801 LIVE』のコンセプトと背景
1976年、ロキシー・ミュージックのギタリスト、フィル・マンザネラが中心となり、ブライアン・イーノ、ビル・マッコーミック、フランシス・モンクマン、サイモン・フィリップス、ロイド・ワトソンという当時の英国ロック・シーンを代表するミュージシャンが集結し、わずか3回だけのライブ・プロジェクト「801」を結成しました[1][2][3]。
このアルバム『801 LIVE』は、その最終公演であるロンドンのクイーン・エリザベス・ホールでの録音を収めたもので、即興性やライブならではのエネルギーと、各メンバーの高い演奏技術が融合した特別な記録です。
801(エイト・オー・ワンもしくはエイト・ゼロ・ワン)の名は、イーノの楽曲「The True Wheel」の歌詞「We are the 801, we are the central shaft」から取られています[2]。
音楽性・サウンドの特徴
ジャンルとスタイル
- プログレッシブ・ロック、アート・ロック、エクスペリメンタル・ロックの要素が色濃く反映されています[3]。
- フィル・マンザネラのソロ作『Diamond Head』、イーノのソロ作、Quiet Sunの楽曲、さらにはビートルズ「Tomorrow Never Knows」、キンクス「You Really Got Me」といった大胆なカバーも披露[1][4]。
サウンドの革新性
- 当時としては画期的だった「ダイレクト・インジェクション(DI)方式」を採用。ボーカルやギター、キーボードなどの信号を直接ミキシング・デスクに送り、従来のマイク録音よりも格段にクリアでスタジオ録音に近い音質を実現しました[1][3]。
- サイモン・フィリップスのドラムはジャズの自由さとロックの力強さを兼ね備え、イーノのシンセやエフェクトが空間的な広がりを演出。マンザネラのギターはメロディアスかつ攻撃的で、バンド全体のサウンドを牽引しました[4][5]。
ライブならではの魅力
- 楽曲ごとに即興的なアレンジや、メンバー同士の相互作用が光り、スタジオ作品とは異なる生々しさと一体感が感じられます。
- 観客の熱気や拍手も巧みにミックスされ、ライブ・アルバムでありながらスタジオ録音のような完成度を持ちます[4][5]。
参加ミュージシャン
| 名前 | 担当 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| フィル・マンザネラ(Phil Manzanera) | ギター | Roxy Music, Quiet Sun |
| ブライアン・イーノ(Brian Eno) | キーボード、シンセ、Vo | Roxy Music, ソロ, プロデューサー |
| ビル・マコーミック(Bill MacCormick) | ベース、Vo | Quiet Sun, Matching Mole |
| フランシス・モンクマン(Francis Monkman) | フェンダー・ローズ、クラビ | Curved Air |
| サイモン・フィリップス(Simon Phillips) | ドラム | 後にToto, Mike Oldfield等 |
| ロイド・ワトソン(Lloyd Watson) | スライドギター、Vo | ソロ、Roxy Musicサポート |
- プロディース:801
- エンジニア:レット・デイヴィス(Rhett Davies)
制作時のエピソード
- 801はロキシー・ミュージックの活動休止期間中、マンザネラの発案で結成され、リハーサルは公演の約3週間前から始まりました[1][2]。
- ライブは3回のみ(ノーフォーク、レディング・フェスティバル、ロンドン)で、そのうち最後のロンドン公演が『801 LIVE』として録音・発売されました[1][2][3]。
- 録音技術の革新により、ライブ・アルバムとしては異例の高音質を実現。多くの評論家が「スタジオ作品と見紛うクオリティ」と絶賛しました[1][3][6]。
トラック・リスト
Side 1
- ラグリマ - Lagrima(2:34)
- TNK(トゥモロー・ネバー・ノウズ) - TNK (Tomorrow Never Knows)(6:14)
- イースト・オヴ・アステロイド - East of Asteroid」(4:58)
- ロングロング - Rongwrong(5:10)
- サンバーレプティル - Sombre Reptiles(3:14)
Side 2
- ベイビーズ・オン・ファイヤー - Baby's on Fire(5:02)
- ダイヤモンド・ヘッド - Diamond Head(6:21)
- ミス・シャピロ - Miss Shapiro(4:20)
- ユー・リアリー・ガット・ミー - You Really Got Me(3:23)
- サード・アンクル - Third Uncle(5:14)
発表時の反響
- 発売当時はパンク・ロック全盛期であり、商業的には大ヒットとはならなかったものの、オーストラリアをはじめ世界中でカルト的な人気を獲得[1][3]。
- オーストラリアではラジオ局Double Jayの強力なプロモーションもあり、輸入盤として異例の売上を記録、後に現地リリースも実現[1][3]。
- 英米の音楽誌や評論家からは「ライブ・アルバムの新基準」「即興性と完成度の両立」「メンバーの超絶技巧」といった高い評価を受けました[4][6]。
- NME、Rolling Stone、Melody Makerなどの有力誌も絶賛し、「ライブ・アルバムの例外的傑作」と評されました[6]。

特筆すべきこと
- 801『LIVE』は、ライブ・アルバム制作の技術革新と、英国ロックの実力派ミュージシャンたちによる奇跡的なコラボレーションの記録として、今なお高く評価されています[1][3]。
- その後、メンバーの多忙やプロジェクト性ゆえに801は短命に終わりましたが、同作はプログレッシブ・ロックやアート・ロックの歴史に残る名盤として語り継がれています[3][4]。
- 2006年にはリマスター&未発表音源を加えたコレクターズ・エディションもリリースされ、再評価が進んでいます[1]。
このアルバムは、ライブ・アルバムの常識を覆す音質と、ジャンルを超えた創造性、そして一度きりの奇跡的なアンサンブルが詰まった、英国ロック史の金字塔です。
- https://en.wikipedia.org/wiki/801_Live
- https://en-academic.com/dic.nsf/enwiki/1831853
- https://en.wikipedia.org/wiki/801_(band)
- https://bigtakeover.com/recordings/801-801-live-collector-s-edition-801-live-hull-801-manchester-801-latino-expression
- http://music.hyperreal.org/artists/brian_eno/interviews/801-76.html
- https://web.archive.org/web/20070927204827/http:/www.manzanera.com/shopmaster/EXP16CD.htm
- https://www.discogs.com/ja/release/8223136-801-801-Live
- https://ja.wikipedia.org/wiki/801_%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B4
- https://www.progarchives.com/album.asp?id=5304
- https://ontherecord.co/2024/02/12/801-801-live/
- https://www.allmusic.com/album/801-live-mw0000189892
- https://pastdaily.com/2021/02/22/phil-manzanera-801-in-session-1977-past-daily-soundbooth/
- https://music.youtube.com/browse/MPREb_zLYCOB5mVEb
- https://www.dadrock101.com/2021/09/801.html
- https://www.progarchives.com/artist.asp?id=1026
- https://note.com/quick_roses8387/n/n1337abb9e90d
- https://www.sputnikmusic.com/review/85124/801-801-Live/
- https://www.psychedelicbabymag.com/2011/05/bill-maccormick-interview-about-quie.html
- https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2010/09/810-live-0aa4.html
- https://www.hhv.de/en-HU/records/item/801-801-live-1123284



