ジョン・ルイス『グランド・エンカウンター』

『Grand Encounter (2° East / 3° West)』(グランド・エンカウンター)は、1956年にPacific Jazzからリリースされたジョン・ルイス(John Lewis)のリーダー作です。
『グランド・エンカウンター』のコンセプトと制作背景
本作のサブタイトル「2° East / 3° West」が示す通り、東海岸と西海岸の音楽家たちが一堂に会した「東西邂逅」が大きなテーマです。
このアルバムは、東海岸(ジョン・ルイス、パーシー・ヒース)と西海岸(ビル・パーキンス、ジム・ホール、チコ・ハミルトン)のミュージシャンが初めて一堂に会した稀有なセッションであり、当時のジャズ界における地域ごとの違いや、それらを融合させる実験的な試みが込められています[1][4]。
このプロジェクトは、Modern Jazz Quartet(MJQ)のメンバーであるルイスとヒースが西海岸ツアー中、プロデューサーのディック・ボック(Dick Bock)によって急遽企画されました。
ボックは、地元のテナー奏者ビル・パーキンス、ギタリストのジム・ホール、ドラマーのチコ・ハミルトンを加え、1956年2月10日、ハリウッドのMusic Box Theater(現 Fonda Theater)でわずか1日で録音されました[4]。
音楽性とサウンドの特徴
『グランド・エンカウンター』の音楽性は、ルイスの古典的・ヨーロピアンな感性と、西海岸クール・ジャズの洗練された響きが融合した「極上のクール・ジャズ」と評されます[1][4]。
ルイスは、バロックやクラシックの構造美と、ジャズの即興性を両立させる「Third Stream」の先駆者であり、このアルバムでも「編曲と即興のバランス」が徹底されています[3][4]。
サウンド面では、ルイスのピアノが全体をコントロールし、パーキンスのテナーサックスはレスター・ヤング風の柔らかく叙情的なトーンで、ギターのホールはクラシック的な端正さとジャズ的な柔軟性を併せ持ちます。
ベースのヒースとドラムのハミルトンが、控えめながらも確かなグルーヴを支えています[1][5]。
全体的に「静謐で知的」「上品で落ち着いた雰囲気」が支配的ですが、所々にスイングやブルースの要素も散りばめられています[4][5]。
特に「Almost Like Being in Love」では、全員の一体感とリズムの躍動感が際立ちます[4]。
参加ミュージシャン
- John Lewis(ジョン・ルイス):piano - MJQのリーダー、クラシックとジャズの融合を追求した作曲家/アレンジャー[1][3]。
- Bill Perkins(ビル・パーキンス):tenor sax - ウディ・ハーマン、スタン・ケントン楽団出身の西海岸ジャズの代表的テナー奏者[1][4]。
- Jim Hall(ジム・ホール):guitar - クラシック的技法とジャズの即興性を併せ持つギタリスト[1][4]。
- Percy Heath(パーシー・ヒース):bass - MJQのベーシスト、フィラデルフィア出身[1][4]。
- Chico Hamilton(チコ・ハミルトン):drums - ジェリー・マリガン等と共演した西海岸クール・ジャズの名ドラマー[1][4]。
発表時の反響
『グランド・エンカウンター』は、当時アメリカ国内のジャズファンや評論家から「クール・ジャズの極致」「東西融合の名作」と高く評価されました[1][4]。
Allmusicのスコット・ヤノウは「This classic session is the ultimate in cool jazz」と絶賛しています[1]。
ただし、一部の批評家やリスナーからは「ややエネルギー不足」「まとまりすぎていて冒険心に欠ける」との指摘もありました[4]。
それでも、ルイスの「間合い」とパーキンスの「叙情的なテナー」、ホールの「優美なギター」が織りなす独特の世界観は、今なお多くのファンに愛されています[5]。
ジャケットデザイン
『グランド・エンカウンター』のジャケットは、草の上に横たわる女性が19世紀のハーマン・メルヴィル(Herman Melville)の小説『The Confidence Man(詐欺師)』を傍らに置くという、文学的でエレガントなデザインが特徴です[4]。
このジャケットは、アルバムの「静謐で知的な雰囲気」を象徴しており、複数のリイシュー盤でも採用されています[2][4]。

特筆すべきこと
- 東西海岸の歴史的邂逅:東海岸と西海岸の代表的なミュージシャンが初めて一堂に会した、ジャズ史に残るセッション[1][4]。
- ルイスのアレンジ力:クラシック的な構成とジャズの即興性が絶妙に融合した、ルイスのアレンジ手腕が光る[3][4]。
- メンバーの個性:パーキンスのテナー、ホールのギター、ハミルトンのドラム、ヒースのベース、いずれも「控えめながらも確かな存在感」を発揮[1][5]。
- 今なお色褪せない名盤:発売から70年近く経った今も「クール・ジャズの金字塔」として多くのリスナーに愛され続けている[1][5]。
まとめ
『グランド・エンカウンター』は、ジョン・ルイスが東海岸と西海岸の音楽家たちを一堂に集め、クラシックとジャズの融合を追求した歴史的名盤です。
その知的で静謐なサウンド、エレガントなジャケット、そして今なお色褪せない音楽性は、ジャズ史に残る「邂逅の記録」として高く評価されています[1][4][5]。
Citations:
- https://en.wikipedia.org/wiki/Grand_Encounter
- https://www.discogs.com/release/2297277-John-Lewis-Grand-Encounter-2-East-3-West
- https://en.wikipedia.org/wiki/John_Lewis_(pianist)
- https://www.youtube.com/watch?v=7IAENRY0LBA
- https://www.jazzdangi.com/john-lewis/
- https://voxmusicweb.com/products/john-lewis-grand-encounter-pj-1217
- https://jazzresearch.com/grand-encounter-the-alternate-takes/
- https://www.discrepancy-records.com.au/john-lewis-2-bill-perkins-percy-heath-chico-hamilton-jim-hall-grand-encounter-2-east-3-west-vinyl-lp-WZ-3239870030
- https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245404631
- https://www.organissimo.org/forum/topic/9503-aotw-april-19-24-grand-encounter-by-john-lewis/
- https://www.dustygroove.com/item/566503/John-Lewis-The-Modern-Jazz-Quartet:Four-Classic-Albums-Plus-Modern-Jazz-Sextet-No-Sun-In-Venice-Grand-Encounter-At-The-Opera-House-Concert-Of-Contemporary-Music?cat=all&pricemax=9&alpha=e&sort_order=artist&page=18
- https://akaru-records.com/jazz/john-lewis-grand-encounter/
- https://www.dustygroove.com/item/78577/John-Lewis-Bill-Perkins-Others:Grand-Encounter-2-Degrees-East-3-Degrees-West
- https://open.spotify.com/intl-it/track/6ueL5xEIgPA3K6Ba2WYVCY
- https://www.waxpend.com/items/17008?page=66
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- https://ellarecords.jp/products/20241018-onl-y0011468
- https://www.allmusic.com/album/grand-encounter-2-degrees-east-3-degrees-west-mw0000194407
- https://bamboo-music.net/?pid=178631313
- https://music.apple.com/tr/album/grand-encounter-remastered/733380230
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- https://www.discogs.com/release/25693891-John-Lewis-2-Bill-Perkins-Percy-Heath-Chico-Hamilton-Jim-Hall-Grand-Encounter-2-East-3-West
- https://music.apple.com/th/album/grand-encounter/422650163
- http://jazzwestcoastresearch.blogspot.com/2013/01/grand-encounter-alternate-takes-james-a.html
- https://www.discogs.com/release/4138442-John-Lewis-2-Percy-Heath-Bill-Perkins-Chico-Hamilton-Jim-Hall-Grand-Encounter-2-East-3-West
- https://www.audiosoundmusic.com/products/john-lewis-grand-encounter-2-east-3-west
- https://jazzcd.jp/recommend/west_coast_jazz/john_lewis-grand_encounter
- https://www.discogs.com/release/19855447-John-Lewis-2-Percy-Heath-Bill-Perkins-Chico-Hamilton-Jim-Hall-Grand-Encounter-2-East-3-West
- https://recordsurplus.stores.jp/items/55d4ffb8bfe24c29890019ff
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- https://www.catfish-records.jp/product/9670
- https://www.discogs.com/release/4518670-John-Lewis-2-Bill-Perkins-Percy-Heath-Chico-Hamilton-Jim-Hall-Grand-Encounter-2-East-3-West
- https://www.discogs.com/master/178700-John-Lewis-2-Percy-Heath-Bill-Perkins-Chico-Hamilton-Jim-Hall-Grand-Encounter-2-East-3-West
- https://ticro.com/products/j00003856
- https://elusivedisc.com/john-lewis-grand-encounter-180g-lp/
- https://music.apple.com/jp/album/grand-encounter/422650163
- https://musicbrainz.org/release-group/d714510c-bf94-43bd-89e4-efdf0fb2e73d
- https://www.albumartexchange.com/covers/287283-grand-encounter-2-east-3-west?q=John+Lewis&fltr=ARTISTCOMPOSER
- https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2024/02/post-35a065.html
- https://en.wikipedia.org/wiki/Grand_Encounter
- https://www.waxpend.com/items/4777?page=9


