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ウェザー・リポート『ナイト・パッセージ』

ウェザー・リポート『ナイト・パッセージ』
ウェザー・リポート(Weather Report)『ナイト・パッセージ』(Night Passage)

1980年にリリースされたWeather Report(ウェザー・リポート)の『Night Passage』(ナイト・パッセージ)は、バンドの第9作目となるスタジオ・アルバムであり、従来の過剰なスタジオプロダクションを抑え、即興性とジャズ本来のアプローチに回帰した作品として高く評価されています[1]。

『ナイト・パッセージ』のコンセプトと音楽性

本作は、1979〜80年のツアーで培われたライブバンドとしての一体感をそのままスタジオに持ち込むことを狙っています。
収録曲の多くはロサンゼルスのThe Complex Studiosで約250名の観客の前で録音され、「Madagascar」は大阪フェスティバルホールでのライブ録音が使用されています。
従来のウェザー・リポートの複雑な多重録音や過剰なオーバーダビングを抑え、メンバー間の即興演奏やインタープレイを重視したサウンド構築がなされています[2]。

サウンドの特徴

『Night Passage』のサウンドは、前作『Mr. Gone』に見られた分厚いプロダクションとは対照的です。
スパース(引き算的)でよりダイレクト、ジャズ・トラディションに根差した生演奏のテンションが炸裂しています。
ジャコ・パストリアスのフレットレスベースを中心に、ジョー・ザヴィヌルのシンセサイザーと、ウェイン・ショーターのサックスが主導。
ピーター・アースキンのドラムと新加入のロバート・トーマス・ジュニアのハンドパーカッションによる緊密なリズム隊が、バンドに新鮮なエネルギーとグルーヴ感を提供しています[5]。

曲構成は、シンプルなブルースから複雑なメロディの跳躍、予測不能な展開まで幅広く、即興と構築が拮抗する独特の緊張感に満ちています[7]。

制作時のエピソード

ドラマー、ピーター・アースキンによれば、録音時はスタジオに観客を迎えることが意図されており、バンドが観客の前で演奏することで生き生きとしたエネルギーが引き出されているそうです。
表題曲「Night Passage」では、テイクが複数の演奏から編集され、テンポが推移する理由もその現場感から生じています[3]。

「Madagascar」は大阪でのライブ録音。ライブならではの熱気が音源にも刻まれているのも本作の特徴の一つです[1]。

参加ミュージシャン

  • ジョー・ザヴィヌル(Joe Zawinul):キーボード、シンセサイザー
  • ウェイン・ショーター(Wayne Shorter):サクソフォン
  • ジャコ・パストリアス(Jaco Pastorius):ベース(フレットレス)
  • ピーター・アースキン(Peter Erskine):ドラムス
  • ロバート・トーマス・ジュニア(Robert Thomas Jr.):パーカッション[5]

このラインナップはウェザー・リポートの中でも最高の評価を受ける布陣で、本作はジャコ・パストリアス在籍期の最後期にあたります。

トラック・リスト

Side 1

  1. ナイト・パッセージ(Night Passage) - 6:33
  2. ドリーム・クロック(Dream Clock) - 6:29
  3. ポート・オブ・エントリー(Port of Entry) - 5:10
  4. フォーローン(Forlorn) - 3:53

Side 2

  1. ロッキン・イン・リズム(Rockin' in Rhythm) - 3:03
  2. ファースト・シティ(Fast City) - 6:21
  3. スリー・ヴューズ・オブ・ア・シークレット(Three Views of A Secret) - 5:55
  4. マダガスカル(Madagascar) - 10:57 ※大阪フェスティバルホールでのライブ

発表時の反響

『Night Passage』はグラミー賞(Best Jazz Fusion Performance, Vocal or Instrumental)にノミネートされ、評論家にも高い評価を受けました。
AllMusicのRichard S. Ginellは「ウェザー・リポートの中でも最もストレートアヘッドなアルバム」「生々しい即興性が復活した」と評し、Jazz JournalのMark Gilbertは「リッチな内容と想像力、情熱に満ちた傑作」と絶賛。
High Fidelity誌のDon Heckmanは「これまでで最高のアルバム」と評しました[6]。

Melody Maker誌では、「陰影とムードが実に豊かで、アルバムの構造を徐々に解き明かすように層を重ねていく緻密な作品」と評価されました[2]。

特筆すべきこと

  • 「Three Views of a Secret」はジャコ・パストリアスの名曲で、その後自身のソロアルバム『Word of Mouth』でも再録されます[3]。
  • ロバート・トーマス・ジュニアの加入により、パーカッション面でバンドサウンドに新たな方向性がもたらされた[1]。
  • スタジオ録音ながら、ライブ感あふれる録音手法により、バンドの真の姿が捉えられている作品[2]。
  • ウェザー・リポートの創造的最盛期を記録した重要作で、後のジャズ・フュージョン作品に大きな影響を残しています[8]。

このアルバムはウェザー・リポートのファンやジャズ・フュージョンの愛好者にとって、バンドの本質を味わえる歴史的作品です。

アーティスト:ウェザー・リポート
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  1. https://en.wikipedia.org/wiki/Night_Passage_(album)
  2. https://www.weatherreportdiscography.org/night-passage/
  3. https://coreyspins.com/jazz/weather-report-night-passage/
  4. https://www.youtube.com/watch?v=rUyr6sfJ8UA
  5. https://rvm.pm/weather-report-night-passage/
  6. https://jazzjournal.co.uk/2021/03/30/jj-03-81-weather-report-night-passage/
  7. http://jazz-rock-fusion-guitar.blogspot.com/2022/08/weather-report-1980-1992-night-passage.html
  8. https://www.duttonvocalion.co.uk/proddetail.php?prod=CDSML8541&review=all
  9. https://www.progarchives.com/album.asp?id=8014
  10. https://www.allmusic.com/album/night-passage-mw0000188806
  11. https://armchairmaestro.com/2017/09/04/packaging-perspective-night-passage-by-weather-report/
  12. https://jacofan.info/archives/4320
  13. https://kubo.sakuraweb.com/wp/archives/5699
  14. https://note.com/hisashitoshima/n/nfb8a57d796ec
  15. https://music.apple.com/jp/album/night-passage/516411445
  16. http://www.bekkoame.ne.jp/~echika/wayne/ws800.html
  17. https://music.apple.com/jp/album/night-passage/202223613
  18. https://note.com/tatsuyasato/n/n3988b8e16807
  19. https://en.wikipedia.org/wiki/Weather_Report
  20. https://avntr.net/8003.html
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