ティモシー・B・シュミット『プレイン・イット・クール』

『Playin' It Cool』(プレイン・イット・クール)は、イーグルスやポコのベーシスト/ヴォーカリストとして知られるTimothy B. Schmit(ティモシー・B・シュミット)が、1984年に発表した初のソロ・アルバムです。
『Playin' It Cool』(プレイン・イット・クール)のコンセプト
イーグルス解散後、彼自身の音楽的アイデンティティを模索する中で制作され、カリフォルニアらしい爽やかな空気感と、当時のAORやウェストコースト・ロックの流れを汲んだ作品となっています[1][4]。
シュミット自身は、後年のインタビューで「アルバム制作に際して明確なコンセプトや設計図があったわけではなく、その時々でインスピレーションを得た楽曲を積み重ねていった」と語っています。つまり、自然発生的かつオーガニックな創作姿勢が根底にあり、これがアルバム全体の統一感や柔らかさにつながっています[3]。
音楽性・サウンドの特徴
本作の音楽性は、イーグルス時代のサザン・カリフォルニア・サウンドやAOR、ポップ・ロックを基調としつつも、1980年代中盤らしいシンセサイザーやエレクトロニック・ドラム(例:Roland TR-808やSimmonsスネア)などの導入により、当時のトレンドも感じさせます[1][4]。
- メロディアスで親しみやすい楽曲が多く、シュミットの柔らかなハイトーン・ヴォーカルが全編にわたりフィーチャーされています。
- ギターやキーボードのアンサンブルは控えめながらも洗練されており、イーグルス時代の楽曲を思わせる温かみのあるサウンドが特徴です。
- 「So Much in Love」のようなオールディーズ風のカバーや、「Playin' It Cool」「Something’s Wrong」などのオリジナル楽曲では、ゲスト・ギタリストによるソロやコーラス・ワークも聴きどころです[1][4]。
AllMusicのレビューでは「80年代中盤のグロッシーなプロダクションとは異なり、やや時代遅れに聴こえる部分もあるが、イーグルス時代のシュミットの楽曲を彷彿とさせる」と評価されています[1]。
参加ミュージシャン
本作の大きな魅力は、豪華なゲスト陣の参加です。イーグルスの盟友をはじめ、ウェストコースト・ロック界隈の名手が多数集結しています。
- ドン・ヘンリー(イーグルス):ドラム、パーカッション、コーラス
- ジョー・ウォルシュ(イーグルス):ギター
- J.D.サウザー:コーラス
- カール・ウィルソン(ビーチ・ボーイズ):コーラス
- スティーヴ・ルカサー(TOTO):ギター
- ジェフ・ポーカロ(TOTO):ドラム
- リタ・クーリッジ:コーラス
- その他:ヴィンス・メラメッド(キーボード)、ジョシュ・レオ(ギター/プロデューサー)、マイケル・アトリー(オルガン)、ボブ・グラウブ(ベース)など[1][4][5]
このように、イーグルスやTOTO、ビーチ・ボーイズなど、当時のアメリカン・ロック/AORシーンを代表する面々が集結し、サウンドに厚みと多彩さを加えています。

制作時のエピソード
『Playin' It Cool』は、シュミット自身とジョシュ・レオが中心となってプロデュースされました。制作は数年にわたり断続的に進められたとされ、イーグルス解散後のシュミットの新たなスタートを象徴する作品となっています[1]。
また、「So Much in Love」はオールディーズのカバーで、シングルとしてもリリースされ、アダルト・コンテンポラリー・チャートで27位、Billboard Hot 100で59位を記録しました[1]。
発表時の反響
商業的には大ヒットとはならなかったものの、アメリカのBillboard Top LPsチャートで160位を記録し、シングル「So Much in Love」は一定の成功を収めました[1]。
批評面では、「イーグルスのソロ作品としては悪くないが、最高傑作とは言い難い」とする声もありましたが、シュミットの温かみのある歌声や、豪華なゲスト陣による演奏が評価されています[1]。
特筆すべきこと
- イーグルス解散後のソロ第一作として、シュミットの音楽的ルーツや人脈が色濃く反映されたアルバムである点。
- ウェストコースト・ロックやAORの名手が多数参加し、80年代中盤のカリフォルニア・サウンドの集大成的な作品となっていること。
- 時代の空気を反映したサウンドと、イーグルス時代の温かみが共存している点。
- 「So Much in Love」のヒットや、イーグルスのファンにとっては貴重なソロ・ワークとしての価値。
まとめ
『Playin' It Cool』は、ティモシー・B・シュミットのソロ・アーティストとしての第一歩を記録したアルバムであり、イーグルスやウェストコースト・ロックのファンにとっては、彼の音楽的個性や人脈、80年代の音楽的潮流を味わえる一枚です。大ヒット作ではないものの、時代と人の温もりが詰まった作品として、今なお再評価されています[1][4][5]。
Citations:
- https://en.wikipedia.org/wiki/Playin'_It_Cool
- https://en.wikipedia.org/wiki/Timothy_B._Schmit
- https://renownedforsound.com/interview-timothy-b-schmit/
- https://www.sessiondays.com/2015/02/1984-timothy-b-schmit-playin-it-cool/
- http://eaglesfans.squarespace.com/timothy-b-schmit-discography/
- https://bestclassicbands.com/timothy-b-schmit-interview-5-17-17/
- https://en.wikipedia.org/wiki/Timothy_B
- https://rockcellarmagazine.com/timothy-b-schmit-interview-leap-of-faith-album-eagles-poco/
- https://vmatsuwa.cocolog-nifty.com/rockkids/2024/01/post-9741aa.html
- https://music.apple.com/jp/album/playin-it-cool/335636764?l=en
- https://pocketmags.com/us/magazine-articles/timothy-b-schmit-from-the-inside
- https://www.allmusic.com/album/playin-it-cool-mw0000223928
- https://open.spotify.com/album/78MYE6N6PfoZDoikNBdjP9
- https://www.goldradio.com/artists/eagles/timothy-b-schmit-age-songs-wife/
- https://wmg.jp/timothybschmit/discography/17256/
- https://www.discogs.com/release/3124520-Timothy-B-Schmit-Playin-It-Cool
- https://popdose.com/you-again-timothy-b-schmit-expando/
- https://music.apple.com/jp/artist/%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%A2%E3%82%B7%E3%83%BC-b-%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%88/827504
- https://ultimateclassicrock.com/timothy-b-schmit-day-by-day-roots/
- https://en.wikipedia.org/wiki/Timothy_B._Schmit
- http://blog.livedoor.jp/larry4/archives/6335483.html
- https://www.timothybschmitonline.com/funfacts.htm
- https://forums.stevehoffman.tv/threads/new-timothy-b-schmit-album-day-by-day.1138843/page-2
- https://www.yahoo.com/entertainment/timothy-b-schmidt-becoming-bassist-120400717.html
- https://www.discogs.com/master/370996-Timothy-B-Schmit-Playin-It-Cool
- http://timothybschmitfans.com/guitarist.html
- https://www.discogs.com/ja/master/370996-Timothy-B-Schmit-Playin-It-Cool
- https://www.discogs.com/ja/release/3124520-Timothy-B-Schmit-Playin-It-Cool
- https://tower.jp/item/918615
- https://www.discogs.com/release/3969671-Timothy-B-Schmit-Playin-It-Cool
- https://ultimateclassicrock.com/timothy-b-schmit-day-by-day-interview/
- https://www.youtube.com/watch?v=TtAVtMt5YxU


