マイケル・フランクス『愛のオブジェ』

『Objects of Desire』(邦題:愛のオブジェ)は、1982年にリリースされたMichael Franks(マイケル・フランクス)の7作目のスタジオ・アルバムです。
『Objects of Desire』(愛のオブジェ)のコンセプト
前作の『One Bad Habit』(邦題:N.Y.ストーリー)の流れを汲みつつ、よりロマンティックで内省的な世界観を追求した作品です。
フランクス自身がプロデュースにも深く関わり、彼のパーソナルな音楽的ステートメントが色濃く反映されています。
本作は、南国タヒチへの憧れや異国情緒、恋愛の機微といったテーマが随所に散りばめられており、特に「Tahitian Moon」などでその傾向が顕著です[1][2][3]。
音楽性・サウンドの特徴
- ジャンルとサウンド
ジャズを基調としながら、AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)、スムースジャズ、ソウル、ボサノヴァなど多彩な要素を融合。フランクス特有の柔らかなヴォーカルと、洒脱で知的な歌詞が特徴です[2][4][5]。 - アレンジとプロダクション
アルバム全体がデジタル録音・ミキシングされており、当時としては非常にクリアかつ洗練されたサウンドクオリティを実現しています[2][6]。ストリングスやブラスのアレンジも豊かで、都会的なムードと南国的な温かみが共存しています。 - 楽曲例
- 「Jealousy」:ヒット曲で、軽快なグルーヴとキャッチーなメロディが印象的。
- 「Tahitian Moon」:タヒチの情景を描写し、エキゾチックな雰囲気を醸し出す。
- 「Love Duet」:デヴィッド・サンボーンのアルトサックスとRenee Diggsのデュエットが光るロマンティックなナンバー[3][7]。
制作時のエピソード
『Objects of Desire』は、マイケル・フランクスが初めてタヒチを訪れた経験が大きなインスピレーション源となっています。アルバム制作はニューヨークのMinot Soundで行われ、デジタル・マスタリングによる高音質が追求されました[2][6]。また、前作までプロデューサーを務めていたトミー・リピューマ(Tommy LiPuma)が離れ、フランクス自身やマイケル・コリーナ(Michael Colina)、レイ・バルダニ(Ray Bardani)らがプロデュースを担当したことで、よりパーソナルで自由な音作りが可能となりました[5]。
参加ミュージシャン
豪華なセッション・ミュージシャンが多数参加し、フュージョン/ジャズ界の名手たちが彩りを加えています。
| ミュージシャン | 担当パート・特徴 |
|---|---|
| マイケル・フランクス(Michael Franks) | ボーカル、リズムアレンジ |
| ボニー・レイット(Bonnie Raitt) | ボーカル、バックボーカル(2曲目) |
| デイヴィッド・サンボーン(David Sanborn) | アルトサックスソロ(6, 8曲目) |
| マイケル・ブレッカー(Michael Brecker) | テナーサックス(1, 4, 7曲目) |
| ランディ・ブレッカー(Randy Brecker) | トランペット、フリューゲルホルン |
| ラリー・カールトン(Larry Carlton) | エレクトリックギターソロ(3曲目) |
| スティーヴ・カーン(Steve Khan) | クラシックギター(9曲目) |
| ヒュー・マクラッケン(Hugh McCracken) | エレクトリックギター(8曲目) |
| ルーサー・ヴァンドロス(Luther Vandross) | バックボーカル(7曲目) |
| マーク・イーガン(Mark Egan)、ニール・ジェイソン(Neil Jason)、フランシスコ・センテノ(Francisco Centeno) | ベース |
| ハーヴィー・メイソン(Harvey Mason)、アンディ・ニューマーク(Andy Newmark)、バディ・ウィリアムス(Buddy Williams) | ドラムス |
| ロブ・マウンジー(Rob Mounsey)、マイケル・コリーナ(Michael Colina)、テッド・ロー(Ted Lo) | キーボード、アレンジ |
| ルーベンス・バッシーニ(Rubens Bassini)、ヴィクター・フェルドマン (Victor Feldman) | パーカッション |
| 他にもルー・ソロフ(Lew Soloff)、ジル・ジャフィー(Jill Jaffee)など[5][8][9] |
発表時の反響
- 批評家の評価
洗練されたアレンジと都会的なサウンド、詩的な歌詞が高く評価され、フランクスの代表作の一つとみなされています。特に「Jealousy」はヒットし、アルバム全体もジャズ・フュージョン愛好家から根強い支持を獲得しました[2][10]。 - リスナーの反応
ロマンティックでリラックスした雰囲気が「週末のコンフォート・ミュージック」として親しまれ、今なお多くのファンに愛されています[11]。
ジャケットデザイン
- 特徴と意図
ジャケットにはポール・ゴーギャンの名画「二人のタヒチの女(Two Tahitian Women)」が使用されています。アートディレクションはサイモン・レヴィ(Simon Levy)が担当し、フランクスの楽曲にしばしば登場する“異国情緒”や“南国の夢”を視覚的に表現しています[1][3][9]。 - デザインの意義
ゴーギャンの絵画を大胆に採用したことで、音楽と美術のコラボレーションが実現し、アルバムの世界観をより強く印象付けています。これはフランクスが以降も続ける“アートと音楽の融合”の先駆けとなりました[1][3][7]。

特筆すべきこと
- ジャンル横断的な魅力
ジャズ、AOR、ソウル、ボサノヴァなど多様なジャンルを自然に融合させるフランクスの音楽性は、本作でさらに深化。ジャズ・フュージョンの名手たちの参加もあり、音楽的完成度が非常に高い[2][4][5]。 - デジタル録音の先駆け
1980年代初頭としては珍しいデジタル・ミキシング/マスタリングを導入し、音質面でも画期的な作品となりました[6]。 - アートと音楽の融合
ゴーギャンの絵画をジャケットに用いたことで、音楽と美術の融合という新たな価値観を提示。後の作品にもこの路線が引き継がれています[1][3][7]。
『Objects of Desire』は、マイケル・フランクスの音楽的成熟と美意識が結晶したアルバムであり、今なお色褪せない名作です。





- https://le0pard13.com/2018/06/04/best-album-covers-objects-of-desire/
- https://gonzomusic.fr/michael-franks-objects-of-desire.html
- https://www.psaudio.com/blogs/copper/some-old-jazz-guy-exploring-michael-franks-part-two?srsltid=AfmBOor1BzDEwoEN7xIirk3f4FR1KxBhzpDtwWTU4yAHEN7NWcgQ_Rcc
- https://www.discogs.com/release/15856245-Michael-Franks-Objects-Of-Desire
- https://www.barnesandnoble.com/w/objects-of-desire-michael-franks/64187
- https://www.discogs.com/release/6975231-Michael-Franks-Objects-Of-Desire
- https://www.psaudio.com/blogs/copper/some-old-jazz-guy-exploring-michael-franks-part-two
- https://www.youtube.com/watch?v=UXHzr0Ec4Fs
- https://www.discogs.com/ja/release/7773317-Michael-Franks-Objects-Of-Desire
- https://www.allmusic.com/album/objects-of-desire-mw0000651390
- https://www.jazzdogs.bar/entry/michael-franks-objects-of-desire-no-3150
- https://en.wikipedia.org/wiki/Objects_of_Desire
- https://www.imdb.com/title/tt0308666/fullcredits/
- https://www.discogs.com/release/10345896-Michael-Franks-Objects-Of-Desire
- https://www.goodreads.com/en/book/show/1367662.Objects_of_Desire
- https://www.youtube.com/watch?v=KMK6jvr_IjU
- https://ameblo.jp/sawada1187/entry-12782928346.html
- https://albumartexchange.com/covers/87315-objects-of-desire
- https://shop.parlour-fam.com/products/0000162
- https://www.soundhouse.co.jp/en/contents/column/index?post=3288


