SHARE:

ライ・クーダー『ジャズ』

ライ・クーダー『ジャズ』
ライ・クーダー(Ry Cooder)『Jazz』(ジャズ)

Ry Cooder(ライ・クーダー)のアルバム『Jazz』(ジャズ)は、1978年に発表された彼の6枚目のスタジオ・アルバムであり、彼のキャリアの中で初めて意識的に「コンセプト・アルバム」として制作された作品です。
このアルバムは、アメリカのジャズの初期、1920年代から1930年代の伝統的なジャズやラグタイム、ヴォードヴィルの音楽に焦点を当てており、ライ・クーダー自身が「ジャズの周縁にある音楽」を掘り起こし、現代的なアレンジで再構築しています[1]。

『Jazz』のコンセプトと音楽性

『Jazz』のコンセプトは、アメリカのジャズ史の中でも忘れられがちな「周縁の音楽」に光を当てることにあります。
クーダーは、ビックス・バイダーベック(Bix Beiderbecke)やジェリー・ロール・モートン(Jelly Roll Morton)といった初期ジャズの巨匠たちの作品を、現代の耳に合うようにアレンジしています。
アルバム全体を通して、彼の独特なスライド・ギターが中心となり、伝統的なジャズ・バンドの音色と融合しています。
特に、ジョセフ・バードによるアレンジは、クーダーのこれまでの作品よりも洗練され、オーケストレーションが豊かになっています[2]。

サウンドの特徴

アルバムのサウンドは、クラシックなジャズの雰囲気を保ちつつも、クーダーならではの「アメリカン・ルーツ音楽」の味わいが加えられています。
トランペット、トロンボーン、アルトサックス、チューバといった楽器が多彩に使われ、特にチューバのリズムが印象的です。
また、パウル・ホワイトマン風のヴォーカル・クォーテットや、カーディフ・インクスポッツなどの伝統的声楽グループのメンバーも参加しており、当時の音楽シーンを忠実に再現しています[3]。

制作エピソードと参加ミュージシャン

制作には、ジョセフ・バードがプロデューサー兼アレンジャーとして参加し、クーダー自身もプロデュースを担当しています。
参加ミュージシャンには、マリオ・グアルネリ(コルネット)、ランディ・アルドクロフト(トロンボーン)、ハーヴェイ・ピテル(アルトサックス、クラリネット)、パット・リッツォ(アルトサックス)など、ジャズ・シーンの名手たちが名を連ねています。
また、バハマ出身のギタリスト、ジョセフ・スペンスの影響も強く、彼のリズム感や宗教的ヒムズがアルバムに独特の味わいをもたらしています[4]。

参加ミュージシャン

  • ライ・クーダー(Ry Cooder):ギター(all songs)、ボーカル(A1、B4、B5)、ティプレ(A3)、マンドリン(A3)、ハープ(A3)、プロデュース
  • マーク・スティーヴンス(Mark Stevens):ドラムス(A1、A2、A4、A5、B4、B6)
  • デヴィッド・リンドレー(David Lindley): マンドバンジョー(A2)、マンドリン(A5、B6)
  • チャック・ドマニコ(Chuck Domanico):ベース(A4)
  • トム・ペドリーニ(Tom Pedrini): ベース(B1、B3)
  • チャック・バーグホーファー(Chuck Berghofer):ベース(B4)
  • アール・ハインズ(Earl Hines):ピアノ(A4)
  • ジョン・ロドビー(John Rodby):ピアノ(A1、B4)
  • トム・コリア(Tom Collier):マリンバ(A4)、ヴィブラフォン(B1、B3、B4)
  • バーバラ・スターキー(Barbara Starkey):パンプ・オルガン(A2、A5、B6)
  • ハーヴェイ・ピッテル(Harvey Pittel):アルト・サクソフォーン(A1、B1、B3)、クラリネット(B4)
  • ステュアート・ブロットマン(Stuart Brotman) - ツィンバロム(A2、A5、B6)
  • マリオ・ガルネリ(Mario Guarneri):コルネット(A1)
  • オスカー・ブラッシャー(Oscar Brashear):コルネット(A2、A5、B6)
  • ランディ・アルドクロフト(Randy Aldcroft):トロンボーン(A1)
  • ジョージ・ボハノン(George Bohanon):バリトン・ホルン(A2)、トロンボーン(A5、B6)
  • レッド・カレンダー(Red Callender):チューバ(A2、A5、B6)
  • デイビッド・シェア(David Sherr):バスクラリネット(B1、B3、B4)、クラリネット(B4)
  • パット・リッツォ(Pat Rizzo):アルト・サクソフォーン(A1)
  • ビル・フッド(Bill Hood):バス・サクソフォーン(A1)
  • ビル・ジョンソン(Bill Johnson):バックグラウンド・ボーカル(B4、B5)
  • ウィリー・シュワルツ(Willie Schwartz):クラリネット(B4)
  • ジミー・アダムス(Jimmy Adams):バックグラウンド・ボーカル(B4、B5)
  • クリフ・ギヴンス(Cliff Givens):バックグラウンド・ボーカル(B4、B5)
  • サイモン・ピコ・ペイン(SimPico Payne):バックグラウンド・ボーカル(B4、B5)
  • ジョセフ・バード( Joseph Byrd) - アレンジ、指揮、プロデュース

トラック・リスト

Side 1

  1. ビッグ・バッド・ビル・イズ・スウィート・ウィリアム・ナウ(Big Bad Bill Is Sweet William Now) - 3:37
  2. 顔を見合わせて(Face to Face That I Shall Meet Him) - 3:21
  3. ザ・パールズ/ティア・ホァナ(The Pearls/Tia Juana) - 4:21
  4. 夢(The Dream) - 5:06
  5. ハッピー・ミーティング・イン・グローリー(Happy Meeting in Glory) - 3:16

Side 2

  1. インナ・ミスト(In a Mist) - 2:09
  2. きらめき(Flashes) - 2:19
  3. ダヴェンポート・ブルース(Davenport Blues) - 2:05
  4. シャイン(Shine) - 3:45
  5. ノーバディ(Nobody) - 5:12
  6. いつか幸せが(We Shall Be Happy) - 3:15

発表時の反響と特筆すべき点

アルバムは発売当時、ジャズ・ファンや音楽評論家から「精密な演奏」と「歴史的な価値」を高く評価されました。
特に、ジョセフ・スペンスの紹介や、知られざるジャズ・フィギュアの発掘が注目されました。
また、音響的にも「ホット・スタンパー」と呼ばれる高音質プレスが存在し、オーディオ・マニアにも人気があります。
アルバムは、単なるレトロな再現ではなく、伝統と現代の融合を示す作品として、ライ・クーダーの音楽性を深く理解する上で特筆すべき1枚です[5]。

このように、『Jazz』はライ・クーダーの音楽的探求心と歴史的視点が凝縮された、アメリカ音楽史を彩る重要なアルバムと言えるでしょう[2]。

ライ・クーダーの1978年リリースのアルバム『Jazz』は、アメリカの伝統音楽とジャズの歴史に深く根ざした作品です。
このアルバムは、クーダーの音楽的探求心と卓越した演奏技術を示す重要な作品として評価されています。

レコードシティ 楽天市場店
¥1,185(2026/02/18 13:11時点 | 楽天市場調べ)

Citations:
[1] https://www.justfortherecord.co.nz/albums/ry-cooder-jazz-3/
[2] http://www.rylanders.free-online.co.uk/RySite/RyPages/Jazz.html
[3] https://en.wikipedia.org/wiki/Jazz_(Ry_Cooder_album)
[4] https://www.audiosoundmusic.com/products/ry-cooder-jazz
[5] https://ontherecord.co/2024/08/03/ry-cooder-jazz/

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ