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ヴァン・ヘイレン『炎の導火線』

ヴァン・ヘイレン『炎の導火線』
ヴァン・ヘイレン(Van Halen)『炎の導火線』(Van Halen)

Van Halen(ヴァン・ヘイレン)のデビュー・アルバム『Van Halen』(邦題:炎の導火線)は、1978年にリリースされ、ハードロック史における決定的瞬間として位置づけられています。
本作はギタリスト、エディ・ヴァン・ヘイレンの爆発的な創意によって、ロック・ギターの常識を塗り替え、後の世代に絶大な影響を与えました[1]。

『炎の導火線』のコンセプトと背景

1976年、KISSのジーン・シモンズはロサンゼルスでヴァン・ヘイレンを見いだし、デモを制作したが契約には至りませんでした。
その後、マネージャーのマーシャル・バーレとワーナー・ブラザースのテッド・テンプルマンがバンドをサインし、1977年にハリウッドのサンセット・サウンド・レコーダーズでレコーディングが行われました。
制作期間はわずか3週間、総コストは4万ドル。
ほとんどがライブ一発録りに近い形で収録され、エネルギーの生々しさをそのまま残しました[2]。

音楽性とサウンドの特徴

エディ・ヴァン・ヘイレンのギターは革新的で、独自の「タッピング」奏法を披露した「Eruption」はギター史を変えたと言われます。
この1分42秒のインストゥルメンタルをアルバムの2曲目に置く配置自体が異例であり、彼らの挑戦的な精神を象徴しています。
彼のサウンドはエフェクトを多用しながらも、ワイルドで明瞭なトーンを保ち、後に“Brown Sound”と呼ばれる伝説的音色を確立しました。
エディ自身がカスタムした「フランケンシュタイン(Frankenstrat)」ギターを使用し、マーシャルのヘッドを2基並行駆動して作り上げたとされる[3]。

アルバム全体のサウンドは、ブラック・サバス(Black Sabbath)の重量感とリック・ジェームス(Rick James)のファンクを融合させたような独自性を持ち、パワフルでありながら軽快さも併せ持ちます。
リズム・セクションのアレックス・ヴァン・ヘイレン(ドラム)とマイケル・アンソニー(ベース)は、グルーヴと爆発力を兼ね備え、デイヴィッド・リー・ロスの陽気で挑発的なヴォーカルと完璧なバランスをなしています[6]。

参加ミュージシャン

  • エディ・ヴァン・ヘイレン(Eddie Van Halen):ギター、バッキング・ボーカル
  • デイヴィッド・リー・ロス(David Lee Roth):リード・ボーカル
  • マイケル・アンソニー(Michael Anthony):ベース、バッキング・ボーカル
  • アレックス・ヴァン・ヘイレン(Alex Van Halen):ドラムス

この4人編成が生み出すサウンドは、後のロック界に多大な影響を与えました。

トラック・リストと構成

Side 1

  1. 悪魔のハイウェイ(Runnin' with the Devil) - 3:35
  2. 暗闇の爆撃(Eruption) - 1:42
  3. ユー・リアリー・ガット・ミー(You Really Got Me) - 2:38(The Kinks cover)
  4. 叶わぬ賭け(Ain't Talkin' 'bout Love) - 3:50
  5. アイム・ザ・ワン(I'm the One) - 3:46

Side 2

  1. ジェイミーの涙(Jamie's Cryin') - 3:29
  2. アトミック・パンク(Atomic Punk) - 3:03
  3. おまえは最高(Feel Your Love Tonight) - 3:42
  4. リトル・ドリーマー(Little Dreamer) - 3:23
  5. アイス・クリーム・マン(Ice Cream Man) - 3:19(John Brim cover)
  6. 炎の叫び(On Fire) - 2:57

アルバムは「Runnin' with the Devil」「Eruption」「You Really Got Me」「Ain’t Talkin’ ’bout Love」「Jamie’s Cryin’」といった名曲を含み、全11曲が35分というタイトな構成。
オープニング曲「Runnin’ with the Devil」は鐘の音とベースのモチーフで始まり、バンドの存在感を強烈に印象づけています。
The Kinksのカバー「You Really Got Me」は、原曲よりも攻撃的でセクシーなアレンジとなり、初のシングルとして全米36位を記録しました[1]。

制作エピソード

録音時、バンドはセットリストのように曲を通して演奏し、スタジオをライブのような空間に変えていたといわれています。
プロデューサーのテッド・テンプルマン(Ted Templeman)は最低限のオーバーダビングで臨場感を維持する方針を採用しました。
「Ain’t Talkin’ ’bout Love」にはわずかにエレクトリック・シタールを重ね、幻想的な深みを与えています。
また、アルバム写真はロサンゼルスのナイト・クラブ「Whisky a Go Go」で撮影され、当時のクラブ・シーンから世界へ飛び出す瞬間を象徴している[2]。

発表時の反響と評価

1978年2月のリリース直後は批評家の評価が割れました。
「Rolling Stone」は当初否定的で「数年後には自己満足的になるだろう」と書いたが、時間とともに再評価が進み、後年には“AllMusic”、“Classic Rock”、“Q”など多くのメディアが名作として取り上げました。
商業的には全米Billboard 200で19位、米国内だけで1000万枚を超えるセールスを記録し、RIAAによりダイアモンド認定を受けました。
2020年には「Rolling Stone誌の史上最高のアルバム500」に選出されています[1]。

特筆すべき点と影響

エディが抱えるギターは、「フランケンシュタイン」(Frankenstrat)という愛称で有名な改造、ストラトキャスター。当時は白地に黒ストライプで、ツアー後に赤を加え現在のアイコニックなルックスになった。
『Van Halen』は、ロスのグラムシーンから生まれたバンドを世界的存在に押し上げ、L.A.メタル/ハードロックムーブメントの礎を築きました。
エディの革新的ギター奏法は次世代のギタリスト(スティーヴ・ヴァイ、ジョー・サトリアーニなど)に決定的影響を与え、デイヴィッド・リー・ロスの flamboyant なパフォーマンスは、1980年代MTV時代のロックスター像を予兆するものでした。
わずか35分間でロックの未来を刷新したこのアルバムは、時代を越えて今なお“デビュー作の金字塔”として語り継がれています[7]。

  1. https://en.wikipedia.org/wiki/Van_Halen_(album)
  2. https://www.vhnd.com/2021/02/10/van-halens-debut-album-released-on-this-day-in-1978/
  3. https://www.abandonedalbums.com/p/a-look-back-van-halen-van-halen-1978-fdb2c40872d6
  4. https://vintageking.com/blog/van-halen/
  5. http://wwwc.dcns.ne.jp/~epi/english.html
  6. https://www.reddit.com/r/vanhalen/comments/z9al6d/my_review_of_van_halens_debut_album/
  7. https://www.facebook.com/groups/DoYouRememberThe90sand00sFanClub/posts/7995151383897051/
  8. https://loudwire.com/van-halens-debut-a-look-back-at-the-album-that-changed-l-a/
  9. https://www.life.com/arts-entertainment/van-halen-the-life-the-music-the-joy/
  10. https://musikholics.com/van-halen-the-history-and-making-of-their-debut-album/
  11. https://www.loudersound.com/features/van-halen-debut-album-guide
  12. https://2loud2oldmusic.com/2017/09/11/the-debut-van-halen-van-halen/
  13. https://www.facebook.com/groups/139634569939476/posts/1742694199633497/
  14. https://ultimateclassicrock.com/van-halens-debut-track-by-track/
  15. https://www.facebook.com/groups/139634569939476/posts/1315413242361597/
  16. https://www.vhnd.com/van-halen-i/
  17. https://forums.stevehoffman.tv/threads/album-appreciation-van-halen-van-halen-1978.1229363/
  18. https://en.wikipedia.org/wiki/Van_Halen_II
  19. https://www.vhnd.com/2025/02/23/van-halens-debut-if-it-was-recorded-in-1940/
  20. https://www.reddit.com/r/agedlikemilk/comments/1ditjvw/this_review_of_van_halens_self_titled_debut_from/
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