クリストファー・クロス(Christopher Cross)の『南から来た男(Christopher Cross)』です。
夏になれると聴きたくなる音楽があります。
ボビー・コールドウェル、セシリオ&カポノ、ボブ・マーリー、ビーチボーイズ、山下達郎、etc。
このアルバムもそうした、夏にピッタリのというか、まぁ、定番ですね。
夏といっても、ハワイじゃなくフロリダの夏。
フラミンゴがジャケットに描かれているせいでしょうか?
ボビー・コールドウェルあたりもフロリダといった感じですね。
セシリオ&カポノやカラパナあたりはハワイ。
ビーチ・ボーイズやネッド・ドヒニーはウェストコースト。
最近、この手のAORはヨットロックとかいって、揶揄するような風潮もあるようです。
発表は1979年。
彼のデビューアルバムです。
当時、自分は高校生。
ラジオで最初にシングルカットされた「風立ちぬ」を聞いたときは、初めて聞く名前の新人なのに、すごくカッコイイなと。
彗星のごとく現れた、という慣用句がぴったりの登場の仕方で、あっという間にヒット。
タイトなリズムとドラマチックな構成で緊張感があり、こりゃ、買いだなと、すぐ、レコード屋さんに行ってアルバムを購入しました。
当時はクリストファー・クロス自身の写真がメディアに載らず、どんな人物が歌っているのか一切わからず覆面ミュージシャンのような風もありました。
記憶が正しければ、彼の姿がメディアに載ったのは、相当、時間を経てからじゃなかったかな…。
当時はその歌声と容姿とのギャップも話題になりました。
今なら、ちょっと問題ですねぇ。
高校生の頃は、ヒットした「風立ちぬ」と「セイリング」ぐらいしか、ちゃんと聞きませんでしたが、ここ数年は、この2曲以外もなかなかいいなぁと通しで聴いています。
楽曲にほどよい緊張感と切れがあり、いずれも爽やか。
そして、参加ミュージシャンがイイんですよね。
新人のアルバムには、もったいないメンツばかり。
例えば
1曲目、「セイ・ユール・ビー・マイン」のバックグラウンド・ボーカルはニコレット・ラーソン、ギターソロはジェイ・グレイドン。
2曲目、「愛はまぼろし」のバックグラウンド・ボーカルはマイケル・マクドナルド、ギターソロはラリー・カールトン。
3曲目、「スピニング」のバックグラウンド・ボーカルはヴァレリー・カーター。
4曲目、「もう二度と」のギターソロはジェイ・グレイドン。
7曲目、「ライト・イズ・オン」のバックグラウンド・ボーカルはドン・ヘンリーとJ.D.サウザー、ギターソロはラリー・カールトン。
9曲目、「ジゴロの芸人」のギターソロはエリック・ジョンソン。
ギターに関しては各々の個性がとてもよく感じられるプレイで、聴かせどころがちゃんとあるのがうれしい。
こんな、豪華なメンバーを集められたのはプロデューサーのマイケル・オマーティアンがよかったのだと思います。
トラックリスト
- セイ・ユール・ビー・マイン(Say You'll Be Mine) - 2:53
- 愛はまぼろし(I Really Don't Know Anymore) - 3:49
- スピニング(Spinning) - 3:59
- もう二度と(Never Be the Same) - 4:40
- 哀れなシャーリー(Poor Shirley) - 4:20
- 風立ちぬ(Ride Like the Wind) - 4:30
- ライト・イズ・オン(The Light Is On) - 4:07
- セイリング(Sailing) - 4:14
- ジゴロの芸人(Minstrel Gigolo) - 6:00