ブルース・コバーン(Bruce Cockburn)の『雪の世界(High Winds White Sky)』です。
リリースは1971年。
個人的には「雪の世界」というタイトルより、原題の「ハイ・ウインズ・ホワイト・スカイ」のほうが、しっくりきます。
アコースティックギターがフューチャーされた名盤としても知られています。
ジャケットの写真が物語るように、なんとも冬らしい静かなたたずまいのアルバムです。
やはり、冬になると聴きたくなる。
それも1月や2月じゃなく11月終わりから12月ぐらいに。
ブルース・コバーンはカナダのシンガーソングライター。
全曲、アコースティックギターがフューチャーされ冬の清冽さを感じさせる抒情的な作品です。
アコースティックギターやピアノだけで、電子楽器はもとよりドラムやベースも入っていない。
メロディアスなギターの旋律と素朴な歌声は、一人、喧騒から離れ自然の中にいるような、つかの間の孤独の愉楽を与えてくれます。
カナダはニール・ヤングやジョニ・ミッチェルをはじめアコースティックギターの似合うシンガーソングライターを多く輩出している。
しかし、ブルース・コバーンには彼らほどの濃い個性は感じられない。
どちらかといえば、ジェームス・テイラーやポール・サイモンと同じテイスト。
まぁ、全編を通じて優しさが感じられる無印良品といったところでしょうか?
ものの本によるとECMという澄んだ音で知られるキレイ系のジャズレーベルから誘われたこともあったのだとか。
地味だけど良作です。
今年も冬の始まりに一回は聴くことになるだろう。
トラックリスト
- Happy Good Morning Blues - 2:39
- Let Us Go Laughing - 5:20
- Love Song - 2:26
- One Day I Walk - 3:06
- Golden Serpent Blues - 3:33
- High Winds White Sky - 3:01
- You Point to the Sky - 2:56
- Life's Mistress - 3:24
- Ting/the Cauldron - 6:30
- Shining Mountain - 5:14
パーソネル
- ブルース・コバーン(Bruce Cockburn) - guitars and dulcimer
- ユージーン・マーティネック(Eugene Martynec) - guitar
- エリック・ナッグラー(Eric Nagler) - mandolin-banjo and mandolin
- マイケル・クレイドン(Michael Craydon) - marimba, tables, tree bell, boobams, Pygmy Rhythm Log
- ジョン・ワイヤ(John Wyre) - cymbals, gongs, salad bowls