ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の『スティッキー・フィンガーズ(Sticky Fingers)』です。
リリースは1971年。
英国盤においては9枚目、米国盤においては10枚目にあたるオリジナルアルバムとなる。
そして、亡くなったブライアン・ジョーンズの代わりに加入したミック・テイラーがすべての楽曲に関わった最初の作品。
彼らの新レーベル「ローリング・ストーンズ・レコード」の第一作でもあります。
初めて、このジャケットを見たときは「オオッ」と、ちょっとした感動を覚えました。
といっても、もう、30年以上も昔のことですが…。
ジャケットに描かれたジーンズのビジュアルにはホンモノのジッパーが取り付けてあります。
ちなみに日本盤のジッパーはYKKのものです。
このジッパーの凸凹のせいで、レコードの詰まった棚に入れられないのはちょっと困りもの。
ジャケットのアートワークは当時、ミック・ジャガーと交友のあった現代美術の巨匠、アンディ・ウォーホル。
楽曲は全体的にバラエティに富んだ佳曲揃い。
ブルース色は濃いけど、そんなにブルース、ブルースしている感じはない。
収録されている「Brown Sugar」、「Wild Horses」はストーンズを代表する名曲。
そのため、ライブでは必ずといっていいほど演奏される。
これら2曲と、5曲目の「You Gotta Move」は「アラバマ州のアビーロード」ともいわれるアメリカのマッスル・ショールズ・サウンドという有名なスタジオで録音された。
4曲目の「Can't You Hear Me Knocking」はストーンズらしからぬサイケな感じでミック・テイラーのギターソロが続く作品。
なんか、ドアーズっぽい。
5曲目の「You Gotta Move」はスライドギターバリバリで、いかにもミシシッピーブルースという風情。
原曲はフレッド・マクドウェル。
7曲目の「アイ・ガット・ザ・ブルース」はどこかで耳にしたことがあるのでは?
ビリープレストンのハモンドギターが効いている。
8曲目の「Sister Morphine」にはライ・クーダーがスライドギターで参加。
いかにもライ・クーダーらしい音色。
トラックリスト
- ブラウン・シュガー(Brown Sugar) - 3:50
- スウェイ(Sway) - 3:51
- ワイルド・ホース(Wild Horses) - 5:42
- キャン・ユー・ヒア・ミー・ノッキング(Can't You Hear Me Knocking) - 7:15
- ユー・ガッタ・ムーブ(You Gotta Move[Fred McDowell/Rev. Gary Davis]) - 2:32
- ビッチ(Bitch) - 3:36
- アイ・ガット・ザ・ブルース(I Got the Blues) - 3:53
- シスター・モーフィン(Sister Morphine[Jagger/Richard/Marianne Faithfull]) - 5:31
- デッド・フラワーズ(Dead Flowers) - 4:03
- ムーンライト・マイル(Moonlight Mile) - 5:56
パーソネル
ローリング・ストーンズ
- ミック・ジャガー - リードボーカル(全トラック)、バッキングボーカル(2-5、9)、アコースティックギター(9、10)、カスタネット (1)、マラカス (1)、パーカッション(3)、エレキギター(2)
- キース・リチャーズ - エレキギター(1、3–7、9)、アコースティックギター(1、3、5、8、9 )、バッキングボーカル(2–7、9)
- ビル・ワイマン - ベース(5を除くすべて)、エレクトリックピアノ (5)
- チャーリー・ワッツ - ドラムス(すべてのトラック)
- ミック・テイラー - エレキギター(1、2、4–7、9、10)、アコースティックギター(3)
ゲストミュージシャン
- イアン・スチュワート - ピアノ(1、9)
- ニッキー・ホプキンス - ピアノ(2、4)
- ジム・ディッキンソン - ピアノ(3)
- ジャック・ニッチェ - ピアノ(8)
- ビリー・プレストン - オルガン(4、7)
- ボビー・キーズ - サックス(1、4、6、7)
- ライ・クーダー - エレキギター(8)
- ジム・プライス - トランペット、ピアノ(7,10)
- ジミー・ミラー - パーカッション(4)
- ロッキー・ディジョン - コンガ(4)
- ポール・バックマスター - ストリングス編曲(2、10)