キップ・ハンラハン『ビューティフル・スカーズ』を聴く。
キップ・ハンラハン(KIP HANRAHAN)の『ビューティフル・スカーズ(BEAUTIFUL SCARS)』
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キップ・ハンラハン(KIP HANRAHAN)の『ビューティフル・スカーズ(BEAUTIFUL SCARS)』です。
このアーティストの名前、アルファベットで書かれたものを初めて見たときはなんて読めばいいのか分かりませんでした。
BEAUTIFUL SCARS、日本語にすれば「美しい傷」ですかね…。
アルパチーノの主演で「スカーフェイス(Scarface)」という映画もありました。
これは、傷のある顔のことを言うのですね。

濃密で妖艶で重い漆黒の闇がまとわりつくような音楽です。
どう考えたって夜しか聴けません。
とても土曜日の朝や日曜の昼下がりに聴けるようなシロモノではありません。
ジャズとラテンが融合したような音楽ですが、ゲッツ・ジルベルトのようなわかりやすいものではありません。
「ジャズとラテンが融合したような」なんていうとやっぱり違う訳で、敢えて無国籍といった方が、よいのかも…。

一曲一曲の構成は複雑です。
複雑というのもいろいろありますが様式化された複雑さではなくフリージャズ的な複雑さです。
かといって、決して聴く
「なんか、めちゃくちゃ高度でレベルの高いことをやっているのではなかろうか…?」などと思わせます。
これにはまりながら聴いていると自分の音楽観がいきなりレベルの高いところに一気に押し上げられたような感覚を受けます。
アヴァンギャルドだけど耳障りが良い。
なんか癖になるような音楽です。
万人受けするとは思いませんが、まちがいなくカッコイイです。
ちなみにキップ・ハンラハンはニューヨーク出身のプロデューサーで、あのアストル・ピアソラの名盤『タンゴ・ゼロ・アワー』のプロデュースしました。

トラックリスト

  1. Busses From Heaven (Hanrahan, Swallow, Hernandez)
  2. Real Time and Beautiful Scars (Hanrahan, Ross, Nocentelli)
  3. The Girl That Won’t Resolve (Hanrahan)
  4. Caravaggio / A Quick Balance (Swallow, Hanrahan)
  5. Night Cumbia (Hanrahan, Swallow)
  6. One Summer Afternoon (for Gil Evans) (Swallow, Hanrhahan, Ross)
  7. Xiomarra Wears the Heat Beautifully (Hanrahan, Swallow)
  8. Paris Through Tears (Swallow, Hanrahan)
  9. Montana (Hanrahan, Cardona, Jackson)
  10. Leijia On the Way to Brooklyn (Hanrahan)
  11. Milton Cardona (Hanrahan)
  12. Salt in the Mozambique Evening (Glasgow, for Jack Bruce) (Hanrahan,Prieto)
  13. Rumba of Cities (Hanrahan, Martinez)
  14. Accounting in the Morning (Swallow, Hanrahan)
  15. Winterscape With I.M.F. (Hanrahan)
  16. City of Gold (Palestine Blues) (Bruce, Hanrahan)

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