AC/DC BLACK ICE JAPAN TOURをさいたまスーパー・アリーナで観る
さいたまスーパー・アリーナで『AC/DC BLACK ICE JAPAN TOUR』のライブを観る。
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満員のさいたまスーパー・アリーナ
満員のさいたまスーパー・アリーナ

「満を持して」という慣用句がピッタリのAC/DC、9年ぶりの来日です。
ツアータイトルは昨年発売されたニューアルバムにちなんだ『BLACK ICE TOUR』。
このバンド、海外での人気と比べると日本ではいまひとつ盛り上がりにかける気がしますがローリング・ストーズやマイケル・ジャクソン級のアーティストであることは間違いありません。
彼らの『BACK IN BLACK』というアルバムはマイケル・ジャクソンの『スリラー』に次ぐ、世界で2番目に売れているアルバムなのです。
その音楽は、いわゆるハードロックとかへヴィーメタルといわれるジャンルの音楽ですが、やたらうるさくて早く弾くだけといったたぐいのものではありません。
アンガス・ヤングというフロントのギタリストが紡ぐシンプルでノリのよいリフを生かした骨太でソリッドなサウンドが特徴です。
よく「ロックはリフだ」といいますが、このことをもっとも体現しているようなバンドです。
人によってはどの曲も同じに聴こえるとか、ワンパターンというような人もいますがそういう人はうっちゃっておきましょう。

アンガス! アンガス!

ピカピカと赤く光る「悪魔の角」:『AC/DC BLACK ICE JAPAN TOUR』
ピカピカと赤く光る「悪魔の角」

チケットをもつ友人との待ち合わせのため会場に到着したのは開演のちょうど1時間前。
夕暮れの大宮は薄曇り。
冷たい風が吹いています。
さいたま新都心駅からスーパー・アリーナへ続くコンコースは、ライブに向かう人たちであふれています。
AC/DCのトレードマークである赤い角を模したピカピカと赤く光る「悪魔の角」を頭につけた人たちも結構います。
総じて平均年齢は高い感じですが「あんた、AC/DC聴いたことあんの?」といった風の20代のアベックなんかも目につきます。
中にはベルベット地の半ズボンにハンチングをかぶったアンガス・ヤングもどきも3人ほど見かけました。
既にグッズ売り場は長蛇の列。
とっても興味はあったのですが50メートルを越す列を並ぶまでの根性は持ち得ませんでした。

会場に入るときにアレッと思ったのは、いつもの持ち物チェックがありません。
例のカメラやレコーダーを持っていないかのチェックです。
後日、知ったところではコンパクトデジカメなら客席からの撮影はOKだったようです。
結局、携帯でやや遠慮気味には撮りましたが、こんなことなら堂々とデジカメで撮ればよかった。(もちろん、こんなライブは初めてです!)
席はステージを右側に見下ろす二階席。
50メートル先にはステージの全景が見えるというなかなかよい席です。
周りを見渡すとチケットはソールドアウトということで後方の3階席までびっしり埋まっています。
ステージ中央からは花道が50メートル程度せり出ています。
会場で売っていたビールを飲んで「アンガス!」と叫んでいる外人の姿もあります。

セットも巨大:さいたまスーパー・アリーナで『AC/DC BLACK ICE JAPAN TOUR』のライブを観る。
セットも巨大

開演の7時を10分ほどこえ客電も消え、会場のヴォルテージが最高潮に盛り上がるとステージ上の巨大なスクリーンには、機関車が暴走するというアニメーション。
いざ、衝突という瞬間、スクリーンは中央から二つに割れせり出してきたのは赤い角のついた強大な蒸気機関車のセット。
もう、いきなりしょっぱなから凄すぎる演出。カネかかってます!
1曲目は、一番新しいアルバムから『Rock N' Roll Train』で始まりました。
イントロのギターのフレーズが流れるや予想通り周りは総立ちです。
あとはもうヒット曲のオンパレード。(というほど、日本では売れていない!)
例のスクールボウイの格好でダックウォークをやりながら走り回るアンガス・ヤング。
ヴォーカルのブライアン・ジョンソンもハンチングをかぶった肉体労働者風のいでたちでシャウトしながらステージ上を前後左右に動きまくっています。
一方、対照的にアンガスの弟のマルコム・ヤングをはじめとしたリズム隊は、ただただ黙々と正確なリズムを刻みながら楽器を弾くのみです。
ライブの中ごろでは、アンガスが例のドラムのリズムに乗りながらズボンをおろすパフォーマンスをやってくれました。
今回は尻は見せませんでしたが…。
流石に演奏は年齢を感じさせないパワフルものでしたが曲と曲との合間には、やや疲れの見えるブライアンとアンガスです。
「Whole Lotta Rosie」という曲ではセットの機関車にまたがった巨大なバルーンでできた下着姿のおねぇさんが登場。
この超グラマーなおねぇさん、驚くことにしっかりつま先でリズムをとっています。

アンコールのオーラスはお約束の「For Those About To Rock (We Salute You)」。
さすがにアンガスも疲れたのか、この曲のイントロでは少々リズムがよたっていたような…。
これもお約束の6台の大砲がステージ後方にせりで出てきて何発もぶっ放されジ・エンド。
ほぼ2時間、これだけハードな楽曲を延々とやりながら(バラードなんて1曲もない)客をノセ続ける技はほとんど伝統芸の域ですね。
「これをロックのライブです!」と言わずして「何をロックのライブと言うんじゃい!」といった感じでイーものを観せていただきました。

AC/DC BLACK ICE JAPAN TOUR 2010年3月12日さいたまスーパー・アリーナ セット・リスト

  1. Rock N' Roll Train /暴走/列車 (15th ALBUM 『BLACK ICE/悪魔の氷』[08年発表])
  2. Hell Ain't a Bad Place To Be /地獄は楽しい所だぜ (4th ALBUM 『LET THERE BE ROCK/ロック魂』[77年発表])
  3. Back In Black/バック・イン・ブラック (7th ALBUM 『BACK IN BLACK』[80年発表])
  4. Big Jack/爆弾ジャック (15th ALBUM 『BLACK ICE/悪魔の氷』[08年発表])
  5. Dirty Deeds Done Dirt Cheap/悪事と地獄 (3rd ALBUM 『Dirty Deeds Done Dirt Cheap/悪事と地獄[76年発表])
  6. Shot Down In Flames/ショット・ダウン (6th ALBUM 『HIGHWAY TO HELL/地獄のハイウェイ』[79年発表])
  7. Thunderstruck/サンダーストラック (12th ALBUM 『THE RAZOR’S EDGE』[90年発表])
  8. Black Ice /悪魔の氷 (15th ALBUM 『BLACK ICE/悪魔の氷』[08年発表])
  9. The Jack /ジャック (1st ALBUM 『HIGH VOLTAGE』[76年発表]
  10. Hells Bells / 地獄の鐘の音 (7th ALBUM 『BACK IN BLACK』[80年発表])
  11. Shoot to Thrill/スリルに一撃 (7th ALBUM 『BACK IN BLACK』[80年発表])
  12. War Machine/戦闘マシーン (15th ALBUM 『BLACK ICE/悪魔の氷』[08年発表])
  13. High Voltage /ハイ・ヴォルテージ (1st ALBUM 『HIGH VOLTAGE』[76年発表]
  14. You Shook Me All Night Long / 狂った夜 (7th ALBUM 『BACK IN BLACK』[80年発表])
  15. T.N.T. / T.N.T. (1st ALBUM 『HIGH VOLTAGE』[76年発表]
  16. Whole Lotta Rosie /ホール・ロッタ・ロジー (4th ALBUM 『LET THERE BE ROCK/ロック魂』[77年発表])
  17. Let There Be Rock/ロック魂 (4th ALBUM 『LET THERE BE ROCK/ロック魂』[77年発表])
  18. [Encore]
  19. Highway To Hell/地獄のハイウェイ (6th ALBUM『HIGHWAY TO HELL/地獄のハイウェイ』[79年発表])
  20. For Those About To Rock (We Salute You) /悪魔の招待状(9th ALBUM 『FOR THOSE ABOUT TO ROCK /悪魔の招待状』[81年発表])
上記セットリストは「RO69」より

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