ケイト・ブッシュ『エアリアル』を聴く
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ケイト・ブッシュ(Kate Bush)の新作アルバム『エアリアル』(Aerial)がAmazonから届きました。
ケイト・ブッシュといえば、明石家さんまのTV番組「恋のから騒ぎ」のオープニングで使われている楽曲『嵐が丘(Wuthering Heights)』が有名です。
しかし、その独特の歌声から、一部ではイロモノ的なイメージが先行している感があります。
そのため、彼女の他の楽曲を知らない人も多いのではないでしょうか?
『嵐が丘』以外の彼女の楽曲を知らないのは、非常にもったいないことです。

本作のリリースは、2005年11月7。
このアルバムは、1993年の『レッド・シューズ』以来、12年ぶりの新作として大きな注目を集めました。
『Aerial』は、ケイト・ブッシュの音楽キャリアにおいて重要な作品であり、その多彩な音楽スタイルと深いテーマ性で高く評価されています。

本作は2枚組のアルバムで、ディスク1は『A Sea of Honey』、ディスク2は『A Sky of Honey』というサブタイトルが付けられています。
「A Sea of Honey」には独立した楽曲が収録されており、「A Sky of Honey」には一日の移り変わりを描いた連続した楽曲が収められています。
これにより、自然の美しさと人間の感情が見事に織り交ぜられています。

アルバムのジャケットは、はちみつ色の空と海を模したデザイン。
夕日に照らされた山脈が海に映る様子が描かれていますが、実際にはこれは黒鳥の歌声の波形を重ねたものです。
この独創的なカバーアートは、アルバムのテーマである空、海、鳥の歌を象徴しています。
ジャケットを開くと、美しい少女のイラストがこちらを見つめており、心を射抜くような眼差しが印象的です。

1曲目を聴き「相変わらず孤高の人だなぁ」と思うと同時に「やっぱり、天才だな」との印象。
デビュー当時から持つ彼女独特のゴシック小説のような幻想的で神秘的な世界観と、精巧に計算されたサウンドは健在です。
しかし、その世界は以前に比べて明るくなったように感じます。
ポップとトラッドの融合、聴く者に不安を覚えさせるような音使いと歌い方、緊張感を生むリズムが特徴的です。
それでも、妙に癒されるのが不思議です。

『Aerial』は、フォーク、ルネサンス、クラシック、レゲエ、フラメンコ、ロックなど、さまざまな音楽スタイルを融合させた多層的な作品です。
特に「A Coral Room」は、そのシンプルさと深い感動で批評家から絶賛されました。
また、アルバム全体としても、ケイト・ブッシュの音楽的な才能と創造性が存分に発揮された作品として高く評価されています。

本作は、ロックというカテゴリで語るにはもったいないほどの傑作です。
日本ではあまり売れないかもしれませんが、今年聞いた洋楽の中では間違いなくNo.1。
音楽が好きな人なら、ぜひ一度聴いてみてください。
損はさせません。
久しぶりに素晴らしい音楽に巡り合えたせいか、思わず興奮してしまいました。

そう言えば、関係ないけど今日はジョン・レノンの命日なんだよね…。

トラックリスト

Disk:1(A Sea of Honey)

  1. King of the Mountain - キング・オブ・ザ・マウンテン(4:53)
  2. π - パイ(6:09)
  3. Bertie - バーティ(4:18)
  4. Mrs. Bartolozzi - ミセス・バルトロッツィ(5:58)
  5. How to Be Invisible - ハウ・トゥ・ビー・インビジブル(5:32)
  6. Joanni - ジョアンニ(4:56)
  7. A Coral Room - コーラル・ルーム(6:12)

Disk:2(A Sky of Honey)

  1. Prelude - プレリュード(1:26)
  2. Prologue - プロローグ(5:42)
  3. An Architect's Dream - アーキテクトの夢(4:50)
  4. The Painter's Link - ペインターズ・リンク(1:35)
  5. Sunset - サンセット(5:58)
  6. Aerial Tal - エアリアル・タル(1:01)
  7. Somewhere in Between - サムウェア・イン・ビトウィーン(5:00)
  8. Nocturn - ノクターン(8:34)
  9. Aerial - エアリアル(7:52)

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